Phasemation フェーズメーション

colums会長のコラム

会長のコラム 195

11月のコラムです。
オーディオ各誌の行う今年発売商品の優秀商品に、当社のパッシブ式コントロール・マイスターが全誌で優秀商品としてとりあげられました。
特に、音楽之友社発行の「ステレオ」誌に於いては、コントロールアンプ部門のトップとして評価され、その意義は極めて大きな意義を持ちます。前コラム194号でご説明しましたように、本器は増幅器(アンプ)の機能が無いにも関わらず、プリアンプとして入れ替え可能と言う機能を理解されたことに有ります。
次に、オーディオ専門誌の中でも権威があると言われているステレオサウンド誌に於いてもグランプリの称号を勝ち得たことは、我々の主張する音楽表現の哲学、支える技術に自信を持つことが出来た事、これは業界に大きなインパクトを与える結果となり、今後のオーディオ商品カテゴリーの改革に繋がると思います。これから始まる我々の任務は、市場への供給に伴う品質、出荷業務に滞ることが無いよう進めることに有ります。
我々が如何に画期的、革新的な商品作りを行ったか、何時でもご理解いただけるようにご説明いたしますが、先ずは前コラム194号にて商品情報を詳しく述べさせて頂いております。再度お目通し頂きご理解を賜りたいとお願いする次第です。

次に、私ごとで恐縮ですが、会社起業当時の30歳頃から車に乗り続け、以来は車の無い生活はあり得なくなり、82歳になった今も会社の文鎮役たる会長職にも関わらず、セコセコと走り回る生活に、周辺は呆れる様子を感じるのであります。
この度、ハイブリッド車の宿命でこれ以上乗るには大枚を必要とするので、乗り馴染んだレクサスLS-600h の乗り換えを考えましたが、モデルチェンジを受けて更に大型化し、82歳の環境では、とても乗りこなす自信は有りません。色々迷った挙句フルモデルチェンジしたトヨタクラウンが手ごろ、しかし小型化した車にシフトするのに抵抗感がありました。しかし、どうでしょう、この車はエンジンこそ小さくなりましたが、4駆のハイブリッドはレクサスと同じで、価格は半分なるものの、市中のドライブには全く違和感無く、より優れたドライブ感覚に大満足、高速道路に出ると加速力に不満が残るものの、大半は市中走行ですから、これで良し、と思うことにしています。

さて、今月の音楽ライフです。
芸術の秋と言われるだけに、コンサートの多かったこと些か疲れました。このコラム少し長くなりますが、宜しくお付き合い下さい。
11月3日土曜 14時開演で黒沼ユリ子さんのコンサートに御宿へ行ってきました。黒沼さんの御宿コンサート活動は、ご自分が運営する「メキシコの家・ポンセホール」と、ラビドール内に設置された「ラビドールホール」の2ヶ所がありまして、今回はラビドールホールで行われました。
当日の演奏曲目は、モーツァルト/三重奏曲とハチャトリアン/3重奏曲、そして休憩を挟んで後ステージが、シューベルト/ピアノ五重奏「鱒」でした。
クラリネット : 二宮和子 桐朋学園卒後ルーアン・フランス国立音楽院を卒業し、現在は桐朋学園、大阪音大などの講師を務めている方です。
ピアノ : ラファエル・ゲーラ 説明の必要の無い有名人、ピアノ指導者として高く評価され日本での活動が主のメキシコ出身の人、黒沼さんコンサートでは定番の伴奏者。
ヴァイオリン : 黒沼ユリ子
ヴィオラ : 植村理一 東京芸大卒、黒沼コンサートのコンビとしてお馴染、東京芸大講師を務めるベテラン。
チェロ : 宮澤 等 この人も黒沼コンサートのコンビでお馴染み、オランダ各都市で活躍した人、国立音楽大学嘱託奏者のベテラン。
コントラバス : 河内秀夫 桐朋学園をユリ子さんと同年の卒業、日フィルに在籍しその後ベルリン音楽大学に学び、バンベルク交響楽団に31 年間在籍し定年を迎えて、現在バンベルク在住と言う大ベテラン。
以上、協演者の方々は、ユリ子さんならではの応援出演であり流石というもの。コントラバスの響きがホール一杯に広がるこの音響は、滅多に経験出来るものではありません。この響きは、奏者の腕も影響するでしょうし、ホールの出来の良さもあるでしょう、ピアノに負けない音の響きに感激でありました。
この音響問題について一言、ジャズのライブハウスなどでは、ベースの音は「か弱く」、とてもピアノの音には敵わないのが実態であります。しかし、ラビドール・ホールの状況は、「何だ!これ」と思う凄さでありまして、音響に携わる者として、興味の尽きない事象であり、奏者の腕とホールの構造の相関なのか、ならばここでジャズを奏すと如何なるのか。いずれ試してみたいです。
演奏曲目のシューベルト/ピアノ五重奏は、我々オーディオに携わる者にとって、名盤の誉れ高い好録音のLP 盤が存在し、聴く機会が多い盤があります。当日、ここで、第四楽章の凄さを改めて認識させられ、感激が覚めやらない内に我がオーディオ装置のチェックをしてみたところ、確かに同じニュアンスは理解出来るものの、「生音楽のらしさ」に及ばないのです。
ここで、つくづく思った事は、「生音楽」を聞かないオーディオ技術者は進歩に乏しいと思ったことであり、当社の技術者には徹底して音楽を刷り込むことが肝要と思ったのであります。

