会長のコラム 058
4月は、年度始めと言うこともあって、何かと忙しいのであるが新入社員の研修では、この人達の将来を思い「こちらも頑張らなければ」と思う新たな気持ちをかきたてられた。
神奈川フィルハーモニーの定期公演も新年度を迎え、4月からプログラムが一新されてその第一回が25日横浜みなとみらいホールにて開演された。この第一回目の演奏会は、結構マニアックな演目で私にはついて行けないものであったが、オーケストラにとっては日頃の活動の発表会的性格を持つ定期公演であるからまあ良しとするか。
終演後ロビーにて乾杯パーティーが行われ、期せずしてコンマスの石田泰尚と主席チェンバロ奏者の山本裕康による二重奏が演奏され、参加者から大歓迎を受けていた。このパーティーも以前は最上階のパーティールームにて有料で行われていたのだが、会員が多くなって出来なくなったと聞いている。会員の増大は大変結構な事だが以前のような、楽団員や指揮者との温かみのある懇親は失われている。
さて、新国立劇場のシーズンは、まだ新年度プログラムを迎えていない、今月は予定通りのプログラムで4月18にオペラ「魔弾の射手」が公演された。このオペラはドイツオペラにとって重要な位置を占めるものである。
この曲の初演当時、13歳のワグナーはこの曲に感激し何回も聞いたと言われており、この時点からドイツオペラの歴史が始まったと言われている。ウエーバー以前にモーツアルトやベートーベンがドイツ語オペラを作曲しているが厳密な意味ではドイツオペラと言えない。このあたりの事は、専門家が繰り返し言っているし資料も豊富なので、アマチュアの私が偉そうに論じるのは止めることにするが、作曲家ウエーバーは良い曲を色々作曲しているが、この曲が傑出しているので他の曲が目立たなくなってしまったと言うことも有名な話で、それだけ見ごたえのあるオペラ「魔弾の射手」であった。
当日の演奏は東京フィルハーモニーで中々素晴らしい出来栄えであったと思う。いよいよもってハウスオーケストラの貫禄が出て来たと言えそうだ。
5月の私のスケジュールには、ウイーンフォルクスオパーの来日公演や五嶋みどりの演奏会、それといつもの神奈川フィルと新国立劇場の公演がブックされている。加えてゴルフのシーズンと言う事もあって過密スケジュールの月になりそうだ。4月はこの他にもシュナイトさんのシューマンシリーズなどが有ったが、極力休養を意識したスケジュールに努めた。果たして5月に備えることが出来たであろうか。6月はバッハフェスティバルにドイツに旅する予定である。