会長のコラム 244
R5年 新年のコラムです。
少し時期がずれましたが、新年明けましておめでとうございます。
本年も、拙い私のコラムを宜しくお目通しの事、お願い致します。
暮れから正月にかけてコロナ感染への締め付けが和らいだ様に感じます。感染者も早期の対応で重症化が避けられる事や周辺の濃厚接触者への対応次第で、大事にならない等の事が検証され、政府の締め付けも和らぐ傾向となり、何よりも仕事がスムースに進み、経済が安定する結構な結果になりつつあるようです。この環境が長続きするように、我々も注意深い生活行動を心がけるべきと思います。
昨年の新商品は、お陰様で今までにない好評価を得る事が出来ました。しかし部品のサプライチェーンがズタズタになり、製造が思うように進まない。結果としてバックオーダーを抱える事になり、ご迷惑おかけする事態に至って居ります。我々としては、これ以上悪い状況にならない様に祈るばかり、手の打ち用の無い悔しい状況になっています。暫くの間、ご理解頂きます事お願いする次第です。
新年早々に面白い体験を試みました。
1/20 に神奈川フィル定期演奏会と同じ内容のプログラムが、東京オペラシティーの武満ホール(タケミツメモリアル)にて行われ、翌日1/21 に全く同じ内容で同じ奏者での定期演奏会が、新装となった横浜みなとみらいホールにて行われ、その両方に行ってきました。その目的は、異なるホールで音が如何変わるかを検証したかったのです。
武満ホールは、典型的なシューボックス型で収容客数は、みなとみらいホールの凡そ半分、一方、みなとみらいホールは所謂典型的なコンサートホールで、傾斜のある1F 席と2F席、 2F左右のサイド席、そしてオーケストラの後部席という構造の違いがあり、収容客数は凡そ武満ホールの2倍と思しき大きさの違いがあります。
そして、演奏曲目が、ベートーベン/V協、バイオリンがストラディバリウスを奏する神尾真由子が前ステージ、後ステージがアレシュ・バールタの演奏するパイプオルガンで
サン=サーンス交響曲第3番「オルガン付き」でした。
この2曲は、オーディオ・マニアの方々には、音質確認に複数のレコードをお持ちになる定番曲です。サン=サーンスは、例の低音再生、そして神尾真由子の奏でるストラディバリウスの音色と成長し続ける技量、これがホールの違いによって如何変わるかを検証したかったのです。
その結果は、どちらもそれぞれの特徴を聞かせてくれたのですが、オーディオ・マニアの方々が注目する低音は、レコードで聞く以上の低音はどちらからも感じ取れませんでした。そして、オーケストラの音に付いて感じた事は、武満ホールは低音が少し篭り気味ですが、バイオリンの音量が客席で聴くと、オケの音量と良くマッチして聞くことが出来ました。
一方みなとみらいホールは、低音のこもりは感じないが、バイオリンの音量はオケ音量に負け気味、ホールの大きさから仕方ないと思うが、どちらが優れているかを一口に言える事では無く、音楽に対する聞き取り感であり、聞く人の感性から来るものと思います。
武満ホールのステージは、フルオーケストラは少し窮屈そう、みなとみらいホールのステージ上は余裕があり、出て来る「音」はハイファイ調と言うか、音に締まりがあり一口にどちらが優れているかは言えない。敢えて言うなら、ステージ上のフル・オケ演奏はみなとみらいホールが優れていると明確に言える。そして、武満ホールは演奏者との距離を近く感じ、息使い、体温を感じる。ソロ・バイオリンの音量とオケの音量が程良くマッチし、聞き応えは最高であった。念のため、どちらの席も真ん中の最上席であった事を付け加えます。
何はともあれ、有意義な新年コンサートでした。横浜のアフター・コンサートは、馴染みの寿司屋、そこでのお酒と食事は極楽でした。一方の新宿のアフター・コンサートは、食事とお酒をたしなむどころか、帰路の道路状況が気になり、お酒どころでは有りませんで、軍配は横浜にあげざるを得ない。これが結論であります。
今月は、月末31日に新国立劇場・オペラパレスにて、ワグナー/オペラ「タンホイザー」の公演が有ります。この公演をここにレポートすると、本コラムのネット・オンが遅くなりますので、来月のレポートとさせて頂きます。
私、オペラ鑑賞はマチネコンサートと決めていて、帰路の心配無し、アフター・コンサートの食事も確り楽しむことにしています。