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colums会長のコラム

会長のコラム 065

・京都に遊ぶ、忙しい10月のひと時

ドイツへの出張などがあってコラム65のアップまで間隔が空いてしまいました。お詫びします。
先日、当社お客様企業の役員の方が定年退職されたのを機に、京都祇園の料亭で食事をする機会に恵まれました。謝恩会と言うのが名目ですが、氏が京都にて余生を送る計画を立てられ、その京都を知らない横浜人がこれを機会に京都探索の起点にしようと言うのが食事会の本音だったようで、食事会のためにわざわざ京都まで行くのも酔狂の至りと思った次第です。
京都の食事処は、京都に詳しい主役のご本人に指定して頂いた訳です。それは、京都の祇園に在る割烹でした。恥ずかしながら生まれて初めて京都の本格的料理を味わったわけです。何が違うかと問われれば困るのですが、やはり京都は違うような気がしました。例えば、何気なく添えられる漬物の味もそれなりに気遣いが感じられ、吸い物なども関東のそれとは違っていて、特別なところに来た感じがします。

私も今は、会長職として時間に多少の余裕出来た事と、職責遂行の方針を国内よりも外国を積極的に向けるようにしています。それは、会社の求める方針もあるのですが、歳をとると行けなくなるから今のうち体が動ける時に行っておくと言う考えがあります。国内旅行は、「よぼよぼ」しても行けるのでないかと勝手な解釈をしているのですが、この度、京都に行ってみて感じたことは意外と近いし、体へのストレスや費用も海外に比べると比較になりません。そして、得られる感動は海外には無い別の感動が得られる事に改めて感じいった次第で、おそまきながらと言えばその通りですが、昔仕事では何回となく行った思い出が嘘の様に思われるから不思議です。これからは、京都を極めるなどと大上段に構えたくなるくらいに感動しています。

祇園の割烹

今の時期は、オーディオ関係の雑誌社がこぞって今年度に発売されたオーディオ機器の表彰審査をします。我々メーカーも自信のある商品をエントリーして、評論家先生方の評価を受けるのですが、各雑誌社に関係する評論家先生に商品を聞いて頂いて評価を受けなければ事は始まらないので、関係する我々メーカーの技術担当は極めて忙しい時期であります。従って、私といえども商品の技術情報以外の会社としての商品戦略や経営方針などもご説明に伺わなければならず、気忙しい時期を過ごしています。そんな中、夏季休暇中であった神奈川フィルの定期演奏会も始まり、新国立劇場のシーズン開始と加えてウイーン国立オペラ劇場の引越し公演があります。

今月の新国立劇場は、10月7日がプッチーニのオペラ「トウランドット」、とヴェルディーのオペラ「リゴレット」の2演目、ウイーン国立劇場の公演が10月25日のモーツアルトのオペラ「コジファントッテ」、10月26日のベートーベンのオペラ「ティデリオ」と続きます。加えて、ウイーン国立劇場のこの2演目に付いてゲネプロの招待を受けていましてどう時間を確保しようか嬉しい悲鳴です。
これらの公演のうち、今、この原稿を書いている時間に既に済んだ公演は、オペラ「トウランドット」と神奈川フィルの定期公演で、この場でレポートする事にし、残りは次回66回にレポートする事にします。

プッチーニのオペラ「トウランドット」、これはプッチーニの未完のオペラでこの中のアリア「誰も寝てはならぬ」は極めて有名で、嘗てオリンピックのスケート種目で荒川選手が金メタルを取った時のバック音楽にも使われた事は記憶に新しいことです。このオペラは、主役の一人「リユー」が死ぬところでプッチーニの筆が折れ、その後は弟子が仕上げたと言われていますが、その部分は盛り上がりに乏しくストーリーの繋ぎにも無理がある様に感じてなりませんが、なんと言っても「リユー」が死んだ時点でこのオペラはおしまい、その先は観客の想像に任せるとしても良かったのではないかと思います。

新国立劇場の舞台は、毎度のことながら素晴らしい舞台でした、東京フィルの演奏もこのところ快調で当日も申し分なし。オペラはどうしても大事な役柄は西洋人が占めないと様にならない、その点申し訳ないが日本人だけのオペラは「安かろう、なんとか」と言われても仕方ないでしょう。

久し振りの神奈川フィルの定期演奏会、バイオリンが竹澤恭子、シュナイト指揮による神奈川フィルによるベートーベンのV協、そして、ブラームスの交響曲第4番でした。特に印象に残ったのが竹澤のバイオリンで、このところ聴く機会の多い諏訪内やヒラリーハーンとは違う芸風に新鮮さを感じ、何時までも耳に残るものを感じました。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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