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colums会長のコラム

会長のコラム 221


新年1月のコラム221号です、本年も宜しくご高覧頂けますようお願い致します。
毎年、正月は都心のホテルで過ごしましたが、流石に今年は控えざるを得ない雰囲気で、ホテル・ステイは止めました。
高齢者向けケアー付きマンションに住む私です。ここの正月料理は、一応の形を成すものの、正月料理は、肝心な雑煮の餅などは、喉にツカエル事故を想定し、健常者には耐え難い形で供され、それが、私の毎年の正月行動の原点です。今年はと言うと、部屋でチンした餅をレストランに持って行き、供されたもちにプラスしますと、思いの他グッド アイディアで大満足の絶品、ホテル・ステイの費用も不要です。ここのレストランは、老舗料亭のシェフが運営していますから、悪い筈はないのですが、気分転換の意味もあっての行動でした。まさか、来年の正月もコロナ? それは無いでしょう!
過去に採り溜めた、NHKのオペラや音楽番組のアーカイブが、永年の間、整理されずに溜まったままで、介護の身となった折にと思い、整理のつもりでHDDに移植する作業を続けています。しかし、作業が進むにつれて、これで良いのかと疑問を感じてくるのです。要は、介護を受ける身となるであろう、その時に実用になるのか。家族や介護士に、希望するオペラ番組を出して貰う事を考えてしまいます。
大容量HDD であれば、保管場所も取らずに自分でサーチする、との発想からでしたが、要介護の高齢者を見舞った体験から考えると、私でもそれは出来ないのではないか、もっとシンプルにすべきと思い始めたのです。テーマ毎にDVDメディアに収納し、それをラックに収納して視覚化をしないと、家族であれ、介護士であれ、出して貰うのに都合が良さそうだと思うに至り、再度アーカイブの整理をやり直しています。その作業中にも、ソフトに気が取られ観てしまう、これは凄いソフトだと思うと、ランク分けも必要か、などと考えてしまう。
作業進行中に気が付いたことですが、NHK音楽番組からのソフトは、画質、音質、内容の吟味など、有料だけあって、一番良いと言うことが分かりました。
私が、今の施設に入居した経緯は、両親の介護からの反面教師からなのですが、自分がその歳に近くなり、体力の弱体化に伴う思考の変化から、次々に新たな疑問が湧いて来ます。たかがアーカイブの整理でもこの始末。考えて見ると、何事もそうであった私の思考パターンに気が付く、経営判断もそうでしたから、私の性であり深く反省あるのみ、今更反省して如何なる、先が見える人生に対応する修行が必要と考えるに至り、そこに励むことにしています。修行と言えば、同世代の仲間や知人が逝ってしまう歳で、意欲を持ちつつも癌の病魔に侵されつつも、生き抜く友の姿を見ると、勇気を貰って有難う。そこからもまた、自分の先を想定してしまう昨今であります。
人類の滅亡が囁かれる「今」、結果は如何であれ、後に残す業績も乏しい私ですから、せめてビデオアーカイブを残すことに、無駄は無いと確信しつつも、これも又、自分流の都合主義かもしれないと思う心、やはり「始末心」を鍛える修行が必要なのです。

昨年暮れに、表彰された新商品、定価300万円のイコライザーアンプ「EA-2000」は、現品の試聴もせずに注文して頂く有難い現象に遭遇し、わが社の商品品質を疑いも無くオーダーして頂く市場の現象に、感動してしまいます。特に海外からの反響は、私の「音作り」思考と担当社員の努力による賜物であること。そして、「Phasemation」ブランドに対するイメージ向上は、同じ価値感をもつオーディオ・ファンの存在からである事を知って、何事にも代え難い感慨深さ、そして感謝の念を抱くのであります。

