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colums会長のコラム

会長のコラム 236

5月のコラム236号です。
236号は、本来4月の予定でした、私がこのコラムを書き始めて以来、初めて休んでしまいました。
実は、4月6日に家内が他界し、5月24日が四十九日でした。とてもコラムを書く心境に至らなかったのですが「何時までもウジウジして如何する」と自分に言い聞かせ、気合を入れ5月のコラムとして236号を書き上げました。
葬儀は、家族葬として済ませ、仕事関係、私の友人の方々にはお知らせをも失礼させて頂いております。それは、私事としての以下の事情をお聞き流し下さい。私がサラリーマンから独立し、会社を立ち上げた当初、家内に人事、経理の事務を無給でやらせ、やがて軌道に乗ってくると海外への出張が必須となるや、会話の勉強をさせ通訳などをやらせ、今日の企業基盤を作り上げた過去歴を思い起こして、苦労を掛け通しであったことが悔やまれ、企業立ち上げ時期に欠かせなかった、家内の協力を考えると、何とも言いようの無い心境に至り、静かに見送る気に成ったのです。
これが、4月のコラムのお休み原因でした。既に四十九日も過ぎ、修行不足の私自身に自己叱咤しつつ頑張って、コラムの連載を書き続ける元気を少しづつ戻しています、今後もコラムへのお目通しの事、宜しくお願い致すしだいです。
当社発足当時は、計測機器事業として磁気記録機器のR/W(Read/Write)測定機が主業で、業界のデファクト・スタンダートを担っていたと自負しています。そして今の職責は、取締役会長として生来の音楽好きが高じ、オーディオ・メーカーとして立ち上げ、トップ・ブランドに向けて邁進しているところで、このコラムを書き続けることも仕事の一つと考えています。
私の進めるオーディオ機器の商品化は、突然に思い付いたのではありません。光悦ブランドの武蔵野音響の菅野社長へのステップ・アップ・トランスのOEM供給、そしてコンバック社の木内社長へのCDプレーヤー、アンプなどのOEM供給などの事業は早くから始まっていました。そして、会長職に就いてからも、オーディオ事業への情熱は一向に衰えることなく、自社ブランドのオーディオ機器事業への有るべき姿が、鮮明にイメージされ、益々進化し続けているのです。
今の成果は、私を支えてくれるスタッフの感性と技術力、加えて私の我儘を追い求めるスタッフのご苦労の賜物です。ここ迄来ると、私の我儘は更に進化し、次への思いはスピーカーと言うカテゴリーに思い至るのですが、ここは私が回路技術者として歩んできた道とは別の世界であり、「手を出すな ! 」との天声が聞こえます。ならば、既成のスピーカー・ユニットをデバイスとして、SPシステムを構築すべきと考えが及んで、チャンネル・アンプ・システムへと進み、今年はその姿が見える年にすべく準備中であり、請う! ご期待と言うところであります。
去る5月19日より22日までドイツで開催されていた世界最大規模のオーディオイベント、「ミュンヘン・ハイエンド」に弊社も出展し、大変好評を頂きました。今後の更なる発展に大いに期待であります。
今月の音楽ライフです。
5月14日(土)神奈川県民ホール 大ホールでの神奈川フィル定期演奏会にPM2.00開演で行って来ました。ここ神奈川県民ホールの音は、私の好みではありませんが、みなとみらいホールが、秋まで工事中ですから仕方有りません、今暫くの我慢です。
当日の演奏会の前ステージが、酒井健治/「ジュピターの幻影」、そしてモーツアルト/ピアノ協奏曲第25番の2曲。後ステージが、シューベルト交響曲8番/「グレイト」でした。
当日の指揮が、阪 哲郎 この人の指揮は、神奈川フィル2度目の出演です。京都市出身でブランデンブルグ歌劇場第一指揮者、アイゼナッハ歌劇場音楽家督、山形交響楽団常任指揮者などを務め、東京芸術大学教授などを務める方です。
前ステージの「ジュピターの幻影」はモーツアルトの交響曲41番の音型が引用され、現代的楽想と織り会わされると言う解説でありますが、音楽を学問として勉強していない者には理解の外であります。聞いた感じもよく分らない、15分と言う短い曲で助かったと言うものが、正直な意見ですが、定期演奏会でないと聞けない曲、貴重な体験だったと言う印象が残ります。
モーツアルトのピアノ協奏曲は、20番以後のものが殊更素晴らしく素人受けする秀曲揃いですが、この25番は少し様子が違い演奏機会の少ないだけに貴重でありました。
後ステージのシューベルト/交響曲「グレイト」この曲の生演奏は流石というもの、聞き終わって演奏者の皆さん、指揮者の阪さんお疲れ様でした。ステージ上の全ての楽器が同時に鳴り響くシーンが多く、生演奏の迫力は易々体験出るものでは在りませんし、決して短い曲では在りません。心地よい疲れを感じつつ終演後の中華街での優雅な食事、横浜の文化的ロケーションに万歳でありました。
5月21日(土)14.00開演で新国立劇場にオペラ/クリストフ・ヴィリバルト・グルック「オルフェオとエウリディーチェ」演奏会に行ってきました。
指揮が鈴木優人、演奏が東京フィルハーモニー交響楽団、コンマスが依田真宜。そして、選び抜かれた、歌手陣に感激でした。オルフェオ/ローレンス・ザッゾ(カウンター・テナー)、エウリディーチェ/ヴァルダ・ウイルソン(ソプラノ)。何と言ってもこのオペラは、オルフェオとエウリディーチェの二人が主役で、物語の進行にダンスが重要な役を演じる事にあります。その二人の主役が素晴らしかった、特にカウンター・テナーの素晴らしさは抜群で、発声そのものが極自然で、この様なカウンター・テナー歌手は初めての体験でありました。
私、この曲のテレサ・ベルガンサ盤のレコードを持っているので良く聞いていますが、生演奏は初めてであり、カウンター・テナーで聞くのも初めてでした。
指揮者の鈴木優人の国立劇場での演奏を聞くのも初めて。この人は、父親の主幹するバッハ・コレギューム・ジャパンの首席指揮者を務め、NHK、民放などの音楽番組でも大活躍の人です。その語り口は、分かり易くしたしみを感じるもので、当日の素晴らしい舞台への功労者のお一人と感じ入った次第です。コロナ禍の元で劇場スタッフのご苦労が滲み、その元での素晴らしい演奏に元気を貰いました。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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