会長のコラム 010
10月はヨーロッパ出張を予定して居りましたが、事情が有って急遽中止したところ、聞きつけた関係者がわんさと仕事を押し込んで来まして、余禄の時間と思っていたのが、いやー忙しかった。
特に、新商品の発表でオーディオ各誌へのプレゼンテーション活動に費やした時間が多かったのですが、活動を通じて新製品への確かな手ごたえを感じ、有意義な時間の消費であったと言えます。その記事はやがて、各誌から新製品の詳細記事として発表されるでしょうが、本HPにアクセス頂いた皆様に事前に商品概要をお話しする事にします。
先ず、イコライザーアンプ「EA-1」はオール真空管で、回路方式はSRPP、イコライザー回路がCRによるNON -NFBになっています。回路選定に当たり NON-NFB には特別に拘っています。筐体構造は高剛性化、電源回路は真空管による完全2チャンネルに加え、平滑回路にはそれぞれにチョーを入れた拘りようで、その功が奏して音の高密度化を実現しています。
また、本器には当社のステップアップトランスT-1が組込まれており、背面のRCA端子にジャンパープラグを差し込む事で使用可否を選択出来る構造から、トランス単体としても使用可能です。このトランスのアンプへの組み込みには、特殊な工夫がなされ振動系がアンプ部筐体と完全にセパレートされており、相互干渉の無い優れた音質を実現しています。従って、このトランスT-1を既に購入されたお客様には、そのメリットを享受して頂くために本イコライザーアンプへの組み込み作業をサポートしています。
さて、イコライザーアンプ EA-1 は、当社のアナログ商品ラインの一貫として開発したものですが、本機の発売を以ってこのアナログ機器の開発を完結します。
以後の機器開発計画は、当社の技術力の本領と言うべきデジタル機器への第一歩を踏み出す製品を出荷します。その第1陣が、CDトランスポート CT-1 です。このCT-1は、日本ビクター社がハイエンド用に開発したCDメカユニットを23ミリ厚のアルミ定盤に吊り下げ構造で組上げたものです。定盤と言うのは精密機械の寸法計測時に使用する基準板面であると同時に、この面上に精密部品を組み上げシステムの精度を追求したシステム作り、そしてスピンドルやスライドステージの振動を吸収する目的に使うもので、本器ではこの定盤にCDメカユニットを取り付けました。
また、本機には当然の事ながら外部クロックの入力端子も備えています。
オーディオ機器は、音楽を聴く機械です。人類が残したアナログソフトとCDソフトは膨大なものです。そのソフトパッケージに付いて「アナログも極めつくされていません」と言うキャッチフレーズで、今迄やって来たフェーズテックですが、ここでCDフォーマットに付いてもアナログ再生と同様に「極め尽くされていない」現状に鑑みて、我々のハイテク技術を音楽再生に惜しみなく投入して行く決意を新たにしています。
フェーズテックは、ハイエンドオーディオファンの琴線に触れる商品つくりを続けて行きます。皆様のご意見ご忠告を心よりお待ちして居ります。