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colums会長のコラム

会長のコラム 245

R5年2月のコラムです。

昨年20周年記念として発売した商品フォノ・カートリッジPP-5000の前評判が先行しつつも、部品入荷の遅れから出荷が遅れ、お客様方には多大のご迷惑をお掛けしました。初ロットの出荷品の評価が、前評判以上のご評価を頂く結果となり、出荷遅れは、益々心苦しい心境に至っています。
本商品のダイヤモンド・カンチレバーの使用は、業界では特別に新しいものではなく、既に先輩メーカーは数度のモデルチェンジを行っており、技術的に枯れた方式と言えます。しかし、我々の商品にはボロン・カンチレバーを使用し続けて来た経験から、ダイヤモンド・カンチレバーを使用してみて、その実力を出す為には従来とは別の手法が必要との思いに至り、新たなるノーハウを会得します。
結果として、従来の先輩メーカー品を超える性能に至ったと自負しつつ、PP-5000は市場での高評価が得られました。しかも、知り得た特性はボロン・カンチレバー商品にも共通するノーハウである事にも気が付くのです。
ここで我々は教えられました。ボロン・カンチレバーへのノーハウ転用であります。性能を出し切れていなかった事実に、改めて気が付く結果となり、従来商品への更なる高音質化への可能性であります。知り得たノーハウをボロン・カンチレバーに転用するとどうなるか。当たり前の事ですが、チャレンジして知り得たノーハウを過去の商品への転用は、新たなるステージへと進化するのです。
チャレンジ無くして進化なし。ダイヤモンド・カンチレバーから得たノーハウは、従来品のボロン・カンチレバー商品の音質改善に繋がる楽しみが生まれ、これがダイヤモンド・カンチレバーを超えると言うことではありませんが、従来品の性能アップにつながる新たなるノーハウを得たのです。

今月の音楽ライフです。
1月31日の新国立劇場公演 オペラ「ワーグナー/タンホイザー」に行ってきました、本件コラム244に掲載すべきところ、時間切れで今月に記載させて頂きます。
このワーグナーのオペラは、公演機会の多い作品でありますが、出演歌手には別名ワーグナー歌いと言われる特別な歌唱を求められるので、この点新国立劇場ならではの演目と言えましょう。当日の公演は「素晴らしかった」の一言に尽きるのです。
肝心な役どころは、四人の外国人歌手に占められていました。しかし、領主ヘルマン役の妻屋秀和(バス)は、外国人歌手に負けず思いの他の好演でありました。他の日本人歌手も見劣りしない立派な役どころを熟しており、現地の有能な歌手との公演となると、ツラれるのでしょうか、普段以上の力を出していたようで、これ共演の効果と言う物なのかも知れません。

当日の指揮 アレホ・ペレス
ブェノス・アイレス出身ながらもヨーロッパとくにフランスで活躍している人で、ザルツブルグ音楽祭ではウィーンフィルを指揮していました。新国立劇場には初登場です。
オーケストラ 東京交響楽団 コンサートマスタ 水谷晃
領主ヘルマン 妻屋秀和
タンホイザー ステファン・グールド
ヴォルフラム ディヴィッド・スタウト

以下、外国人歌手2名の計4名で、残り全てのキャストは日本人歌手でした。このオペラは出演歌手の多い演目で、名曲ながらも日本での貴重な公演でした。

2月15日新国立劇場に14:00時開演のマチネ公演に行ってきました。ヴェルディー最後の作品オペラ「ファルスタッフ」です。ヴェルディーのオペラと言えば耳に残る名アリアが特徴ですが、このオペラには耳に残る名アリアは有りません。ヴェルディーも時代の変化を感じ取り、新しい形式にチャレンジしたのでしょうか、最後の作品でありますが、その辺りは何とも言えません。なかなか魅力に溢れ、音楽とストーリーが良くマッチしている、流石のヴェルディー作品であり、期待するアリアは無くとも飽きる事なく楽しめるオペラです。
歌手の実力に高いレベルが求められ、日本では公演機会が少ない作品でありましょう。演奏時間は少し短めながらも、緊張して楽しめるオペラです。
コロナ禍に飽き飽きしつつも、管理の和らぐ雰囲気に包まれたオペラ鑑賞は、新国立劇場の努力によるものと感謝しつつ、終演後のワインと食事を堪能し、オペラ鑑賞の余韻は、この上無い幸せの時でありました。

当日の演奏

指揮 コッラード・ロヴァーリス
ベルガモ生まれ、ミラノ音楽院で学ぶ。イタリアでの活動が多い人ですが、ヨーロッパ、アメリカでの活動も多い人です。

出演歌手には主役どころに外国人4人、日本人歌手ではテノールの村上公太、三宅理恵、等が好演で光っていました。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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