Phasemation フェーズメーション

colums会長のコラム

会長のコラム 012

年末から正月に掛けては、時節柄とは言え内容の濃いコンサートが目白押しで、何を選ぶか困るのですが、私の場合は迷わずに例年にならって横浜みなとみらいホールのジルベスターコンサートでした。

オーケストラが、矢部達也、藤原浜雄、石田泰尚、三浦章弘と日本の名だたるコンサートマスターが入れ替わる特別編成のオーケストラ、指揮が秋山和慶と飯森範親と言うそうそうたる面々で、オーケストラメンバーには漆原啓子、朝子、今井信子などソリストクラスのメンバーが加わり豪華なオーケストラでした。

中でも圧巻だったのが、徳永二男さんをはじめ当日出演の全てのバイオリニスト12名による12のバイオリンのための月のオーラと言う曲の演奏でした。名手の持つ楽器の音色の違いと弓さばきの違いが一堂に集まると斯くも違うものか、その違いが宝石の散りばめた装飾をイメージするものであり、こんな豪華なコンサートは流石採算無視と言うだけあって、みなとみらいホールの実力の賜物なのでしょう。ちなみに、この12名の楽器を金額にすると数十億円になると司会の朝岡聡さんが言っていました。

正月2日には、石川雅子ミュージックアカデミーを主宰されている石川先生のご自宅に招待されピアノとバイオリンのミニコンサートを10名程の少人数のなか夫婦で堪能させて貰いました。

ピアノは石川先生ご自身、バイオリンがJan Pustejovsky(ヤン プステヨフスキー)さんです。ヤンさんは現役のオーケストラのバイオリニストでありますが、以前広島交響楽団のコンサートマスターを勤められた人で、ここのミュージックアカデミーのバイオリンの先生でもあられます。

この先生方が、お正月気分で肩をリラックスして合わせる音楽は聴く者の心を捉えて離しません。

演奏終了後は、御節料理をつまみつつお酒を飲みながらの音楽談議に花が咲き、ついつい夢中になって帰りの最終電車に乗り遅れるところでした。こうして、立て続けに生のバイオリン音楽を聴くと、オーディオ機器に夢を求めてそれを開発する事の難しさと同時に侘しさを感じてしまいます。バイオリンのしなやかな音色、何でスピーカーから出ないのか、オーディオで再生する音はやはり「もどき」に過ぎない、しかし封建時代の王様でもあるまいし、好きな時に好きな音楽を奏でさせるような者は現代に存在しないのですから、せめてオーディオ機器で頑張るしかないでしょう。

この精神を忘れずにフェーズテックのオーディオ機器は今後も頑張ります。また、今年も頑張ってこのコラムを書き続けます。宜しく、ご支援のほどお願い致します。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

インタビュー掲載

コラムアーカイブ