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colums会長のコラム

会長のコラム 209

2020年1月新年のコラムです。
明けましておめでとう御座います。今年もコラムを継続し、より価値ある内容に昇華させるべく邁進しますので、引き続きのご愛読、宜しくお願い致します。
毎年、年越しの12/31と1/1の元旦は、2泊3日で都心のホテルで過ごすことにしており、今年は、渋谷の東急セルリアンタワーに宿泊し正月を過ごしました。ここには、数年前に泊まったとき、近辺を散策したので、その後の変わり様などに興味が有って、再度泊まってみました。
渋谷と言う土地は、若者が集まる街に変わり、しかも若い人と外国人観光客が集まる場所に大きく変わりました。加えて、オリンピックに向けた工事が今も進行中で、土地感のある私でも、何がどうなっているのか方向感すら定まらない、まるでお上りさん状態、足の不自由な家内を連れ歩くのに難儀をしました。
東急セルリアンタワー・ホテルは、東急グループ創始者である、故五島慶太の思い入れの高級ホテルであります。それが、若者の多いホテルに変わってしまい、大人の安らぎを求める者としては、少し期待外れを感じてしまいました。特にホテル内のレストランで、チャイニーズレストランは、客が多く繁盛しているものの、味の劣化は酷い、にも関わらず、この繁盛ぶりには何を意味するか、「ブランド力」から来る人気なのでしょう。
ホテル従業員の対応は、相変わらず昔を思わせるものでしたが、外国人客と若者客でごった返すサマには閉口であり、これも渋谷の街の変わりようから来ることか、それとも、今の時期の特殊事情なのか、オリンピック前夜ですから、今後に期待することにして、先ずは鉾を納めましょう。
1月から2月の初旬にかけて、業界関係の新年会が続きます。暗い話題が多いにも関わらず、やはり正月は元気にスタートしたい、この心理とオリンピックへの期待もあるし、渋谷の混乱も暫くの間とは言え、我々世代には想像の限界を超える環境変化には、戸惑いばかりでありました。

今月の音楽ライフです。
1月18日土曜 今年最初のコンサートは、神奈川フィル定期演奏会の音楽堂シリーズで、県立音楽堂に行ってきました。
曲目は、前ステージがモーツァルト/弦楽四重奏2番(弦楽合奏版)、ヴィヴァルディ/ヴァイオリン協奏曲「四季」でした。そして、後ステージが、モーツァルト/交響曲第25番、ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 K364 でした。
当日のプログラム、ヴィヴアルディ/四季と、モーツァルト/ヴァイオリンとヴィオラの協奏交響曲K364 は、クラシック音楽の中でも特にポピュラーな曲で、名演奏家のLP、CD が多い曲です。この曲を定期演奏会で演奏すると言うのは、挑戦の意志が求められ、プレッシャーに勝つ自信か、革新を理解させる試みか、その「気」から来るものでしょう。
コンサートマスターの﨑谷のヴァイオリン・ソロ、そして、ヴィオラ首席奏者の大島のヴィオラ・ソロが注目でありました。
ウィーン・フィルのコンサートマスター、キュッヘルさんの現役時代、氏のレクチャーを伴った演奏会で、モーツァルトのヴァイオリン曲は、初期の頃、ピアノ曲に比べると決して秀作とは言えなかった時代が有った。しかし、このK364 以降のヴァイオリン曲は、ピアノ曲に勝る秀作と進化し、この曲はモーツァルトの特徴が良く出ていて、素晴らしい曲と語っていたのを思い出しました。
このK364 は、クラシック音楽の初心者にも好まれ、モーツァルトの神髄を良く表現する曲であり、私なども熱心なファンであります。過去の名ヴァイオリニスト達の名演の多い曲でもあります。それだけに、この曲を演奏する﨑谷と大島の演奏に興味が募ります。
彼らの演奏を聴いて、現代感覚を表現する演奏には、馴染めない何かを感じたのは、私だけでは無いでしょう。しかし、定期演奏会の場で、挑戦するこの二人に喝采を贈ることに、惜しみを感じませんでした。

