Phasemation フェーズメーション

colums会長のコラム

会長のコラム 138

間もなく4月が終わり5月になるところです。私のマンションの部屋は東と南が開いた角でして、日に日に上る太陽の位置が左側に移って行き、邪魔な建物が無い場所へと移動します。
毎年この季節になると昇る太陽を見る為に早起きになるのですが、この現象は昨年も、その前の年もと言うことで、8年間も見続けているのです。
変わらぬ自然の営みを見ていると、自分の年の移行はとても早く感じてしまい、特に脊柱管狭窄症を患って以来よけいに人生の侘しさが身にしみると言うものであります。
さて、その後のDEQXの栗原さんです。具合の悪かった機器をご自分の作業ベンチにて、再調整されて再度拙宅にお越しになりました。しかし、現象は前回同様でして氏が勧めるLow/Mid間のロールを96dB/oct、Mid/Hi間のロールを300dB/oct に設定した時の動作は前回と同じ現象で解決はなされておりませんでした。
どうもこの現象はMid-chの時間軸が1.7m遅れを修正する機能が原因では?との事であります。ちなみに、この音場補正器は48dB/oct以上に設定しないと自動補正機能が動作しないとのことで、暫定処置の6dB/oct 設定は手動によるものです。
私の持論は、チャンネル・デバイダーのカットオフ・ロールは6dB/oct がベストと言うものでありますから、この暫定処置は満足の行くものでこれ以上にハイテクを駆使する必要は無いと考えています。従って、今の状態は極めて満足なのです。
その後、栗原様のお客様が当社の近くと言う事で、手伝って貰いたいとの栗原さんの要請でお手伝いに上がったのですが、この方、なかなか難しい課題をお持ちの方で、栗原さんは暫くそちらに手を取られるものと考えます。
私はここでの所要を済ませて暫くの間は栗原さんの手空き待ちと言う事ですが、先の理由で私は一向に不満を感じないとは言うものの、私もプロの端くれですから、他人のご主張も理解しなければなりません。DEQX本来の性能による結果を心待ちにしています。

新国立劇場 アルバン・ベルグ/オペラ「ヴォツェック」4月5日(土)14:00開演のマチネ公演に行ってきました。
私が、このオペラを観るのは今回で2度目です。最初は、松本のサイトウキネン・フェスティバルで、小澤征爾の企画指揮によるものでした。
この時は、サイトウ・キネンと言うブランドの公演を観る事への意気込みだけを感じていましたから、何とも詰まらないオペラだとの思いが先行しました。これを言うと皆から軽蔑されそうで黙っていた次第です。
このオペラ、最近では名作として公演機会も多いと聞きます。今回は、冷静に観劇する事にしました。このオペラ、「無調、十二音技法」による作曲で、私の知るメロディーらしきものは殆ど有りません。
筋書が、貧乏な世代の若者夫婦を主題とした、良くある夫婦の間での浮気がテーマで、そこに子供が関わり合っていて、内容は生々しく悲惨がテーマです。
「無調、十二音技法」が妙に物語の進行に絡まり、メロディーの必要性を感じないのが、とても印象に残りました。最後は、夫婦二人とも死んでしまい、この子供が一人残されると言う残酷なストーリですから、初めに観劇したときとは子供をダシにしてとの思いがありました。
それが、今回の鑑賞では「芸術作品を観たぞ」と言う何か残るものを感じたのですが、私の鑑賞力を超える作品だとの印象は拭えませんでした。
要は、まだまだ修行が足りないと言う事でしょうが、修行してまで芸術の鑑賞と言うのは如何なものか、プッチーニ、ヴェルディー、ワグナーに痺れていれば充分と言う事か。

