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colums会長のコラム

会長のコラム 051

さて、10月の私の音楽ライフは、15日以降を後日と言う事でコラム50にてお約束しておりました。
早速に、ベルリン国立歌劇劇場の「モーゼとアロン」のレポートからになります、このジャンルは私が苦手とする分野で、日経新聞の音楽評論欄にて論評されていますのでご参照下さい。
舞台は、全くのモノトーンで、私が「良い悪い」や「面白い面白くない」を言う資格は全く有りません、ベルリン国立歌劇場のブランドに引かれて行った者ですからこれ以上の論評はご勘弁下さい。

ベルリン国立歌劇場の最後の演目「トリスタンとイゾルデ」はNHKホールでした、このホールの席による音響のばらつきは、誰しも認めるところですが、今回はチケットの購入手順を誤りS席でも最悪の音響情況の席でした。しかし、ヨーロッパの有名劇場のように舞台が半分見えないと言う様なことはありませんから、「音」を気にしない方にはお席の良し悪しの心配は無用です。不平を言うのは、私のような「音」マニアだけですから、ハイ。
音の悪さは気になりましたが、「生」に変わりはありません、初めて観劇するオペラですから夢中になってしまいます、複雑なストーリーであり、観劇の前には絶対にストーリーを勉強しておくべきと言う事前の知識は有りましたので、多いに楽しむ事が出来ました。良く言われることとして、オペラのストーリーは単純だから、字幕があれば問題無いと言う事は、このオペラに関しては通用しません。
この難しいオペラは、やはりドイツ人で無ければ表現出来ないのではと思うし、日本人による制作は無理でしょうから、貴重な経験をしたと思っています。

今月の新国立劇場は、「タンホイザー」と「フィガロ」の2演目で、「タンホイザー」は前回記しました。あの有名で誰でも知っている序曲の出だしのラッパの音、聴きなれたメロディーなだけに、耳につくものでした。
同様に「フィガロの結婚」序曲も誰でも知っている曲名だけに、何時もの出だしの乱れは相変わらずで、結構耳に付きましたが、歌手の熱演と共に気にならなくなります。外来オペラ劇場の来日ラッシュですから、東京フィルも辛いところです、しかし、公演はかなりこなしていますから立派といわざるを得ないでしょう。
指揮が、沼尻竜典、相変わらずの全身を使っての指揮ぶりには、音楽表現を体で表現しているようで好感がもてます。スザンナ役が中村恵理、細い体で声も細いがまあまあの出来と云えましょう、相手の伯爵夫人が今売り出し中のソプラノ、メトロやザルツブブルグに出ているマイヤ・コヴアレヴスカですからから比較するのも酷です。
この日は、見ごたえのあるこの公演で充分に堪能しました。公演がマチネであった事もあり、終演後はなじみの代々木上原のレストランでマスターと音楽談議の夕食中に、そこに神奈川フィルの主席コントラバス奏者の黒木さんが偶然に現れたり、音楽マニアの常連客と合ったりで、良い出会いの場となり楽しい一日でした。

今月最後のオペラは、プラハ国立歌劇場の「椿姫」です。上野文化会館(正式には東京文化会館と言うが、こう呼ぶ方が通りが良い)
ちょっとした手違いで、チケットが4枚手にはいりました。余った2枚を当社のオーディオ担当の技術者に絶対に来ると言う条件であげました。
オーディオ機器は、音楽の再生手段のツールです、音楽を知らずにこの仕事をすることは、例え電子技術者であっても許されないと言うのが私の心情です、彼は、楽器を演奏するのですが、そのジャンルは若者好みの曲に傾斜しているようです、クラシック音楽、特にオペラに興味を持ってもらいたいとの勝手な私の思いが有って、オールマイティーな音楽趣味を持つ技術者を目指して貰いたいと思っての事でした、当日のプリマドンナの出来が良かったせいで、初見の彼も感激していました、結果は上々と思いましたが果たして自分でチケットを買う処まで来たか。
ご存知のこのオペラの序曲は、バイオリンのピアニシモから始まります、演奏者は高度に緊張することでしょう。意地悪な態度で聞き澄ましますが、大変素晴らしい出来栄えで、これから始まるドラマを暗示するのに充分な表現であったと思います。
ビオレッタ役が、テオドッシュウで私はこのところ良くお目にかかります。この日はどうも第一幕の出来が今一で、ちょっとガッカリしたのですが、流石に今オペラ界の実力者です、二幕以後は流石の出来で、アルフレード役のダニール・シュトーダを圧倒していました。このシュトーダと言う人は私良く知りませんで、プログラムの紹介によるとイタリアで活躍しているようですが、とてもティオドッシュの相手役には不満の残る実力と云わざるを得ませんでした。

此れで、10月のオペララッシュも体調を維持しつつ何とか乗りきれました、そして、11月の始めからドイツに出張します。
その仕事の一つにウィーンで行われるオーディオショーがあります。ここに集まるヨーロッパのオーディオ関係者と会って、当社商品のヨーロッパデビューを模索するのですが、ポイントは何と言っても音楽の都ウィーンとの事で、音楽のツールとして我々のオーディオ機器がどの様に評価されるかです。
私達の事前の調査では、と言ってもプロの人たち相手の事ですが、大変に良い評価を得ています。これが、音楽をこよなく愛する一般の人達、将来我々の顧客になってくれるであろう人達が、どのように、評価してくれるかがポイントとなりましょう。
帰国後にレポートしますが、そんな訳で11月は暫くお休みさせて頂きます。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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