会長のコラム 259
R6年4月のコラムです。
前号258 号でTADスピーカーとメインアンプMA-5000を組み合わせた音をご紹介させて頂き、素晴らしいマッチングに大満足した事をレポートしました。
私、以前よりチャンネル・アンプ方式の再生装置にチャレンジしていた事は、本コラムに連載して居り、そのシステムも完成し販売活動に入っています。今般それ程までに、良いシステムに遭遇したのであれば、その方は如何なるのか。
その点についても、是非ともお話しなければなりません。最初に、私のスピーカー遍歴から述べさせて頂きますと、資金に少し余裕が出て最初に設置したのが,アルテックのA-7 でした。次に導入したのが、タンノイのオートグラフで、全て上質の中古品です。それぞれ優れたスピーカーでしたが、音楽ソースを選ぶ傾向が有り、それぞれ5~6年使用する内に嫌気が指し、今はマッキントッシュのXRT型スピーカーに落ち着き、今も拙宅のAVルームに鎮座しています。
ここ迄来て気が付いた事は、それぞれのスピーカーから出て来る音は皆違うのです。と言う事は、聞く音楽ソフトとのマッチングが違うわけで、自分の感性に合った音楽ソフトに合わせる事や、時々の気分に合わせるには、チャンネル・アンプ方式しか無いと言うことに落ち着くのです。ならば「マッキンはパーフェクト?」と問われるなら、比較的広範囲に対応するのがマッキンであったと言う事なのです。
と言うことで、TAD のスピーカーも守備範囲は広いのですが、いかんせん、私好みの低音再生は不得意で、チャンネル・アンプ・システムは今後も続けざるを得ないのが現状です。この点は導入以前から理解していた事ですが、何分チャンネル・アンプ・システムは旧拙宅に設置してあり、今、老人ホームに住む身の私としては、他に選択の術は有りません。
かくも、オーディオと言う趣味は厄介者と言わざるを得ません。と言うことで、今回のTAD システムが、今の生活環境にマッチしている訳で、好きな音楽ソフトを聞きつつ、お迎えを待つ。これが、今の生活環境であります。とは言え、時にはうずく心を治めるべく、旧宅に出かける生活環境もあり、生音楽に接する機会として、新国立劇場と神奈川フィルの定期会員として、「生音楽」に接触し、感性の衰えを補完しています。会社の技術の現場に発破をかける原点を維持しつつ、感性を癒す原点を逸する訳には行きません。これ、会社内では、老害との陰口が聞えそうな気もしますがね。
今月の音楽ライフです。
4月のコンサートは、神奈川フィルの定期演奏会の今シーズン初日にあたり、4月20日みなとみらいホールにて、14時開演で行ってきました。何かと、気忙しい4月です。コンサートは、この1件のみで助かりました。
5月には、みなとみらいホール、音楽堂、新国立劇場と3つ揃えの予定です。音楽ライフ全回転と言う事になります。
その4月公演は、ブルックナー生誕200周年で、交響曲5番が演奏されました。演奏時間が80分で休憩無しの演奏。指揮が、音楽監督の沼尻竜典、コンマスが石田泰尚。神奈川フィルの背水の陣と言う布陣で素晴らしい
コンサートでした。
ブルックナーは、曲が完成し初演後に修正する癖があり、この交響曲5番に限りその癖が発症していない曲と言われており、作曲者として油の乗った時期の作と言われています。
私、この曲の生演奏を休憩無しの通しで聴くのは初めてでした。ブルックナーの交響曲のレコードは持って居りますが、それも全曲通して聞く事は稀でした。今後は方針を変えて、全曲を一機に聞く事に注力する事にします。
恥ずかしながら、素晴らしい気合の入った演奏に大感激、近寄り難い偉人のイメージは拭い去ることにしますが、歳を取った今となっては、過去への反省有るのみ。そして、神奈川フィルの企画、それに応えるオーケストラの演奏力に感謝、脱帽でした。