さて、今月の音楽ライフです。
緊急事態宣言の発令でしたが、1月23日土曜 神奈川県立音楽堂にて、神奈川フィルハーモニー管弦楽団 創立50周年定期演奏会 音楽堂シリーズに行ってきました。
本コンサートは、第18回定期演奏会 音楽堂シリーズ「モーツァルト+(プラス)」と称する、常任指揮者の川瀬賢太郎の企画するシリーズであります。
前ステージが「イベール/モーツァルトへのオマージュ」、この曲は、1956年モーツァルト生誕200年に、ラジオ・フランスの委嘱で作られた5分程の小品ですが、古典的臭覚を感じる楽しげな音楽でした。
続く曲が、「チャイコフスキー/組曲第4番モーツァルティアーナ」で、この曲も私初めて聞く曲でした。チャイコフスキーは「あらゆる偉大な作曲家の中で、最も魅力的なものはモーツァルトだ」と述べていたと言われます。敬愛する作曲家のピアノ曲を4つ選んで編曲し、このあまり知られていない曲を選んで、組曲としてオーケストラにアレンジしたのが、この曲とのことです。
原曲がモーツァルトのピアノ曲、そしてオーケストラへのアレンジャーがチャイコフスキーですから悪い筈はない、中身を楽しみつつ聞きましたが、私音楽を学問として勉強して居らず、感性だけで聴いてるモーツアルトファンです、解説書にはあれこれ言われていますが、これ以上のコメントはご勘弁下さい。
当日は、寒い小雨の中、足の悪い家内を連れて、長い坂道の上に建つ音楽堂まで来た甲斐が有ったと言うもの、後ステージがこれまた絶品でした。モーツァルト/歌劇「魔笛」です。コンサート形式の舞台、しかも70分に縮小し、良い所取りの構成、その構成には指揮者の川瀬賢太郎が深く関わり合ったことは間違い有りません。出演歌手は、モーツァルト・シンガーズ・ジャパンと言うオペラ歌手達で構成されたチームです。タミーノ、パミーナ、夜の女王、パパゲーナ、パパゲーノ、そしてストーリーを繋げる語り役に長谷川初範と言う人達で演じられ、音響効果抜群の音楽堂での演奏は、何物にも勝る最高の出来映え、難曲のアリア「夜の女王」を見事に熟すソプラノ、何と言ってもオペラの定番「魔笛」です。知り尽くしたストーリーでも、この企画は当を得たもので、聴き甲斐のあるコンサートに感謝でありました。

1月28日木曜 新国立劇場に14時開演で、プッチーニ/オペラ「トスカ」行ってきました。オペラ「トスカ」は、オペラの中でも格別なもの、「ザ・オペラ」と言えましょう。
ここ新国立劇場の在るオペラシティーは、車の便が良いこと、大好きなパン屋の「ル・パン・コティディアン」が有り、食材スーパーの「成城石井」が有って、私の住む横浜保土ヶ谷の辺鄙地で、手に入らない食材が豊富な事から、終演後は「部屋食」(我々入居者の隠語)を堪能できます。そして、コロナ禍の下での公演は、流石に新国立劇場ならではのパーフェクト・ガードで安心が伴います。
さて、プッチーニ/オペラ「トスカ」です。私、嘗てのNHK主催のイタリア・ミラノ・スカラ座引っ越し公演が忘れられません。オーケストラはN協でしたが、一連の出し物には、 デル・モナコ、コッソット、カバイバンスカ、ミレルラ・フレーニ など、レコードでしか知らない、歌手陣の出演にファンは徹夜で並びました。私は、NHKに就職した同級生のコネで席を手に入れた思い出多い演目が「トスカ」で、未だに忘れずにいます。
当時は、家庭用VTR などは存在せず、業務用のUマチックVTR で記録し、これが仕事関係の人達から珍重がられて、随分お貸しました。やがてテープ切断などの故障で、紛失しましたが仕事関係では、人脈拡大に大いに役立ち、趣味も仕事の内とばかりに気張ったのが、昨日ように思い出されます。
オペラ開幕の間も無く、カヴァラドッシのテノール・アリア「妙なる調和」が歌われ、いき成り、舞台に引きずり込まれます。続いてカヴァラドッシとソプラノのトスカによる愛の2重唱、続いて悪役でバリトンのスカルピアの恐ろし気なアリアへと続き、第1幕が下ります。
プッチーニ節のメロディーの連続に息つく隙も無く、観客は、この第1幕で既にメロメロであります。
その先は、オペラの舞台を見て下さい。
国の予算で運営される新国立劇場です、緊急事態宣言下のもと、完璧を期しての公演には感激倍増と言うものでした。

当日の公演舞台です。

オーケストラ 東京交響楽団  何時もの「東京フィルハーモニー」とは一味違い
指揮 ダニエレ・カッレガーリ  ミラノ生まれ、イタリアでの活躍が多い人
トスカ キアーラ・イゾットン ソプラノ イタリア人 イタリアでの活躍
カヴァラドッシ フランチェスコ・メーリ テノール イタリア・ジェノバ生まれ
スカルピア ダリオ・ソラーリ    バリトン  ウルグアイ出身イタリアで活躍

以下のキャストは全て日本人で省略しますが、国立劇場の選択眼によるベテラン歌手で
素晴らしい舞台構成でした。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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