11月17日 土曜 14時開演で、神奈川フィル定期演奏会に行ってきました。演奏曲目がエルガー/南国にて(アラッシオ)が前ステージ、ワーグナー/「ニーベルングの指輪」オーケストラル・アドヴェンチャーが後ステージでした。
指揮者 : ロリー・マクドナルドは 、今、英国で最も才能のある、ダイナミックな若手指揮者と言われ、オペラ、現代音楽への理知的な洞察力が買われた人と言われます。
アラッシオと言うのはニースとジェノバの間に位置する海岸沿いの町で、その美しさに即興的にスケッチした曲といいます。エルガーらしい馴染みやすいメロディーで、私も初めて聴いたのですが、もっと演奏の機会が多くても良いと思う素晴らしい曲でありました。
ワーグナー[デ・フリーヘル編曲]/「ニーベルングの指輪」オーケストラ・アドヴェンチャー、
これ、私の好きなワーグナー曲の良いとこつまみ食いであります。
全曲4夜分の全てに渡ってピックアップしていますが、「ジークフリート」と「神々の黄昏」にピックアップ箇所が多いように感じる。この点、誰しも異論のないところでしょう。
コンサート形式でワーグナーを聴いてみると、地底から響くワーグナーのイメージとは別の、素晴らしい感銘を受けるのです。改めて作曲者のワーグナーに深く感じ入ってしまいました。

11月23日 金曜 14時開演で、新国立劇場にビゼー/オペラ「カルメン」に行ってきました。
指揮: ジャン=リュック・タンゴー この人はフランス生まれで、フランス音楽への造詣の深い人とのこと、フランスを中心に活躍している人で、CD 録音の数も多く新国立劇場初登場であります。
オーケストラ : 東京フィルハーモニー 首席の黒木さん頑張っていました。
カルメン : ジンジャー・コスタ=ジャクソン(メゾソプラノ) イタリア生まれでイタリア・オペラを得意として、メトロポリタンをはじめ米国で活躍している人なのですが、何故かカルメン役に人気があるようです、米国でもカルメンへの出演機会が多いようです。何と言っても容姿が、いかにもカルメンでありまして、この人程に似合う人は居ないと思う程でした。歌唱は「そこそこ」の出来具合、得意ではないのかも、でありました。
ミカエラ : 砂川涼子(ソプラノ)、声量、歌唱と言い役柄の適材と言い、カルメン役のジャクソンに勝る素晴らしい出来映え、これにはなんとも気分の良い公演でありました。
音楽監督が変わった事によるのか、初登場の人が多いし、加えてキャストの構成に新鮮さを感じました。

11月24日 土曜 14時開演で、オーチャードホールにて 「クラシック・ロシアby Piano」と称するコンサートに行ってきました。
このコンサートは、清水和音、阪田知樹、松田華音、藤田真央の今話題の4人のピアニストによる協演で、スリリングなコンサートでありました。
清水和音は既にベテランの域であり最年長、最も演奏機会の多い人でお馴染み、なので紹介を省きます。阪田知樹は、2016年リスト国際ピアノ・コンクールで第1位。松田華音はモスクワ音楽院に日本人初となる政府特別奨学生となり、ドイツ・グラモフォンからCDデビューしている人です、私は、初めてのコンサート試聴でした。
藤田真央は、4人中最年少2017年ハスキル国際ピアノ・コンクールで優勝、私は彼のピアノを神奈川フィルの定期演奏会で聴いており、1998年生まれと言うから当年20歳であります。彼の演奏は若いのに技術を誇示するものでは無く、何と表現して良いのだろうか、昔の名演奏家を思わせる、ウン! ハスキルを思わせる心に染みる演奏とでも言おうか、そんな思いを抱くのです。この人は、やがて名演奏家として名を轟かせるのは間違いないと思います。貴重なコンサート経験でありました。

