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colums会長のコラム

会長のコラム 220

12月のコラムです。前々号218号は、新商品関連の記事で一杯となり、219号は久しぶりのコンサートに興奮して終わってしまいました。当コラム220号にて前月11月29日の新国立劇場公演「オペラ/こうもり」を今月の音楽ライフとして掲載させて頂きます。
12月の公演は、コロナ禍3波の襲来で、コンサート公演はゼロでした。第九演奏会ですか?私は年末だからとの理由で、第九を鑑賞と言うのは卒業しました。
と言う事で220号は、技術についてオーディオ・ファンの皆様に、分かりやすいお話をすることに加え、音楽ライフとして11/29日のオペラ/こうもりの鑑賞記事を書かせて頂きます。最後までお読み頂けるよう、解り易く努めますので、宜しくお願い致します。
前11月の219号で書き残した、平衡型伝送に付いてお話します。MC型カートリッジの出力を平衡伝送することが流行っており、当社がその火付け役のように言われますが、実は、私が武蔵野音響「光悦」へトランスのOEMをしていた当時、菅野社長から提案されて、平衡型伝送の実験をしたことがあります。しかし、周辺の技術環境がプアーであったため、その優れた効果をマスクしてしまい、期待した結果が得られなかった経過があります。
その後、トランスの悪者説、その原点を解決してみると、平衡型伝送の優れた特性が際立って、商品化に漕ぎつけた経過があり、コラム218に記載させて頂きました。
さて、このフォノカートリッジの平衡伝送とAUX レベルの平衡伝送とは、その生い立ちに違いがあります。ここで言うAUXレベルと言うのは、プリアンプ、CDプレイヤー、FMチューナー等の機器からの出力レベルを差し、dBm と言う単位で表示されるもので、扱う電力量は、カートリッジ出力電力とは3桁ほどの違いがあり、同列での論議は無意味と言うもので、その辺りの技術的論拠など記したいと思います。
プロ・スタジオでは、このAUX ケーブルが多数本、しかも何10m単位で室内を走り回ります。しかもスタジオ内は電磁雑音が桁違いに多く、我々オーディオマニアの部屋状況とは桁違いの悪い環境であるために、信号伝送品質を確保する為に平衡型伝送は必須なのです。
この平衡伝送をホームオーディオで使用する事に害は有りませんが、マニアライクを満たす、精神衛生上の満足感、加えるにこのコネクターが、BTS規格化されていて、RCA型不平衡コネクターとは信頼性への見栄えが違い、ここに魅せられると言う理由もあるようです。しかし、ホームオーディオで、AUXラインを平衡伝送にするために、余計な回路を付加する必要が有って、「シンプル・イズ・ベスト」の思想を求める私には馴染めないと言うことで、お客様には強くお勧めしていません。
趣味の世界ですから、何でも有りです。「俺のシステムは平衡伝送だぜ!」これも有りと考えます。当社商品もプロの方がお使いの機会もありますから、その手段として用意しておりますが、強くお勧めしない事情を、ご理解頂く必要を感じています。
今月号の音楽ライフです。年末年始を迎えるに当たり、コンサートは大きく盛り上がるのが何時ものことです。幸か不幸か、コロナ禍が第3波で世間は大騒ぎの最中だからと言うことで調整した訳ではありませんが、11月29日の新国立劇場「オペラ/こうもり」が、私の今年、最後のコンサートになりました。
と言うことで11/29新国立劇場へ14時開演で行ってきました。このオペラは、作曲者ヨハン・シュトラウス二世が、既にワルツ王として活躍していた時代の作品であり、ウィーンでは正月公演の定番出し物です。私が思うに、バカバカしいドタバタ劇を題材に、かくも美しく、優雅な曲を付けて、観る聴く度に感心してしまう、このオペラに喝采です。
収監されるはずのご主人は、身代わりの人違いで、奥様の昔の恋人が収監され、本人はパーティーに参画する。使用人の女中は奥様を騙し、奥様のパーティードレスを自分サイズに改修して参画。奥様は訳有ってアイマスクで参画。刑務所の所長は一件落着とばかりに、パーティーに身分を偽って参画。そのパーティーの主催者は怪しげな金持ち外国公人。と言う具合の参加者達が引き起こす、ドタバタ・ストーリーですが、ハッピーエンドで楽しい、見応えのあるオペラです。
オペラは難いものとの印象で、観ない、聴かないと言う人が多いのですが、概してオペラは素晴らしいものです。この作品などは、初心者の入門に最適であり、しかも飽きない。何しろクラシックのフルオケに加えて、訓練を積んだソプラノ、テノール、合唱団、と言う歌手陣の出演であり、伝統的オペラハウスでの公演が定番なのです。
さて、当日の出演キャストです。
指揮 : クリストファー・フランクリン  演奏 : 東京フィルハーモニー交響楽団、
出演歌手は外国人が7人、日本人は村上公太他3人、コロナ禍の下で、良くもこれだけの公演を開催したもの、流石に新国立劇場です。
指揮者のクリストファー・フランクリンは、米国サンフランシスコ生まれながらも、イタリアでの活動が多く、中でもフアン・ディエゴ・フローレスとの共演が永く、世界の有名劇場での公演の多い指揮者です。そしてお馴染みの東京フィルの素晴らしい演奏にストレス解消でありました。
さて、コロナ禍の中、皆様は年末年始を如何お過しのご予定でしょうか。私は、毎年都心のホテルにステイしていますが、今年はコロナ感染防止に協力することにし、入居している施設内で過ごすことにします。今の施設への入居以来、年末年始は家族を呼んでのホテル暮らしで、この初めての環境が、ストレスに耐えられるのか、今から覚悟を決めています。
来年は、きっと良い年になるでしょう、希望を持って暫くの辛抱です。皆様も3密を避け、元の環境に戻すように努めましょう。オリンピックの開催も有り、良い年で有る事が約束されている様なものです。
誤解のない様に申し添えますが、入居している施設で出される餅は、老人が事故を起こさないように特別な加工をしています。健常者には正月気分台無しなのです。個人として、贅沢しているわけでは在りませんこと、ご理解を頂きたく。
この1年間、当コラムを読み続けて頂き有難うございました、来年も宜しくであります。

協同電子エンジニアリング㈱ 取締役会長 鈴木信行 拝

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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