会長のコラム 243
12月のコラムです。
2022年も残り少なくなりました、今年もコロナで華やかな年末行動は控えざるを得ませんね。この機会に、料理を囲んでご家族との家族会でも行っては如何でしょう。イブに浮かれてバカ騒ぎは、賢明なる諸氏のやる事ではありません。
今月の音楽ライフは、新国立劇場のみでした。定期演奏会の神奈川フィルは、毎年の定例で県内のコンサートホールを巡回公演しています。神奈川県の運営オーケストラですから横浜拠点とは言え、県内のホールを無視する訳には行かないのでしょう。
さて、オーディオ誌の年末行事たる、優秀商品の賞も予定通りの賞を確保し、好調な受注状況に至っております。しかし、部品の入荷遅れで出荷作業への影響が大きく、お客様へのご迷惑は、尋常では在りません。ロシア:ウクライナの戦争が原因である事は明白であります。この戦争がどの様に決着するのか、益々混乱の状況を呈してきました。例え平和に収まっても国連の平和秩序を破壊したロシアは、誰も信用しない事は明白であります。我々の必要とする電子部品も、ロシア製の部品は期待出来ません。新たにサプライチェーンの構築となると右から左と言う訳には行きません。暫くは、この不自然な状況が続くと覚悟しなければならないような気がします。
当社の20周年記念商品が、ダイヤモンド・カンチレバーを用いたMCフォノ・ピックアップ・カートリッジでした。このダイヤモンド・カンチレバーを用いた商品は、過去にも有名先輩メーカーが実績を積んでいます。ここへ後発の当社が切り込むのですから、業界関係者は半信半疑である事は我々も感じ取っていました。しかし、その結果は、私が言うのも不自然ですが、別次元の性能であることに異論を述べる専門家、評論家は一人も居りませんでした。
皆さまにも是非聞いて頂き、ご満足頂ける事に自信を持って居り、当社の若手技術者の成長ぶりに驚嘆している次第です。これに留まらず、今後の商品開発に期待が持てると言うもの、そして更なる成長に期待し、暖かい目線で応援頂ける事、期待しています。
今月の音楽ライフです。
12月8日 新国立劇場に14時開演でモーツアルトのオペラ/ドン・ジョヴァンニ に行って来ました。モーツアルト作曲のこのオペラは、比較的演奏機会の多い演目であり、モーツアルト/オペラの中でも重要な作品であります。
開幕早々に主人公の殺人場面です。美女狩りを趣味とする主人公のドン・ジョヴァンニが、押し入った館の主人に見つかり、決闘の末殺してしまうことからストーリーが始まる。このグロテスクな場面から、一瞬これ「モーツアルトの作曲か」と疑いが湧きます。しかし、ここから始まる物語と音楽が素晴らしいのです。流石モーツアルト、つべこべ言わずに先ず見て聞いて下さい。宝石の様に美しいツェルリ―ナのアリアなどの絶対に飽きないメロディが満載です。
そのツェルリ―ナを歌うソプラノ歌手の石橋栄実が素晴らしい。本公演での外国人キャストは、5名出演して居り、その環境に引きずられての出来栄えかと思いきや、この人はヨーロッパで活躍し、新国立劇場にも過去数回出演、なんと大阪音大教授を務めて居るとのことで、納得でありました。兎に角素晴らしいツェルリーナ役で印象に残るソプラノ歌手でした。
始まったばかりの新シーズン、新音楽監督の大野和士の気合を感じる素晴らしい当公演は、演奏が東京フィルハーモニー、指揮がパオロ・オルミ。この人、イタリアを主にヨーロッパで活躍する指揮者で、新国立劇劇場にはイタリアもの、モーツアルト作品で、過去4度ほど出演しています。
何はともあれ、コロナに負けない新国立劇場に感謝でした。
追記1
年の暮れも迫った先日の事、日本の天才バイオリニスト黒沼ユリ子さんとオーディオ評論家の山之内先生、ご両人ともプラハに滞在歴をお持ちの方々と会食の機会が得られ、モーツアルトの素晴らしさに話の花が咲き、私の知らない逸話などをお聞きしつつ、ご両人の高度な知識話題に刺激されて、我が老体の若返りに至ったと言う、貴重な体験をしました。
追記2
日経新聞連載記事の今月の「私の履歴書」はリッカルド・ムーティーが書いています。極めて異例の人選と思いますが、オペラ・ファンには見逃せない内容であります。客席からオペラを見る我々の知らない事が満載、特にミラノ・スカラ座公演にヴェルディーのオペラ「椿姫」が20年間演奏されていない事などが記されていて、私は眼から鱗。業界では常識かも知れませんが、恥ずかしながらお知らせ迄。