Phasemation フェーズメーション

colums会長のコラム

会長のコラム 283

2月に自宅書斎で転倒し、その傷も全快しつつある。私の入居するマンションの庭の桜も散ってしまった。変わって、春先に紅色の葉を付ける、木の葉が元気に咲き誇る。この庭を眺めつつ、そして春の温かさを感じつつ、上々の気分での朝食、これが今日の始まり。 
毎朝、食事時に読む新聞紙上の記事は、このところ、判でついた様にトランプさんの記事が続く。トランプさんは、現状を想定しての先手必勝を試みている様だが、今の状況を鑑みると、軽率な行為に見えてならない。 
私は、今年9月に90歳になる。普段の不摂生から、物忘れの癖が昇華して、「歳」相応の穏やかな気分を味わえないでいる。会社での環境が、それを許さない状況かも知れない、 
等と思う事も有るが、そこを脱出しないと「死ぬぞ」と自身に言い聞かせている。歳をとる事への生活環境等、話してくれる親や先輩等が、今の私に現存する筈は無い。だから、今の環境は、やり過ごす事のみで、苦しみは二乗で効いて来る。 
 
今月の音楽ライフ 
4/6(月) 14時開演で新国立劇場にオペラ「椿姫」の公演に行ってきました。ヴェルディ/椿姫 イタリアオペラを代表する「ザ・オペラ」であります。私が最初に観劇したオペラが、このミラノ・スカラ座公演の「椿姫」でした。当時世界一の公演を、人生最初に観劇してしまった事で、後々に続くオペラ観劇に影響している気がする。 
大学在学中の部活(グリークラフ)の同級生が、NHKの技術部に就職しており、卒業後間もなくの時期の事、イタリアの国家親善活動の一環で、ミラノ・スカラ座の引っ越し公演が、NHK主催で行われ、大きな話題となるのです。そのチケットの購入に徹夜して並ぶファンの熱狂。その時、NHKに就職した同級生に依頼して、手に入れたオペラチケットが、この「椿姫」でした。 
これが、初めて観劇するオペラだったのです。当然の事ですが、日本語の字幕スーパー付きです。その時のインパクトが強烈で、後々まで、と言うか、今に至るまで、その感激が刻まれ、今回の公演にも大きな期待を以て観劇に臨んだのです。私、新国立劇場の「椿姫」公演は初めてでは有りませんが、私のオペラ趣味に刷り込まれた演目です。全てを観劇しており、その度々毎に初心時代を思い起こすのです。 
私は、オペラが好きで、ヴェルディ好き、電子工学の技術者で、企業創業者、音楽を勉強した事は全く有りません。しかし、今では、「舞台演奏をイメージしつつ、音響機器開発を務める技術者」です。この点をご理解頂いたうえで、今回の新国立劇場公演当日の感想を書いてみました。 
ヴィオレッタとアルフレードが同棲する館に、父親のジェルモンが訪ねて来る場面で、ジェルモンが息子に故郷に帰って来いと、切々と歌う場面で、毎度に感じる迫力が無い。原因は一つ、部屋の作りに「コク」が無い。極めて「あっさり」と通過する感じ。 
そして、終盤の場面、ヴィオレッタは、ベッドの上の様な、グランド・ピアノの上の様な、何とも雰囲気の無い環境で死を迎えようとしている。この場面は、特に頂けなかった。私の席の視角の影響なのか、それにしても1F席の真ん中、ここが悪い筈は無い。演出の意図に対し、私の志向が飛び過ぎていたのか、誰もが涙する場面、素晴らしい歌唱が舞台の状況にマッチしないのです。何時もの感極まった感情表現は沸いてこない、残念なエンディングでもありました。 
 
4/18 (土) 14時開演で神奈川フィル定期演奏会に、みなとみらいホールへ行ってきました。 
当日の演奏 指揮 : 沼尻竜典 
コンマス : 石田泰尚 
バイオリン・ソロ : 石田泰尚 
演奏曲目は、前ステージが ショスタコーヴィチ/バイオリン協奏曲2番 
休憩を挟んで、第二ステージが、ショスタコーヴィチ交響曲第5番、の2曲でした。 
私、ショスタコーヴィチの生演奏を聴くのは初めてでした。何故に? 演奏機会が少ないから、これは言い訳。現代音楽は、ロックを含めて敷居が高いのです。しかし、コンサート・ホールで聴くショスタコーヴィチに、全くストレスは無い事に、遅まきながら気が付いた次第で、何とも恥ずかしい限り、早速レコードを購入する気が生じる。 
当日の演奏について述べる資格は有りませんが、何か新しいものを発見した思いに至り、今後の楽しみが増した気がしています。神奈川フィルの定期会員として在籍しているお陰で「犬も歩けば」のたとえの様、恥ずかしい思いを込めて書いています。 

89歳誕生日撮影

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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