Phasemation フェーズメーション

colums会長のコラム

会長のコラム 257

R6年2月のコラムです

昨年の新商品オーディオ各誌のトップ賞を獲得したMA-5000を、居住するホームに持ち込み試聴を試みました。
持ち込んだ部屋は、以前にも紹介しましたが、極普通のご家庭の環境を想定し用意したもので、広さは10帖程で、普段の生活環境とは別に書斎として借り受けた部屋です。
設置したSPは、最近のトールボーイ型で定価150万円程度のものです。(メーカー名は割愛します) ここにMA-5000 を設置して試聴を試みました。
中域から高域に掛けての音質は抜群に改善され、何と言っても音場定位は当社の試聴室に劣らぬ音質で動作しています。しかし、期待した低音再生は、アンプの性能を出し切っていない状況で、やはりSPのキャビティーからして、低音再生は無理でした。
最近発売された、同じシリーズの大型の物で、定価5百数十万円のSPは如何かと設置を考えてみましたが、部屋の大きさを考えると、低音再生を期待するにはこの点からも無理であろう。借用等の手を考えつつ検討する予定で、実験の試みを募らせられています。

今月の音楽ライフです。
始めに前月1/31の公演オペラ「チャイコフスキー/エウゲニ・オネーギン」の紹介を先に記す事から始めます。
当日14時開演で行ってきました。チャイコフスキーのオペラは11曲有ると言われていますが私の知る曲は、この「エウゲニ・オネーギン」と「スペードの女王」ぐらいで、他には知りません。この2曲はオペラ界でも良く知られるもので、演奏機会も有ります。
チャイコフスキーの活動時代は、ワーグナーと同時代であり、氏はワーグナーの曲を軽蔑していたようですから、何が如何してそうなるのか理解できませんが、言われてみるとバレエ曲「白鳥の湖」等とは音楽の性格の違いは大きく、素人ながらも、やはり、そうなのかとの感じは少し理解出来ます。
さて、オペラ「エウゲニ・オネーギン」に付いてです。このオペラ公演を観劇するのは初めてです。ストーリーは至極単純、「惚れた、腫れた、決闘」、そしてメロディーはチャイコフスキー節で分かりやすく親しみやすい。しかし、安っぽいメロドラマとは次元が違う。なにしろチャイコフスキーの音楽です。これ以上は、止めておきましょう、このオペラを鑑賞する方々の機会を逸してはいけません。

2月8日 新国立劇場にオペラ ドニゼッティ/ドン・パスクワーレに行って来ました。
出演者のドン・パスクワーレ役は、バスのミケーレ・ペルトゥ-ジ。この人は、パルマ生まれで今ヨーロッパオペラ界ではバス歌手として、重要な位置を占める歌手です。以下外国人歌手が2人と日本人歌手のバリトンを歌う上江隼人で、ヨーロッパの歌手達に劣らぬ歌唱力と演技で活躍。加えて、ストーリーが面白く、ドニゼッティーの軽妙な音楽タッチは流石と言うもの。
金持ち老人のドン・パスクワーレは、結婚を決意し友人のマラテスタに嫁探しを依頼する。
マラテスタは、自分の妹を勧める。そのドン・パスクワーレは独身の甥に財産を譲ろうと考えていたが、その甥のエルネストが貧乏な未亡人と結婚する事を知って考えを変える。しかも甥の結婚相手は、自分が結婚する相手のマラテスタの妹ノリーナと知り、当然甥のエルネストは叔父から財産を貰う事は出来なくなる。
ここからドタバタ騒ぎが起こり、結局は老人のドン・パスクワーレが折れて皆を許しハッピーエンドとなるのだが、その間のドタバタが面白い。その間ドニゼッティー節がこれでもかと、そのバランス感覚は、何とも言えない楽しいストーリーと音楽で、流石にイタリアオペラの醍醐味と言うものでした。

2月17日土曜 14時開演で神奈川フィル定期演奏会にグリーグ/ピアノ協奏曲とマーラー/交響曲7番「夜の歌」に、みなと・みらいホールに行って来ました。
前ステージがお馴染みの グリーグ/ピアノ協奏曲。指揮が音楽監督の沼尻竜典、ピアノ独奏がニュウニュウ。この人は中国生まれで、10歳のとき旧EMIレコードと専属契約したと言う天才肌、2018年ジュリアード音楽院卒。
日本での演奏活動は結構多いようで、発売レコード盤ではレコード芸術誌で「特選版」に入る等の実績が有り、幅広い時代の作曲家の作品を取り上げて、演奏会活動をしている人ですが、私は積極的に聞く機会が有りませんでした。今回、演奏を聴くに及び、なるほどとの思いに至りました。
後ステージがマーラーの交響曲7番、マーラーの後期の交響曲、長い曲で有名で覚悟はしていたが、熱中してしまい気が付いたら疲れが噴出した感じ、私には、レコードでの全曲を聞く機会は滅多に無かった曲で、定期演奏会の有難さを改めて知る、で有りました。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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