会長のコラム 267
’24年12月のコラムです
先月11月のコラムに新商品のSA-1500 に付いてお話させて頂き、そこでパッシブ・プリアンプのCM-1500に付いて少し触れました。
今月は、この件について述べさせて頂きます。アンプの音量調節にVR(ボリュウム・コントロール)を使用するのが一般的で、SA-1500もその様にセットされていますが、ここにプリアンプをセットする端子が設けてあり、音量調節用のVRをスルーして、パッシブ・プリアンプを接続することが出来ます。
今月は、前月に触れた、このパッシブ・プリアンプ(先月のコラムではパッシブATTと記しました)に付いて述べさせて頂きます。お正月のお休み時にじっくりお目通し頂き「パッシブ・プリアンプ」なる物へのご意見など、当社への質問、ご意見、苦情などなんなりともお寄せ頂けると幸甚で御座います。
さて、今月のコラムは、この「パッシブ・プリアンプ」なる物の正体を述べさせて頂きます。
本件、元を正すとトランスです。トランスには電圧を上げる機能と下げる機能があることは常識として承知の筈、高等学校の物理でも習っています。アンプと言う言葉は、真空管や半導体を使用しなくとも増幅と言う現象から推して、アンプの機能をトランスに代替えさせたと言う事で、パッシブと言う言葉を使用しました。
VRによる音量調節は、VRに入力される電気信号と出力される電気信号は、電力が熱にかわりますから、入力信号と出力信号とでは電力が変わります。要約するならVRを経由すると音楽信号の質が変わると言う事で、高校の物理学で習うV=I×R、W=I×Vの法則から立証されることです。
トランスによる音量調節では、入力と出力の電力は変わりません。電圧と電流の比が変わるだけです。では、音楽信号がトランスを経由すると何が変わるか、物理学では(電流:電圧)の比が変わるだけ。音楽信号がトランスを経由する事で変わる事は、トランスの質による「トランス臭」以外に何も無いと言う事、その「トランス臭」を徹底追及すれば音質変化の要素は無いと言う事。我々はその事に注力してトランスを徹底追及しました。
結果として、VR をスルーすることで、音質、特に小音量には抜群の効果を発揮し、音量を絞っても「音」は痩せません。
今月のコンサート・ライフ
12/12 14時開演で、新国立劇場にモーツァルト/オペラ 魔笛 に行ってきました。
当日のキャストは、ザラストロ/バス、タミーノ/テノール の2人が外国人で、あとは全て日本人でした。夜の女王/安井陽子のソプラノが素晴らしい出来であったのが特に印象に残っています。
当日の舞台衣装が全体的に現代風で、物語的内容とはイメージが異なり、「チョットやり過ぎではないか」との印象を受けました。曲と言いストーリーと言い、優れたオトギの世界を徹底表現すれば良いのに、と思った次第です。
オペラ、舞台は、新国立劇場の手勢の歌手が揃い、流石、新国立劇場と思わせる舞台に加えて歌手陣の出来栄えが素晴らしかった、の一語でした。
当日の外国人キャストの2人は、ザラストロ/バス、タミーノ/テノールで、ストーリーの都合から考えると妥当な陣構えと思う。日本人の歌手陣も負け無い出来映え、解説が無ければ外国人と思ってしまう、素晴らしい舞台でした。
本オペラ作品は、モーツァルトの代表作品で、最もポピュラーな作品です。依って、解説は省略させて頂きます。