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colums会長のコラム

会長のコラム 101

5月は、大型連休が有って、ドイツ出張が有って、アッと言う間に過ぎ去ってしまいました。今月のコンサートは5/28日の神奈川フィルの定期演奏会と5/29の新国立劇場のモーツアルト/コジ・ファン・トッテの2演目が私のコンサートライフでした。このところの外来アーティストの公演中止で音楽に飢えていましたが、5月はこの2演目だけで終わることになり、よりコンサートに集中出来た感じです。
6月のメトロポリタン・オペラは、テノールのヨナス・カウフマンと指揮者のジェームズ・レバインはキャンセルが確定ですが、本体の公演は実施確定との事でまずまず安心でお楽しみであります。レバインのキャンセルは持病の腰痛で震災とは関係なさそうです、カウフマンは今が旬のテノール歌手で、来日キャンセルは真に残念ですが、彼のプロ精神は2流以下と思います。この様な人の人気は長続きしないものと思います。
雑誌「モーストリー・クラシック」は、メトロポリタンオペラの全てと題して来日公演前に特集を組んでおり、これがなかなか楽しい記事でありまして公演に先立っての予備知識は何と言ってもオペラ鑑賞をより楽しくしてくれます。
この雑誌は装填の良さもさることながら定価1000円とは安いです。

1. アルゼンチン・タンゴ同好会「ノチャロ・ソエ」
2. ドイツ出張とミュンヘン・オーディオショー
3. 神奈川フィル定期演奏会 マーラー/交響曲9番
4. 新国立劇場 オペラ モーツアルト/コジ・ファン・トッテ
5. 軽井沢から141号線を回って八ヶ岳高原ホテルへ

1. アルゼンチン・タンゴ同好会「ノチャロ・ソエ」
数あるアルゼンチン・タンゴ同好会の中でも会員数が多く、会長の人格の良さから動員数の多い同好会の一つが「ノチェロ・ソイ」でありまして、5月の例会には、我々学生時代にタンゴ喫茶なるものが流行っていた時代の人気歌手であった、阿保郁夫がコメンテイターとして出演されました。
阿保郁夫のデビュー当時は、タンゴ喫茶全盛の時代で藤沢嵐子に遅れての男性歌手デビューで、当時のファンの間では有名な存在でした。当時の男性歌手として、「知りたくないの」でブレイクした菅原洋一が有名でありますが、タンゴ歌手としての実力は阿保郁夫が遥かに上であり、阿保郁夫の歌うアルゼンチンタンゴのスペイン語は実に見事なものであり、どうしてこんなに上手く発音が出来るのか、この人は2世では無いのかとかとキャリアに興味を持ったりしたものでした。当時、私はその阿保郁夫の熱烈なファンでありました。その阿保郁夫のレクチャーですから、私のようなタンゴの研究に熱心で無いタンゴファンにとっては、初めての体験であり大変興味が有ったわけです。
当日は、氏の努力の過程を本人は涙ながらに苦労話をされていました。これだけの完成された歌手はやはり、努力なくして生まれないものだと理解した次第です。タンゴ歌手として認められ本場アルゼンチンでも喝采を受けて活躍し始めた時に、脳梗塞を患われ歌手生活を断念されたとの事で、本人の涙ながらのレクチャーは迫力あるものでした。レコードやCDを数多くとは言えないものの数枚残しており、「努力の人」として多く日本の若手歌手の鑑となる惜しい人材を逸してたと思う次第であります。レクチャーの内容は、当然歌う事は出来ませんので、ご自分のレコードや師と仰ぐ歌手のレコードを再生しなから過去を語ってくれる、私にとってはかけがえのない価値あるレクチャーでありました。

2. ドイツ出張とミュンヘン・オーディオショー
当社は、ドイツ・フランクフルトとチェコに現地法人を持っており、顧客への対応を目的に出張しましたが、この時期ミュンヘン・ハイエンドオーディオショーが開催されており、その見学を兼ねての出張でした。
ミュンヘン・ハイエンドオーディオショーですが、日本にもこれに類するショーは色々ありますが、兎に角日本のものとは比較にならない大きな規模であり、ヨーロッパに於けるオーディオ市場の健全さを真に感じる機会でした。日本のオーディオ業界がかくも低調なのは何だろうか、日本でも嘗ては、日本オーディオ協会なるものが存在し(今でもあるのですが)、それが主催するオーディオフェアーは規模も大きく、面白くて意義あるものでしたが、いつの時からかAVが取って代わり今ではその存在も危ぶむ情況になってしまいました。
そのことはさて置いて、ミュンヘンの情況ですが、会場では日本の雑誌社から派遣されたライターの方々やオーディオ評論家の方々ともお会いしましたから何れ詳しい内容が報道されると思います。
私は、当社のオーディオ技術部長の斉藤と同行し、規模の大きさに吃驚でありました。その情況が、ショーの主催者が運営するオフィシャル・ホームページに発表されております。偶々私と斉藤が日本のフルテック社のブースを訪れて副社長の葉山さんと話しているところがオフィシャル記事の写真として載っていますので、会場風景と一緒にオンしますのでご覧になって下さい。
当社のカートリッジが、ヨーロッパ市場への販売をお願いしているアクシス社のブースに展示されており、出展社リストに載っております。