1月25日土曜 14時開演で神奈川フィルハーモニー定期演奏会「みなとみらいシリーズ」でみなとみらいホールに行ってきました。
当日の演奏曲目が、シベリウス/「レンミンカイネン」組曲/トゥオネラの白鳥、ショパン/ピアノ協奏曲第1番が前ステージ、そして後ステージが、チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」でした。
当日の指揮が、オッコ・カム。この人は、1969年カラヤン国際指揮者コンクールで優勝し、以来ヨーロッパの名門オーケストラの音楽監督、主席客員指揮者などを務め、日本にも度々招かれており、神奈川フィルには3年前に1度出演しています。
ピアノ独奏は牛田智大で、幼少時より非凡な才能をみせ、複数のコンクールで優勝している最若手ピアノ奏者であります。オッコ・カムの指揮によるショパンのP協は、若さ溢れる新鮮さに興味が涌き、将来の大物を思わせるスケールと技量を感じました。
続く後ステージのチャイコフスキー/交響曲6番、これまた重量級の演目で、指揮者の出身地から、この曲のイメージが一致する、素晴らしい演奏を聴かせてくれました。私の歳のなせる仕業か、若い時期に聞いたコンサートのイメージとは違う。新たなる音楽鑑賞への楽しみを感じるものでした。
ルンルン気分の帰路は、先週に続いて、馴染みの寿司屋に行きました。正月早々の贅沢には、些か後ろめたい感じが付帯しますが、私の先の無い人生、故に「ゆるせ」と自分に、言い聞かせています。

1月28日火曜 2時開演で新国立劇場に、オペラ プッチーニ/ラ・ボエームに行ってきました。
当日の演奏 : 東京交響楽団、指揮 : パオロ・カリニャーニ。
東京交響楽団の演奏は久しぶりです。コンマスがグレブ・ニキティン と言う外国人に代わっていました。指揮者のパオロ・カリニャーニは、ミラノ生まれでヴェルディー音楽院出身のイタリア人です。ウイーン国立劇場、メトロポリタンなど世界的劇場で活躍している人で、日本にも度々客演として招かれており、新国立劇場には3度出演しています。
当日のキャストです、ミミ役のソプラノがニーノ・マチャイゼ、ロドルフォ役のテノールがマッテオ・リッピ、マルチェッロ役のバリトンがマリオ・カッシ、この3人が外国人で、ムゼッタ役のソプラノが辻井亜季穂、以下全て日本人でした。
この辻井亜季穂と言うひとは、愛知芸大を卒業後ドイツに渡り、ヨーロッパで研鑽を積みドイツ・ヴュルツブルク歌劇場専属として活躍しているひとで、新国立劇場初登場です。この人に付いて、私は全く知りませんでした、日本人とは思えない声量のソプラノの歌手で、ワグナー等の演目にも出演していて、当日のムゼッタ役にピッタリの力量でした。今後の成長が、期待出来る大器かと楽しみな人と察しました。
演奏は、これぞ「ザ・イタリアオペラ」の感であり、私如き者が、眼がしらが潤んでしまいました。オペラ/椿姫 も同じ様な終わり方なのですが、何故か、この「オペラ/ラ・ボエーム」は、後を引く終わり方なのです。出来の良い演奏の公演は、その「気配」が強調されるもので、当日の公演は正しく「それ」でありました。
当初の私の鑑賞日は、1/24 の夜公演を購入していましたが、眼を煩って以来、劇場への行き帰りに難儀をするので、事務局に事情を話して変えてもらいました。私は、永年に渡っての初日公演一括購入しており、事務担当者はそれを承知して、特別に計って頂いたものと思います。
本件、オペラを愛し音楽を愛でる者として、劇場運営者に感謝であり、流石に新国立劇場の人材は凄いと思いました。そして、私の描くオーディオ再生に「ザ・ラシサ」を求める糧となるでしょう。諸兄の応援、今年も宜しくであります。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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