Phasemation フェーズメーション

colums会長のコラム

会長のコラム 169

毎年のこと、この時期の年中行事であります、オーディオ各誌が企画する優れた商品への表彰を目指し、国産、輸入に関わらずオーディオ機器各社の「音質評価」を競うことになり、忙しい時期であります。
此処で競うことになる、「音の良し悪し」で何時も思うことなのですが、「音」評価は食の「味覚」と良く似ていると思うのです。肉の嫌いな人にはどんなに良い食材であっても嫌いと言うでしょう。一方、肉好き者には、うるさいのが居て脂身を以て肉のうまさを判別すると言う者もいます。友人などは、一緒にサーロインステーキを食べる時、私が外した脂肪身を、お前の食通は偽だと言って、外した脂身を俺に食わせろと取って行きます。
オーディオにおける良い「音」作りは、食材と同じで、高原野菜の自然環境と無農薬による絶妙なバランス感覚、この高原野菜を食べたことの無い者に食を語らせても話にならないし、ニンニクが嫌いと言う者と食の話をする気にならないのと同じであります。そう言う人たちも、それなりに幸せなのだからそれで良いのですが、オーディオとなるとその種の者が、声を大にしてひとかどのことを言うから話が難くなります。
さて、本題に移るとしよう。真空管アンプに付いてですが、プッシュプルとシングルアンプでは、その音質差は一聴して判るものです。プッシュプル回路は、どう頑張ってもシングル回路には勝てません。そして、三極管と多極管の違いも同様と考えます。この論議は昔から語られているテーマですが、ここで敢えて、述べさせて貰います。
3極管シングルアンプは、「NFBを掛けないとDF値が小さいから低音の締りが無い」と言うのがこの種の人達です。私はハッキリ言わせてもらいますが、設計と組み立て技術によって低音のコントロールは出来ると言うこと、決してDF値に左右されるものでは無いと言うことです。アマチュアならまだしも、れっきとしたメーカーがDF値を言うのを聴くとそれはもう勉強不足丸出しと言うもの、まずば、当社の新商品MA-2000を聴いてみて貰いたいものです。
DF値の低音への影響は、過去にいろいろ述べられている事からして、本件も「理論的説明をしろ」と言われそうです。ならば、返すことばとして高原野菜の美味さを理論的に説明して貰いたい。その結果は所詮、「だからどうした」と言う程度のもので、真実はもっと深淵なところに在ると言えます。それが、人間の作るオーディオ機器の「音」の原点と言えましょう。
これに類した事で、オーディオ用デバイスとしての「真空管対半導体」に付いても、言いたい事が沢山有りますが、長くなるので次の機会に扱うことにします。
さて、今年の新商品に付いてであります。芸術を愛し、それを愛でる文化から生まれる以外に「オーディオ機器」の在るべき姿は無いとの思い。それを追い求めて来た「良い音」を多くの人に享受して貰いたいとの思い。昨年発売した力作のフォノカートリッジPP-2000、この「音」を損なうことなく、困難なコスト戦略を展開して作ったのが新商品PP-500 であります。
と言うことで、今年の新商品は、メインアンプのMA-2000 、フォノカートリッジのPP-500
の2機種となります。宜しくご贔屓の事お願い致す次第です。

今月の音楽ライフです。
新国立劇場、新シーズンのオープニング公演が10月2日 日曜 午後2時開演で、リヒャルト・ワグナー/楽劇「ニーベルングの指輪」第一日「ワルキューレ」の初日公演が行われ行ってきました。この公演は6回ありますが、それでも赤字公演と言いますからオペラの公演は経済的に容易でないと言うことのようです。
当日の公演、素晴らしい演奏でした。兎に角緊張のし通しで、わざわざ、バイロイトまで出かける必要は無いと思ってしまうものでした。それと言うのも出演歌手が、定評のあるワグナー歌手を6人も揃えたことで、特に主演のジークムントを演じるステファン・グールド、フンディングを演じるアルベルト・ペーゼンドルファーは、バイロイトへの常連であり、他の外国人歌手もヨーロッパの各地や、米国メトロポリタンでワグナー歌いとして定評のある人たちですから舞台に緊張ムードが走るのは当然と言うものでありましょう。
オーケストラが、東京フィル、そして指揮が音楽監督自らの飯守泰次郎です。そう言えば、この飯守さん、カーテンコールのときに一人で出てくる場面に限りですが、結構な数のブーイングが飛んでいて、私には何故か解らなかったのですが、二階席で観劇していた友人の話では指揮者の棒振りと舞台進行がマッチしていない箇所が有ったと言っていました。我々の席からは全く分かりませんでしたが、そんな事ってあるのでしょうか。最終日はもっと酷かったと言いますから「それって何だ」であります。
このオペラ「ワルキューレ」は、11月にウィーン国立劇場の引っ越し公演の演目の1つで既にチケットも手に入れています。続けてこの素晴らしき作品の公演が見られることは元気で生活出来ている証であり、最高の幸せであります。次回に必ずレポートしますのでご期待下さい。

10月28日 金曜 ウィーン国立歌劇場引っ越し公演が東京文化会館にて午後3時開演でR・シュトラウス/オペラ「ナクソス島のアリアドネ」に行ってきました。
今年のウィーン国立歌劇場公演は、10/25の「ナクソス島のアリアドネ」で初日を迎え「ワルキューレ」、「フィガロの結婚」の3演目が3回ずつ行われます。私は、全ての3演目に付いて、ウイークデーのマチネ公演を選んでチケットを購入していまして、10/28が最初でありました。因みにチケット代金はS席で¥63,000/人で家内とで¥126,000 ですから3演目となると半端では有りません。新国立劇場の税金支援チケット代金の有難味が染みると言うものです。
当日の指揮が、マレク・ヤノフスキ、演奏はウィーン・フィルであります。この人は、日本にもお馴染みの人で、毎年の「東京・春・音楽祭」にて2014年からNHK交響楽団を指揮しています。ポーランド生まれですが、音楽活動はドイツ、フランスが主であり、メトロポリタン等にも客演し、世界的に活躍している多忙な指揮者の一人です。
このオペラは、私、初めて観るオペラです。R・シュトラウスの最後のオペラですが、お馴染みのR・シュトラウス特有の這ってしまう美しいメロディーは、終曲近くに20分ほどもの長い時間に渡って続くのですからたまりません。また、劇中劇の形式となるプロローグがなかなかの優れもので、オペラの楽しさを増幅する作品とみました。
当日は金曜でオペラは3時開演のマチネですから、カーテンコール込みで6時終演を見込んで、夕食は我が老人ホームのレストランを予定していました。予定通り6時10分前にホールを出て向いの駐車場を出発したのですが、首都高速上野ICを入り東神奈川までは順調にドライブするものの、そこから先が事故渋滞、マンションに着いたのが、レストラン門限のギリギリでセーフ、当日は生憎の雨で道中事故が重なっていました。金曜の夕刻はウイークデーですが、帰りを急ぐ人が多く雨ともなると事故が多いのでしょう、金曜の夕刻は要注意と心得える事にします。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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