会長のコラム 087
プロローグ
私が、学校を卒業し就職したのが50年前のこの時期、1965年四月の事でありました。先日、奈良に居住する同級生から奈良遷都1300年祭があるから、50年を記念して奈良での同級会が行われ参加して来ました。何と25名もが集まりびっくりです。
奈良へは、仕事でどれだけ通ったか、京都から近鉄奈良へ、そしてタクシーで天理へと。しかし観光で来るのは中学の修学旅行以来ですから楽しかった。
サマリー
1. 奈良、京都旅行
2. 新国立劇場のオペラ ドニゼッティー/愛の妙薬
3. 秋田で甥の結婚式
4. 最近見つけたCD
1. 奈良、京都旅行
サマリーの続きです。同級生の中に奈良のボランティアガイドをやっている者がおり、採算抜きの熱心なガイドには感激した反面、体力の限界を知りました。ご承知のように奈良は見学箇所が密集しているとは言え、その一つ一つが大きいので乗り物の利用もままなりません。だから我々のような年代者が歩いて回るのは容易ではありません。
ガイドの熱心さのあまりに歩きが早いのに閉口し、終わってみたら腰が痛い足が痛いで翌日のツアーはダウンでした。結果ひたすら寝て回復を待つしか有りませんでした。
私は、日を改めて再度尋ねる事にしましたが、この地を訪れるには乗り物が使え無いだけに、若くないと無理のようです。それでも身体を鍛えて再挑戦しなければならないと思っています。
翌日の夕刻に同級会を解散した後は、家内と京都に2泊の京都観光となりました。この京都にも過去に仕事で何回来たことか、観光での訪問はやはり修学旅行以来のことです。
前日の腰の痛みも和らぎ、話題の観光タクシーを利用しての京都見学でありました。運転手から希望の場所は有るかと問われ、混むところは御免だからと言う事で、金、銀、清水抜きで、再訪したくなるような場所を選んでくれと言ったら、「分かりました、任せて下さい」との威勢の良い返事に気分良好でした。
さて、「何処を回って如何だったか」などと言ってみても誰も読んでくれないから止めにして、京都の食について一言。
京都の観光客は、おばさんと若い女性、それに中国、韓国の観光客、白人と老人少々と言う感じでありますが、何と言ってもおばさんと若い女性の多いのが目につき、はっきり言ってこの人達「ぢゃま」であります。別に「ぢゃま」と感じる事も無いとお思いでしょうが、それがどうして、何事も「可愛い」の連発ですから、蹴飛ばしてやりたい感じになります。観光客を受ける側がその筋に迎合するのは、商売ですから仕方ないでしょう。だから周りは迷惑なのです。
今の時期、京都料理は山菜を生かしたものが特徴でしょう。特に筍は京都ものと言うと特別です。京都料理の特徴は何も「可愛い」と言う表現は多少あるものの、それはほんの一部でしょう。それを全て「可愛い」ですからお店の方もそれに迎合です。
私達が泊まった京都駅に隣接するホテルには、京都伝統の割烹、京都料理の和食、銀座の鮨、てんぷらと和食系があり、その他フランスレストラン、イタリアレストラン、鉄板焼きレストランなどが有りましたが、中でも、イタリアレストランなどは酷いもので見かけばかりで美味しくない、若い女性と気持ちの悪いおばさん連が「可愛い」の連発。全部の店に入った訳ではありませんが、大体の店がその傾向ですから「食」を求めて京都と言うのは考え物です。
京都の伝統割烹は、流石に「可愛い」に迎合せず、京都らしさを味わえたのは此処だけ。値段以外には満足でありました。その価格にしても料理をする側からすればそれなりに当然なのでしょう。しかし京都までの交通費は新幹線で35,000円です。考えてみると東京にもこの店の支店があります。
私の活動エリアである東京、横浜にはよく行く店が数店あります。これらの店は、住み慣れた土地でのキャリアの賜物。京都も同じでしょう。京都に行きさえすれば旨いものが食えるという考えもイージー過ぎますね。一見の客と判って本気で対応する店などある筈がありません。嘗て、仕事で京都に行っていた当時は、土地の事情の詳しい人達との付き合いだったわけで、それを計算出来なくなった私も年取ってしまったものです。
2. 新国立劇場のオペラ ドニゼッティー/愛の妙薬