ハイエンドショー オフィシャルサイトより転写 当社のカートリッジ展示ブース

3. 神奈川フィル定期演奏会 マーラー/交響曲9番
第272回定期公演は、5月28日14:00開演の横浜みなとみらいホールでのマチネでして、演奏曲目がマーラー/交響曲9番を聴いてきました。
マーラーにとって先輩のベートーベン、シューベルト、ブルックナーの交響曲が全て9番を最後に終わっていることを作曲者マーラーは意識せざるを得なかったと思います。マーラーは死の前3年の間にこの9番と大地の歌そして未完に終わる交響曲10番の3曲を手掛けており、「大地の歌」を交響曲と言うのは無理ですから、結果として9番が最後になるわけです。しかも、その初演を聴かずに世を去っています。
私には、この曲の解説をする力は有りませんが、第4楽章の厚くて熱い音は、音楽ファンの立場とし言わせて貰えば、死を意識した癒しの境地と言うところではないでしょうか。そして、この厚くて熱い音はオーディオ的に大変興味のある面白い素材と思っています。この厚い熱い音をオーディオ機器にて再生することは難しく、正しくナマならではの境地であります。そうであるならば、益々再生してみたくなる熱い思いが湧いてくると言うものではないでしょうか。
神奈川フィルの音は、弦の音色が益々冴え渡り世界の一流オケの風格を匂わせると感じました。そして、マーラーの求める厚い音の再現は、指揮者 金聖響 の創る音であり、これからの神奈川フィルの演奏会に益々期待がかかるものであります。
そして、当日の終演後は、シーズン始まりのロビーパーティーが有って、金聖響の関西弁の挨拶を聞いて、丁度良い時間となって、馴染みのすし屋にて食事、今日の感激の旨ひとしきり語って気分は「るんるん」、家内共々健康に感謝であります。

4. 新国立劇場 オペラ モーツアルト/コジ・ファン・トッテ
本公演も原発事故の理由でキャンセルした出演者が3名おりました。しかし、代役の歌手が立派なキャリアを持つ実力派アーティストであり、素晴らしい公演でありました。特にフィオルディージを演じるソプラノのマリア・ルイジア・ボルシは歌唱力容姿ともに素晴らしく新たな出会いでありました。
本公演は、5/29日曜の14:00開演のマチネでありまして、お馴染み新国立劇場での公演を聴いてきました。オーケストラは、東京フィル、指揮が代役でミゲル・A・ゴメス=マルティネス、この人はベルリン・オペラ音楽監督を務め、ウイーン国立歌劇場、英国ロイヤルオペラ座などで振っている実力派で新国立劇場には度々出演しております。コンサートマスターは青木高志でコントラバス主席の黒木さんは出ておりませんでした。
モーツアルトのオペラは、フィガロなどもそうですが、チェンバロの伴奏を伴ったレチタティーボが頻繁に入ります。私の席は6列目の真ん中でしたのでチェンバロの音もダイレクトに聞くことが出来ましたが、客席全体にこの音を響かせるのは無理でありましょう。当日はPAを僅かに利かせていましたが、これはやむを得ない事でしょう。
このオペラは、単純なストーリーの割りに演奏時間が長く、30分の休憩が1回はいって3時間半の公演であります。モーツアルトらしい綺麗なメロディーに満ち溢れたオペラで人気の高いものであります。当日の演出は、現代風でピクニック会場の出来事として進行するのですが、ストーリーの内容が現代にはマッチしない題材なので、ちょっと違和感を感じましたが、私にとって、久々のオペラ鑑賞でして、大いに気力が蘇ったものでした。

5. 軽井沢から141号線を回って八ヶ岳高原ホテルへ
アウディーS5による初めての長距離ドライブでありました。アルゼンチンタンゴがお好きな元大手企業の開発担当役員をなされていた方のお誘いで、軽井沢の手打ち蕎麦屋にて落ち合い、蕎麦を頂きながらの久々の情報交換でありました。お蕎麦の昼食後お宅にお伺いし積もる話に没頭してしまい、予定時間を過ぎての八ヶ岳高原ロッジへの出発となりました。
ここ八ヶ岳高原ロッジに泊まるのも久々でありまして、前回訪問時以来すっかりリニューアルされて気持ちの良いホテルに変わっていました。しかし、相変わらずのサービスの悪さでありましたが、ここのロケーションは自然環境を満喫できる最高のもので、その点での人気が絶えないのでしょう。私もその点で引かれるものを感じて文句を言いつつ来てしまうと言うものです。
このホテルの魅力の一つに雰囲気の良いバーがあります。訪れたのは5/30で、横浜は天候不順で暑さが気になっていた時期でしたが、ここでは寒くて薪ストーブを焚いていまして、初春に返った雰囲気は何とも言えない癒しを感じて、隣の席の知らない人とも会話が弾んでしまいました。
さて、アウディS5でありますが、前にも一寸お話しましたように、この車スピードが120km以上の時に本領発揮と言いましたが、兎に角スピードを上げれば益々路面に吸い付く感じで実に気持ちが良い、長距離を運転しても疲れを感じないのは流石と言うところであります。助手席の家内も気持ち良く寝ているところをみるとこの席も良いのでしょう。何しろスピードメーターが300kmまであって、120kmでのメーターの目盛位置はセンターにも至っていません。まあ、日本の道路事情には向かないものでありますが、異次元の体験も感性の磨きに役に立つのではないかと思っています。

高原ロッジの庭 バーの薪ストーブ

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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