会長のコラム 014
「ジャズ向きのスピーカー、クラシック向きのスピーカー、」と言う言葉を良く聴くけれど、本当にその様な事はあるのでしょうか。
私の好きな音楽ジャンルは、強いていえばオペラなのですが、学生時代はハードバップに浸りきっていた事もあって、今でもバンゲルダーのブルーノート盤は大切に保存しているし、足りないものを、機会をみて補充している状態ですから、ジャズは生活から切り離せない状態です。
自宅の設備は、マッキンのXRT-22を300Bシングルで駆動しているから、典型的なクラシック向きのシステムであり、会社の試聴室はアルテックのA-5を基本としたもので、誰が何と言おうとジャズ向きです。
会社の試聴室には、色々な人が訪問されるので「ジャズ向きとかクラシック向き」とかに偏ってしまうのは問題で、何とかこのA-5システムからシナヤカなバイオリンの音を出したいと色々工夫をしています。
過日、菅野先生のマッキン-スピーカーを聞かせていただいたのですが、先生のマッキン-スピーカーと私のマッキン-スピーカーでは全然違う音がします。「ジャズ向きクラシック向き」と言うシステムの有り様など全く存在しない音の佇まいなのです。仕掛けは何か教えを請うような非常識は出来ませんから、しきりに理由を考えておりまして、その方向性も私なりに見えてきています。しかし、私は私なりにクラシック向きに音を作り上げており、自分を表現する手段としてこれで良いのではないかと思う様になっています。
しかし、会社のシステムは別と考えています、卑しくも私はプロですから、菅野先生と同じ様に「ジャズ向きクラシック向き」の癖をなくすべく努力しなければならないと思っており、皆様のご批判を仰ぎたいと思っています。
話は変わりますが、白ワインは魚料理、赤ワインは肉料理と言われています。しかし好きな時に好きなものを飲みたいと言うのも嗜好品の贅沢ですから、この禁を犯すことも間々あるのです。しかし、絶対合わないし、飲まないほうが益しと言う食べ物との組み合わせがあります。
白ワインの場合は、絶対に合わないと言う程の組合わせは、まあ、無いと思いますが、赤ワインは絶対止めた方が良いと言う組み合わせが幾つかあります。そのうち万人が認めるものとしては、生牡蠣と赤ワインではないでしょうか。一度試してみると良いでしょう、高級なカベルネソーベニオンなどで試すと良くわかります。
どうしても、赤ワインが飲みたいときは、フランスパンとチーズで慎ましくやるのが最高です。高級赤ワインがデカンタの中で時間と共に育って行く味の変化が良く判り、たまらなく至福の時を過ごす事が出来ます。
オーディオ機器の相性も難しく考えずに、時の流れに逆らわず、楽しむのもアマチュアの特権ではないでしょうか。20面相ではないけれど、ある時はアマチュアで、又ある時はプロの顔を持つのも、私の特権の様な気がします。