11月25日 日曜 14時開演で、日本タンゴ フェスティバル と言うコンサートに、イイノホールに行ってきました。このコンサートは、アルゼンチン・タンゴのコンサートで、昨年は現役とOB の混成した早慶戦と称していました。今年は、第一部がその早慶戦、二部が今活躍している五つのプロ楽団による競演でありました。と言ってもその内のひとつはタンゴ・ダンスショウでした。
通称で、タンゴと言うと2拍子の音楽を言いますが、アルゼンチン・タンゴは、通称言われるタンゴとは別のジャンルで有りまして、日本タンゴ・アカデミーと称する団体なども有って、特別なジャンルと考えます。演奏スタイルも単に2拍子と言うだけでなく、演奏スタイルに独特な特徴があり、西洋音楽の基礎を踏まえて1900年の少し前頃にアルゼンチンで発祥したものです。
最近では、今は亡きバンドネオン奏者のアストル・ピアソラの曲が、広く音楽界でブレイクしています。私が、この辺りの話をすると止まらなくなって、コラムを読んで貰えなくなるので、ここらで止めることとします。

11月27日 火曜 15時開演で、オフィス・アミーチ・レッスンスタジオに当社の広報活動をお願いしている西松さんの奥様ご逝去による、追悼コンサートが行われ、行って来ました。
氏の奥様は、畑 和子 と言いアルト歌手としてイタリアでご活躍され、帰国後に氏のスタジオでお弟子さんを抱えてレッスン講師を営んでおられました。
このコンサートには、そのお弟子さんの方々と西松さんのご関係の方々による追悼コンサートで、黒沼ユリ子さんはお仲間をお連れしてのご出演、何とも素晴らしい贅沢な演奏会でありました。
当社フェーズメーション事業の広報業務の顧問をお願いしている西松さんは、私の大学後輩で、元日本ビクターの社員でした、定年を機に当社の広報活動業務を請け負ってもらっています。
当日は、氏のレッスンスタジオに30名程度の聴者を対象に行われたコンサートで、その1部が黒沼ユリ子トリオ、2部がお弟子さん方によるオペラアリアの演奏でありました。
黒沼ユリ子トリオの演奏では、ピアノが奥村友美、第2ヴァイオリンが山森陽子、そして第1ヴァイオリンが黒沼ユリ子という編成、演奏曲目が ショスタコーヴィッチ/「3つの二重奏曲」、ポンセ/「ガボット」の2曲が演奏され、何れの曲も素晴らしい曲であり、30名ほどの聴者相手の贅沢過ぎる環境でした。
第2部は声楽で、それぞれの演奏者から故人の人柄やレッスンの思い出などが語られ、故人の人柄が偲ばれる良い機会でありました。
その第2部は、高橋裕子さんのピアノ伴奏によるオペラアリアの演奏でした。歌手の方々は皆さん芸大ご出身のプロであり、二期会、藤原歌劇団等の団員に所属されている方々です。こうしてみると畑さんは流石にすごい方であったと思うのでありますが、何分この世界とは縁のない私は、奥様の生前に大変失礼をしていたことに気付き、悔やまれ切れない思いが募ります。見て下さい、アルト歌手の奥様のお弟子さん達、テノール、ソプラノ、バリトンとアルトではないのです。

当日のプログラムを下記に記します。

ロッシーニ/「セビリアの理髪師」より、「私は町の何でも屋」 中西勝之 Br
マスカーニ/「友人フリッツ」より、さくらんぼの二重奏 小畠エマ Sop
上原正敏 Ten
ヴェルディ/「椿姫」より、不思議だわ~花から花へ 石井美香 Sop
プッチーニ/「トスカ」より、歌に生き、恋に生き 小畠エマ Sop
ドニゼッティ/「愛の妙薬」より、人知れぬ涙 上原正敏 Ten

当日は、黒沼さんのトリオ、そしてオペラ歌手の方々の演奏を30名程度の空間で鑑賞するという贅沢、カネや時間に変えられない至福の時であり、大変幸せな時間を過ごし、そして音創りを生業にする私には大きな糧となりました。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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