プログラムの巻頭文を音楽評論家の加藤浩子さんが演出のチェーザレ・リェヴィとのインタビュー・構成で書かれております。ここに、このオペラの全てが表現されています。そして、この新国立劇場が素晴らしい劇場であり、スタッフも素晴らしい、何にも増して合唱団が素晴らしい、世界一と思っていたメトロポリタン歌劇場の合唱団以上と書かれています、お世辞としても悪い気はしません、それほどまでにこの新国立劇場は素晴らしいのです。
この日は、神奈川フィルの定期演奏会とバッティングでした、こちらもシーズン初日で金聖響のマーラー交響曲シリーズの始まりでしたから、残念この上ないのですが仕方有りません。
私は、どちらの公演もシーズンの始めに全チケットを購入します。神奈川フィルのシーズンの始まりが4月、そして新国立劇場の始まりが9月ですからどうしても今の時期は、バッティングミスを避けられないのです。
さて、本題に戻します、当日のキャストですが主役のテノール、ジョセフ・カレヤ、ソプラノのタチアナ・リスニックは本物の夫妻で、更にこの2人は素晴らしい歌手であります。特にテノールのジョセフ・カレヤはメトロポリタン歌劇場にも出演しており、若いながらも将来を嘱望された今旬の歌手であります。また、ソプラノのタチアナ・リスニックはウイーン国立歌劇場と契約を結んでいる実力者であります。
指揮者のパオロ・オルミはミラノ、ローマのイタリアの主要歌劇場を中心に活動する実力者、そしてオーケストラが東京フィルで、このところ何度も言いますが東京フィルの新国立劇場に於ける演奏は、ヨーロッパの田舎歌劇場の比では有りません。これから、新国立劇場のオペラが益々楽しみになります。
3. 秋田で甥の結婚式
田舎の結婚式となると式服の関係やお土産などで、どうしても荷物が多くなります。また近くのホテルに泊まりたいのですが、自分の家に泊まれと言って聞かない、強行するといやみになるからそれも出来ない。
結局、車で行くことにしたのですが、近頃は地方の高速道路の整備は凄いですね。以前は、秋田市にある高度技術研究所やTDKが当社のお客様でありまして、当時は飛行機で行って空港でレンタカーして日帰りと言うのが主な行動パターンでありましたから、今回は暫くぶりの秋田プライベート訪問となりました。
私の田舎は、秋田の本荘と言うど田舎ですが、東名の横浜インターを入ると田舎の家とは高速道路で繋がっているようなもので、高速道路の出口から僅かに2kmで母の実家です。午前9時に家を出て途中休み休みで午後4時には到着ですから、全く疲れ知らずでありました。私が小学生の時、戦時中の空襲を避けて疎開していた土地であり、当時大変な思いをして疎開したのが夢のようであります。
そして、日本の田舎には豊かさを感じます。それでも、人口の減少には目を覆うものであり、一体これは何なのか、人々の話を聞いているとここには夢も希望も無いと言います。私の従兄弟たちは、役人であったり銀行員であったりで、地元で生計を立てていますが、その子供達は例外無く東京に出ています。そして、その子達の生活は東京育ちの者達よりも逞しく、賢い生活を送っています。しかし、やがてそこから育つ子供達は東京育ちとしてその親達のような逞しさを持って育つのでしょうか。それは到底無理な事と思います、
ならば、この立派なインフラは何なのか、地方への補助金は何なのか、地方が自主権をもって「おらが町」をつくる気概を持てば良いのか、インフラ整備が全てでは無い事ははっきりしている。
4. 最近見つけたCD
オクタビア・レコードのEXTONブランド SACD/ハイブリットです。
タイトルがズヴェーデン&オランダ放送室内フィルハーモニーのハイドン交響曲集VOL.2です。
曲は、ハイドン交響曲第31番「ホルン信号」、72番&73番「狩」です。
ご承知のように、EXTONブランドは、横浜のEXTONスタジオでマスタリングしたもので、最近の低調なクラシック新譜の状況の中で、意欲的にソフトを世に出している貴重なブランドと言えるでしよう、特にSACDに付いては益々低調になる市場ですからなおさらです。
ハイドンのSACDと言うことで購入したのですが、中々の良い録音で最近では、イベントなどでも試聴用として使っています。タイトルにVOL.2とありますから、VOL.1は何かと思いましたが宇野功芳のジャケットの解説に92.94.97の「パリ・セット」、「ザロモン・セット」との事、このVOL.2はホルンの活躍する曲を集めたとのことです。そしてもしVOL.3が出るので有ればどんな曲を纏めるのか興味が湧くところと書いてあります。
このジャケットの解説も興味深く面白いと感じました。