神奈川フィル定期演奏会 4月18日(金)19:00時開演で行ってきました。
4月公演が今シーズンの初回となります。常任指揮者の金聖響の任期切れで、今年度から川瀬賢太郎が常任指揮者となります。加えて、第一コンサートマスターに崎谷直人が就任し、従来通り石田康尚のソロ・コンサートマスターが定位置に加わっての最初のコンサートでした。
演奏曲目はシューマン/ピアノ協奏曲。ピアノ演奏が 伊藤恵、そして後のステージがブラームス/交響曲第一番でした。
伊藤恵の演奏は流石素晴らしい、しかしオケとの駆け引きは今一の感であり、何が原因か分りません。川瀬賢太郎の初登場に気が行き過ぎていたのかも知れません。さて、神奈川フィルの渾身の新陣容によるブラームス/交響曲第一番の演奏に期待が集中します。
曲の解釈なども気を引くのですが、それに増して、指揮者のオーケストラのコントロール、統率力を問われる曲であります。しかし、その心配は全く無用でありました。この指揮者への事前知識は、歳が20代である事以外に持ち合わせていませんでした。
当日のプログラムに記されたプロフィールをみますと、東京音楽大学を卒業後、大物になるべくコースを歩いており、「これは只者では無い」のかも知れないと思いつつ当日の演奏を聞いてみると、これからが楽しみと言う期待が湧いてきました。
オーケストラを確りコントロールし、オーケストラメンバーも何時もに増して良い演奏をしていました。

フイリップ・ジャルスキー&ヴェニス・バロック・オーケストラコンサート
3月25日(火)東京オペラシティーホール19:00時開演で行ってきました。
今、カウンターテナーの第一人者として活躍している、ジャルスキー、そしてバックのオーケストラがカルミニョーラとの共演で名演を聞かせるヴェニス・バロック・オーケストラとの協演でした。
ヘンデルやポルポラの活躍したバロックオペラには、カストラートと言う男性の歌手が人気を独占したと言われていますが、その声を聴いた人は現代では誰もいません。現代で言うカウンターテナーがそれに相当すると言われています。
このジャルスキーがその域に達していると言われており、最近ではカストラートの唱法も研究されているのでしょうか、優れたカウンターテナーの歌手が出てきています。
ヘンデルのお馴染みの曲ですが現代ではソプラノ歌手が歌って、NHK紅白にまで出ていましたが、今回初めてカストラートの歌手によるものを聞きました。
我々の知るベルカントとは異質でありますが、その趣はソプラノ歌手によるものとは異なり、独特の雰囲気を醸しこれがその時代のものかと思うのでありました。
音楽との融合は、NHK年末紅白で歌われたソプラノ歌手の「オバサン好み」とは次元の違う「品」を備えたものでした。その歌唱は好きかと問われるとそれは「良く分りません」としか言えません。初めて聞くものであり、ご勘弁頂きたいところです。音楽界の潮流として、原点回帰の風潮もあるようです。
当日、バックを務めた、ヴェニス・バロック・オーケストラは、お馴染みバイオリニストのカルミニョウラとの共演で、CDも発売され来日もしましたから、広く我々の知るところとなっており、あい変わらずの名演を聞かせてくれました。
ジャルスキーとの調和は何とも言えない雰囲気を醸し、何時までも耳に残るその演奏は何か新鮮なものを感じるから不思議です。

私は今、横浜の介護付マンションに家内と二人で住んでいます。私が、CEOを務める協同電子エンジニアリング社には、ここから毎朝定時に到着するように通っています。
先日、ここに伊藤ゆかりが、原田イサム、秋満義孝、などの往時のそうそうたるメンバーからなるクインテットをバックに、老人慰労でしょうか、コンサート開催に訪れ、1時間30分に渡る演奏をしてくれました。
何か、サラリーマン駆け出し時代を思いだしてしまいました。なかでも、一番感激したのは、伊藤ゆかりが自分に良く似た娘を連れてきた事、そして、娘とのデュエット、これが素晴らしかったです。
プロの親子のデュエットです、娘に花を持たせ殆ど娘にメロディーを歌わせ自分はその上や下を付けて行くのですから、「ハモリ」はもちろん抜群であります、合唱経験者として、この上無く痺れさせられました。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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