会長のコラム 272
’25年5月のコラムです。
トランプ大統領の品の無い施政方針、発表した事を何の躊躇も無く修正する。我々経営のリーダーを司る者として、これだけ頻繁に重要事項をコロコロ変えようものなら、組織はメタメタになり、後に続く社員に示しが付かない。大統領なら許されるのであろうか、それだけ大統領の権力は大きいと言うことか、何でも有り「?」恐ろしい事だ。
我々音楽文化に関わる仕事をしている者にとって、戦争は企業の存続を否定する物であり、生きる事のみに人生を消費する事など、犬や猫でもあるまいし、等と下向きに考えてしまう。しかし、米国の歴史を振り返ると、国を治める事への思想は、幼稚であっても仕方ないのかも知れない。何と言っても建国の歴史は新しいものの、資源を豊富に持ち、近代文明の資力を豊富に持っている。加えるに、初代大統領のジョージ・ワシントン、奴隷解放のリンカーン等の初期の大統領の偉大さが光っている。それにあやかって、何でもありの大統領では、この先世界の秩序は如何なるのか。
話は変わる。いよいよミュンヘン・オーディオ・ショーが始まり、今の戦争環境下でのオーディオ事業の状況が気になる。当社は、昨年の新商品をメインにブースを設け出展した。特にドイツは、国内外に厄介な問題を抱え、この環境の下でのオーディオショーでした。
出展作業に携わった当社社員の報告を聞くと、やはりドイツは、国際社会の中で百戦錬磨の強者、根性が座っている、大人と言う感覚を受けるのです。
それは、ヨーロッパ社会の中で、戦国社会の悲惨と矛盾に揉まれ、一皮むけた社会であり、成長した大人の社会と言う気がする。音楽を表現するオーディオ文化への根強さもそこから生まれるのか、兎に角強さを感じるのです。第二次大戦を経てどん底の生活環境を経た我々世代は、余計な心配をしているのかも知れない。この点、ヨーロッパ社会は、国ごとの割拠を経た、大人と言えるのであろう。
今月の音楽ライフ
5/10(土)14時開演で、神奈川フィル定期演奏会にみなとみらいホールに行ってきました。
当日の曲目がオール「ブラームス」で、価値あるコンサートでした。
演奏曲目が、前ステージが、ブラームス/P協第1番、後ステージが交響曲第1番でした。
ピアノ独奏がミシェル・ダルベルト
コンサート・マスターが ゲストコンマスの小森谷 巧
そして指揮がゲオルク・フリッチュ、この人はバーデン・シュターツカペレの音楽監督等を務める人です。
前ステージのP協 ミシェル・ダルベルトのピアノ、この人は、ヨーロッパで数々のコンクールで優勝しているベテランで、名演CDを数多く出しています。
後ステージが、交響曲第1番で、私がつべこべ言うことの無い名曲中の名曲、ベートーヴェンを範とした、イワク因縁の有名曲、みなとみらいホールの音響、そして今が旬のヨーロッパ音楽界の第1人者の指揮に依る、神奈川フィルの演奏、言う事の無い演奏会に陶酔し、終演後は、馴染みの横浜一の寿司屋での食事をして、帰路に付く。
「頑張って長生きしなければ」でありました。
5/21 PM 14時開演で新国立劇場に オペラ「マダム・バタフライ」マチネコンサートに行ってきました。
私がつべこべ言うことの無い、名曲中の名曲、自称オペラ・マニアの私であります。過去数えきれない回数の鑑賞歴のある曲です。
当日の指揮がエンリケ・マッツォーラ
この人はイタリア人で地元イタリアではオペラ指揮の第一人者であります。当社の広報をお願いしている西松さんの奥様(ソプラノ歌手)がイタリアにて修行の時に世話になったと言うイワクの人で、当の西松さんも懇意にしている人で、私もお相伴に預かり、楽しく会話させて頂いて居ます。
当日の主役である蝶々夫人の役が、小林厚子さん、この人は東京芸大卒で、文化庁在外派遣で研修し、藤原歌劇団「蝶々夫人」でタイトロールデビューした人です。
今も数多く活躍している人ですが、何故か、私は初めて聞く機会を得ました。この曲は、過去に数多く聞いて来たオペラですが、この人の蝶々夫人は、素晴らしいソプラノ歌手であり、今までに聞いた人たちのなかで、最も印象に残る蝶々夫人でした。
最後の場面、自分の子供を残して自害する場面では、プッチーニの絶妙なメロディーに乗ったシーンで、座席の周りからすすり泣く観客の声が聞こえてきました。
新国立劇場ならではの公演に感激と感謝でした。