Phasemation フェーズメーション

colums会長のコラム

会長のコラム 073

1.新国立劇場
2.ベッセリーナ・カサロバのカルメン
3.レクサスLS-600h

1.3月の新国立劇場
3月の公演は、ワグナーの楽劇「ラインの黄金」でありました。この楽劇は、ワグナーの楽劇「ニーベルングの指輪」を公演するバイロイト音楽際の前夜際と言われる部分で、壮大な楽劇の第一巻に相当するものですが、この「ラインの黄金」だけでも休憩なしで2時間40分に渡って演奏される4幕(4場)ものの壮大なものであり、これ単独でも一つのオペラとしてしばしば公演されます。
「ニーベルングの指輪」は、この「ラインの黄金」、「ワルキューレ」、「ジークフリート」、「神々の黄昏」と言う順番で公演され、「ラインの黄金」同様にそれぞれが独立したオペラとして単独で公演されることもあります、そして単独を表題にしたCDやDVDソフトとしても数多く販売されています。しかし、「ニーベルングの指輪」の全容を知る上では、この「ラインの黄金」を最初に見るのが常道でありまして、今回の公演が、マチネであった事や行き馴れた劇場である事に加えて、日本語による字幕は何よりもオペラを楽しく理解する事が出来、私にとって、改めてワグナーの底知れぬ深さを覗いたようで、私のオペラライフにとってこの上無い収穫でありました。しかも、4月の新国立劇場の公演は、順番通り「ワルキューレ」の予定であり今から楽しみにしています。
今回の演奏は、オペラ指揮のベテランであり、新国立劇場の常連でありますダン・エッティンガーの指揮による東京フィルハーモニーの演奏でしたが、所々に乱れはあるものの、概ね良い出来であったと思います。私は、労音時代からこのオーケストラを知っていますが、初期のころはとてもワグナーの楽劇など演奏出来るオーケストラとは思えませんでしたから、この格段の進歩は、つくづく時代の変革を感じるものであります。

2.ベッセリーナ・カサロバのオペラ「カルメン」
サントリーホールでのコンサート形式によるオペラ公演でありました、彼女が現役のメゾソプラノ歌手として世界の第一人者である事に異論を唱える人はいないでしょう、ソプラノ歌手で言えば、第一人者がアンナ・ネトレプコと言うと異論を唱える人が出てきそうですから、それだけカサロバは凄いですよ。当日は、期せずして私のオペラ仲間の何組かの方々と会うことが出来て、楽しかった反面、このコラムも書きにくい状態であります。
このコンサート形式によるオペラ演奏は、音楽を聴くと言う観点では優れていると思いました。指揮が、ディヴィト・サイラスでオーケストラが東京フィル(最近はオペラと言うと東京フィルで、良くお会いします)、カルメンがヴェセリーナ・カサロバ、ドン・ホセがロベルト・カッサ、ミカエラがヴェロニカ・カンジェミ、エスカミーリョがイルデブンド・ダンカンシェロと言う錚々たるメンバーでありましたが、カサロバの声量が郡を抜いており、加えて歌唱力は抜群と、言う事無しのキャストでありました。
後日、この出演メンバーの方々とNBSの来賓館でパーティーが行われ、音楽評論家の加藤浩子先生と出席し、カサロバさんと写真をとると言う栄誉に浴しましたが、ここに写真を掲載する事が出来ないのは残念です。

3.レクサスLS-600h
唐突でありますが、私がこの車に乗ってから一年半が経ちます、先日宅配便のトラックに思い切りぶつけまして、全治2週間の傷を負いました、傷と言っても私自身では無くこの車です。
この車の概要ですが、ガソリンエンジンが5,000CCで、モーターと合わせて6,000CC相当と言うハイブリットの常時4WD車であります。トランク部に電池を積んでいるためにそのスペースが小さく、ゴルフ道具も2人分がやっとと言う状態はどうにも気分が悪く、購入当時から、私はあまり気に入らない状態で使用していたところがありました。
今般、修理に当たってディーラーが同じタイプのガソリン専用車を持ってきたので、2週間ほどこの代車に乗ってみて気付いた事ですが、このハイブリッド車は凄い、トヨタは凄いと言う事に改めて気つきました。何が凄いかと言うと「走る、止まる、曲がる」の基本動作がシナヤカでありながら、強烈と言う、相反する車の理想的な性能を持っている事です。しかも、4WDでありながら燃費がガソリン車よりも3から4割ほど良い事が体感出来まして、今ではもう他の車には戻れない情況です。
そして、改めて感じた事ですが、人間の感覚と言うのは、可也いい加減であると言うことです。極近いところで比較体験しないと、理解出来ないと言う事なのですが、これはオーディオも同じ事が言えるのではないでしょうか。世界の銘機とか、有名な誰々が云ったとかの先入観で、素晴らしい音と思ってしまう、後で別な機種と比較して聞いてみると大した事無いなんて言う経験を度々経験します。
比較してみると言う確認行動は、人間の感覚の曖昧さを克服する上で大切な行動であると改めて思った次第です。思い込みは損です、カネと時間は有限です、と言うことで、この車をまだまだ乗り続けるつもりで反省仕切りです。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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