会長のコラム 256
R6年1月のコラムです。
毎度、当コラムへのお目通し有難う御座います。本年も書き続けますので宜しくお願い致します。
昨年の当社新商品「MA-5000」は、オーディオ各誌の賞を総なめしました。出力真空管に211パラシングル回路を使用したことを既にお話ししましたが、この211パラシングル回路を用いた先輩メーカーは、我々よりも数年いや10年かも、早くから実用化し、「売り」のテーマにしていました。一見すると「我々が真似をした」と捉えかねませんが、オーディオ機器の「音」を求める方向(スタンス)が、我々とは全く違う事から開発企画しました。
現代技術といえども「生オケ」の音そのものを再現することは出来ません。出来ることは如何に「それらしく」と言う事になります。従ってここには、開発者、会社のスタンスなどが大きく関わるわけで、メーカー毎の「音」は異なってくる事になります。
我々は、限り無く生のステーヂの再現を求めています。その為に、開発技術者はコンサートやオペラ公演の観客として、積極的に参加し個々人の鑑賞力をお互いにディスカッションして、その結果を以て商品に反映する事を心がける。これが、当社の「生音へのアプローチ」の一端であり、商品開発への重要な手法としています。
商品化へ向けた「音」創りの手法は各社各様と思いますが、我々の求める「音」へのアプローチは「コンサート・ホールの音以外に無い」との思いを込めて機器開発に努めています。この当社の重要な方針は、今後も続ける事を必須と考え、「音創り」に努めますので、今後とも宜しくご支援の事お願い致します。
今月の音楽ライフ
R6年1月13日土曜に横浜みなとみらいホールに14時開演で行ってきました。前ステージがブラームス/ヴァイオリン協奏曲。後ステージが、チャイコフスキー/交響曲1番「冬の日の幻想」でした。
指揮が小泉和裕、ヴァイオリン/金川真弓
ブラームス/V協は、お馴染みであります。ヴァイオリンの金川真弓は、私、初めて聞く名前であり、演奏を聴くのも初めてです。この人ドイツ生まれで、2019年チャイコフスキー国際コンクール4位、2018年ロン=ティボー国際コンクール2位の実績を持つ人で、日本ではN協、都協、読響などに出演実績があり、使用する楽器は日本音楽財団貸与のストラディヴァリウスです。私、演奏当日までこの人を知りませんでした。
私などが評価する資格は有りませんが、神尾真由子のデビュー演奏会の時程の衝撃は、感じ取れませんでした。
後ステージのチャイコフスキー/交響曲1番は、作曲に苦労した曲と言われています。私、生演奏を聴くのは初めてで、定期演奏会ででもなければ、積極的に聞く機会が少ない曲でしょう。チャイコフスキーの交響曲といえば、第4、5、6 番が定番と言えましょう。この1番も聞いてみるとやはりチャイコフスキーの香りを感じるし、中々の名曲でありました。早速アナログレコードを探し聞き込みたい心境に至っています。
1月31日14時開演で新国立劇場にてエウゲニ・オネーギンのオペラ公演が予定されていますが、この公演を待ってレポートすると大幅に発行が遅れるので、来月のコラムに記載する事にします。