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colums会長のコラム

会長のコラム 068

・エディタ・グルベローバが健在
・高輪オペラの会に付いて

今年は、11月に入って急に寒くなり、10月のオペララッシュに疲れてホットしたところでもあります。前月から続いているウイーン国立オペラ劇場の公演も残りは、ドニゼッティーのオペラ「ロベルト・デヴェリュー」の公演のみとなりました。このオペラは、初めて知るオペラで、それもその筈、ウイーン国立劇場に於いて、過去150年間2度しか上演されなかったと言うことです。その公演されなかった理由が、歌える歌手がいなかったからと言う事ですから、そのいわくも大変なオペラです。それが、近年エディタ・グルベローヴアが歌って大喝采され、ウイーン国立劇場は、その舞台を今回日本に持ってきたのですから、日本公演を多いに意識していたか、証といえましょう。
本公演は、演奏会形式で東京文化会館のオーケストラピットを埋めて客席とし、ステージ上に奥から合唱団、オーケストラ、歌手と言う様に配置して公演されました。そして私の席が、前から6列目のど真ん中でした。この席で聴くとダイレクト音が強烈でホールの音響など全然気になりませんが、言い方を変えるとそれだけ音響の良いホールだからストレートに聞こえる、と言う事なのでしょう。
演奏中の奏者の様子がよく見えます、普段見えないオペラ演奏時のオーケストラを見るのも大変参考になります。そして、コンサートマスターのライナー・キュッヘルさんを見ていると、やはり国立歌劇劇場管弦楽団と言うよりウイーンフィルハーモニーと呼んだ方が実感としてなじめるオーケストラです。
さて、エディタ・グルベローヴアが健在でした、席が前なだけに顔の皺が気になりますが、このベルカントオペラの真髄とも言えるドニゼッティー作の難局に対するプリマドンナのグルペローバ、相手役のテノール ホセ・ブロス、 メゾソプラノ ナディア・クラステヴァ など今旬の実力派歌手を相手に引くどころか押し捲る様は見事としかいい様が有りません。また、日本人の歌手 バリトンの 甲斐栄次郎もこのグレードの高い舞台で何か光るものを感じさせられ印象に残る聞き応えある舞台で、近年に無い貴重な体験でした。
コンサート会場について何時も思う事ですが、このグルヘベローバの舞台でも、常に左側に重要なパートが寄っていた事に付いてです。と言うのも、オペラの主役の歌手は第一バイオリンの前で演技し歌う事が殆どで、私の席がど真ん中であっても、頭は殆ど左を向いており、その目線の延長上にある左の字幕を読んでいました。オペラ公演でもそうですが、カーテンコールにしても、その他見所、聴き所は何時も舞台左側です。協奏曲や歌曲のコンサートでもソロ奏者は第一バイオリンの前です。また指揮者によっては楽器配置を変える事がありますが、その場合でもオーケストラの楽器配置が第一バイオリン側に寄りがちです。ですから、チケットは絶対に中央席か若しくは、左側を購入すべきで、特に前の右席は絶対買ってはいけない席です、左右対等ではありません。これは、私のノーハウでコラムを読んで頂いている皆さんへのプレゼントと考えて下さい、競争が激しくなるから他言無用に願います。

次は、恒例の神奈川フィルの定期公演です。ベルリオーズの幻想交響曲で指揮が パスカル・ヴェロ この人は、小澤征爾の招聘でボストン交響楽団の副指揮者を務めていたことがあり、現在東京フィルの主席指揮者を務めている、キャリアの持ち主です。
当日の会場はみなとみらいホールでした、中々の名演に加えて、何時もの席で聴く何時ものオーケストラは至福のときを感じさせてくれます。前にも書いた事がありますが、この幻想交響曲はレコードで聴くのと生で聴くのとでは受ける印象がまるで違います。レコードしか聴かない嘗ての耳の不自由なオーディオマニア先生はこの曲を酷評していましたが、これだけ「生」との違う印象を受ける曲も珍しいと思います、この感覚の差を無くすのが我らオーディオ技術者の使命ではないか、などと大げさかも知れませんが私の目指す目標の大きなウエートを占める一つの方向であります。
余計な事ですが、定期演奏会は毎回席が決まっています、私達夫妻の席の隣のご夫妻は可也のご高齢の方で何時も気持ち良く寝ています、音を発てないので気になりませんが勿体無いですね。

年に3回開催される、高輪オペラの会と言うが今月開催され聴いてきました。この会の会長が林完さんで脚本担当、幹事が宇垣淑子さんでストーリー進行の語りを担当されています。
今月の演目は、プッチーニのオペラ「トスカ」でした。会場は毎回高輪プリンスホテル内の「イル・レオーネ」と言うイタリアレストランで行われ今月の開催が56回目です。観客は100名程度で、演奏がピアノのオペラ伴奏の第1認者の河原忠之さんが伴奏及び音楽監督を務めています。
今月のオペラ「トスカ」は、トスカ役が ソプラノ 岩井理花、カヴァラドッシ役が テノール 村上敏明、スカルピア役が バリトン 谷友博と言う布陣でした、岩井理花さんは少し前に小澤征爾の演奏するトスカ役に抜擢されトスカ謡として活躍していました、今は少し衰えを感じさせますが流石に見事なトスカ役を演じてくれました。村上さん、谷さんは、今、さかんにコンサートで活躍中のバリバリ現役歌手です。
オペラの進行は、当会の幹事を務める宇垣淑子さんが語りを勤めつつ、夫々の歌手がアリアを中心に主要な曲を歌いオペラの全ストーリーを進行させます。この狭い会場でのオペラ歌手の声はもの凄い迫力で誰もがオペラの魔力に魅せられ、取り付かれてしまいます。
毎回、魅力ある歌手と演目が企画され私にとって、生の声を体験する貴重な場であります。
ちなみに、次回は、オペラ「椿姫」が予定されており、出演者はヴィオレッタ役がソプラノの佐藤亜希子さん、アルフレード役がテノールの水船圭太郎さん、そして父親ジェルモンがバリトンの泉良平さんが予定されております。特に、佐藤亜希子さんのヴィオレッタは、興味深々でありますが、この時期私は再びアルゼンチンを訪ねる予定をしており、出席出来ないのが残念であります。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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