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colums会長のコラム

会長のコラム 151

コンサートスケジュールや株主招待日などは、年間通じて長期にフィックスされ、そこを縫って、日々の予定を入れて行きます。特にコンサート関係の予定は早くにフィックスされ、特に神奈川フィル定期演奏会、新国立劇場の予定、それに海外からのコンサートも1年以上前から決定されるアイテムが結構多く、加えて、どうしても行きたいものなど、少しばかり無理を承知で入れてしまうと後が大変です。
その悪い例が今月の音楽スケジュールでした。音楽愛好家の宿命のようなものですね。今月は、新国立劇場の初日公演が2演目ありました。神奈川フィル定期演奏会、八ヶ岳高原音楽堂での庄司紗矢香コンサートなども有りまして接近したスケジュールの消化に苦労しました。

 5月10日日曜 新国立劇場 ヴェルディ/オペラ「椿姫」午後2時開演のマチネ公演に行ってきました。通常の公演は5回なのですが、この公演は6回予定され、その初日公演でした。指揮がイヴ・アベル、オーケストラが東京フィルハーモニー、コンマスが渡辺美穂でした。
出演歌手は、ヴィオレッタ役がベルナルダ・ボブロ(ソプラノ)、アルフレード役がアントニオ・ポーリ(テノール)、ジェルモン役がアルフレード・ダザ(バリトン)、と言う事で主役3人は外国人です。
指揮者のイヴ・アベルは、北西ドイツ・フィルの首席指揮者を務める傍ら、メトロポリタン、ミラノ・スカラ、ウィーン国立など、世界の一流オペラ劇場で振っているベテランであり、新国立劇場にも3度目の出演です。
ヴィオレッタ役のベルナルダ・ボブロは、ウィーン・フォルクスオーパーに在籍ながら、ザルツブルグ音楽祭を始めヨーロッパで活躍する、素晴らしいスピントソプラノ歌手であり、新国立劇場初登場です。アルフレード役のアントニオ・ポーリは、国際コンクールの優勝歴を持つ若手テノール歌手で、主にヨーロッパで活躍している人で、新国立劇場初登場です。ジェルモン役のアルフレード・ダザは、ベルリン州立歌劇場に在籍する傍ら、ヨーロッパの歌劇場を中心に活躍している人で、やはり新国立劇場初登場です。
この公演では、指揮者以外は全てヨーロッパで活躍している人達で、アメリカ特にメトロに出演する歌手では有りません。世界的に活躍する指揮者のイヴ・アベルとの共演は興味津々というところです。この辺りの組み合わせは、日本のオペラ劇場ならではの興味ある内容だと思うのであります。
当日の演奏ですが、始めの部分は珍しく東フィルの演奏が「ピリッ」としません。1幕のヴィオレッタがアルフレードに「明日バラの花を返しに来て」と言う辺りから、東フィルらしい演奏になって来て安心しましたが、後日、東フィル首席の黒木さんと話す機会が有って聞いたのですが(当日黒木さんはピットインしていませんでしたが)、椿姫の序曲が微弱音から始まるので、オーケストラとしては極めて難しい対応なのだそうで、そのためかも知れないと言って居られました。確かに、イタリアのオペラ劇場を聴き歩いているときもこの現象を経験した事がありました。

5月16日土曜 午後2時開演で、みなとみらいホールにて神奈川フィル定期演奏会に行って来ました。今シーズンから土曜のマチネコンサートが増えており、そのために国際会議場や展示会場での催しとバッティングして駐車場に苦労する事が多くなりました。
当日の演奏は、小泉和裕指揮、コンサートマスターが石田泰尚、第一コンサートマスター崎谷直人の揃い踏み、ヴァイオリンが米元響子。演奏曲目は、シベリウス/ヴァイオリン協奏曲、ニールセン/交響曲第4番でした。
ヴァイオリン独奏の米元響子は、1997年パガニーニ・コンクールにて、史上最年少にて入賞、その後、日本音楽コンクールで優勝し、数々の国際コンクールに上位入賞しているソリストです。主にヨーロッパで活躍しており、ベルギーに在住、マーストリヒト音楽院教授を務めているとのことです。この人の演奏を聴くのは初めてであり、名前を聴いたことがあるような無いような、と言う感じですが、聞きなれたシベリウス/V協では、経歴から推して流石と思わされる演奏力であり、神奈川フィルの逸材発掘力には感服ものでした。
今シーズンから私の席が変わりまして、前から10列目の真ん中、正しくホールの真ん中と言う最高の位置に変わりました。以前より希望していたのですが、「空」が無いと言うことで移動出来ないでいました。新国立劇場の場合は毎回移動しますが、私の場合、毎シーズン通しで購入しますので、ここに相当する席の近くを毎回当ててくれます。それで、感じなかったのかも知れませんが、ここみなとみらいホールは何年もの間右端の席でしたので、移って見て特に感じたのかも知れません、「これほど音の違いが有るのか」と言う事でした。特に音の分解能は凄まじく、オケの細かなフレーズで聞こえなかった音が鮮明に聞こえ、音楽が益々楽しくなった事は、この歳になって何よりも素晴らしい事と感じ入っています。

5月23日土曜 八ヶ岳高原音楽堂にて庄司紗矢香&ジャンルカ・カシオーリとのヴァイオリンとピアノの夕べ 午後5時30分開演で行って来ました。
当日の朝、車で出発しましたが、途中の中央高速相模湖近辺で事故があり、殆ど停車状態となったために、仕方なく上越道を回り、軽井沢佐久経由にて141号線で行くことにし、何とか時間をゲットする事が出来ました。
ここ八ヶ岳高原は、初春の気候で昼間は気持ちの良い日差しであるものの、夜になると寒いぐらいに冷えます。当日の演奏は、最近彼女との共演が多いピアノ奏者ジャンルカ・カシオーリとの共演で、このコンビでのCDが数多くロビーにてサイン会付きの販売が行われていました。流石に世界の有名人レベルの演奏で、曲目も音楽マニア向きであり、観光バスによる追っかけおばさんの姿も有りませんでしたが、会場は満席状態、熱心な音楽マニアの集まりと化し、このホール本来の姿そのものと言う感じでした。現在日本人ヴァイオリニストのランクは、諏訪内、庄司、樫本、五嶋兄弟、神尾あたりが競っているようですが、特に諏訪内と庄司が激しく競っているとの統計があります。私は庄司に軍配を上げていますが、まあ人それぞれですから、結論の出る話ではありません。と言う事で、追っかけおばさん軍団を引き連れた有名ソリストとは演奏レベルが違うコンサート内容でありました。
当日の演奏曲目は、モーツアルト/ヴァイオリン・ソナタ35番、ベートーベン/ヴァイオリン・ソナタ6番の2曲が前ステージ、後ステージが、ストラビンスキー/イタリア組曲、ラベル/ヴァイオリン・ソナタ ト長調の2曲でした。そして、アンコールに演奏された曲が私の全く知らない曲で、それも知らない作曲家の曲で、1曲目がシュニトケ/祝賀ロンド、2曲目がシルヴェストロフ/ヴァイオリンとピアノのための「ポスト・スクリプトウム」より2楽章、の2曲でしたが、何れも素晴らしい技術による音楽表現で、この理想的な音楽環境にマッチした貴重な体験のコンサートでした。

5月24日日曜 午後2時開演のマチネコンサート、新国立劇場にて R・シュトラウス/オペラ「薔薇の騎士」に行ってきました。
指揮がシュテファン・ショルテス、演奏が東京フィルハーモニー、出演歌手は元帥夫人が
アンネ・シュバーネヴィルムス(ソプラノ)、オックス男爵はユルゲン・リン、オクタヴィアンはステファニー・アタナソフ(メゾ)、そして、ゾフィーはアンケ・ブーゲル、以上主役クラスに加え日本人の実力歌手、田中三佐代、加納悦子、妻屋秀和、水口聡、などの有名実力歌手が多く出演し、カーテンコールの後、楽屋へのエレベーターがファンで満員状態、駐車場へのエレベーターと兼用ですからたまらないです。流石、国立劇場と思わされるこの規模も立派でありますが、駐車場を出るのに30分も掛かりました。それでも、ゆったり出来たのはお蔭さまと言う事でしょう。
贅沢な歌手陣、贅沢なオーケストラ構成、今世紀最後のオペラ作曲家R・シュトラウス(個人的見解)の豪華絢爛、爛熟社会最後の貴族社会を描いたオペラであります。なにはともあれ、「良かった、楽しかった、リフレッシュした」に尽きる4時間でした。当日は、首席の黒木さんもピットインしていましたので、後日談が楽しみです。
この日は午後2時の開演で、前日、八ヶ岳高原音楽堂でコンサート終演後1泊し、朝食後に八ヶ岳を出発しました。前日の様な事故が無い事を願いつつ新国立劇場に向かったのですが、幸運にも順調かつ快適ドライブで、我が自慢のレクサスLS-600H-Fバージョンのお蔭と思いつつも、2日連続のビックコンサートは流石に疲れました。自由にならないのがコンサートスケジュールの宿命と言うもの、我儘に慣れきった自分を叱咤激励、これも楽しみの一つであります。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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