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colums会長のコラム

会長のコラム 126

若い人には、縁の無いことだが、こう言う事実も知って欲しいのだ。
75歳になると会社の健康保険組合から追い出される。それは、私の様なオーナー経営者でCEOを務めている者に対しても、法律によって後期高齢者保険に、一律平等に移行させられるのだ。
会社内では、老害を撒き散らしている事を自覚している私自身であるが、健康状態は腰痛と花粉症以外には何も無い。問題は、私が健康を害することで迷惑を被る人が多い事だ。だから、他人よりも健康に気を使っており医療費なども、保険料を返してもらいたいぐらいに貢献している。
税金もそうだが、それなりに努力している人と、いい加減な生活習慣に浸って健康管理もせずに、医者に暇つぶしに行く人、パチンコ、競馬、競輪とギャンブルに貴重な時間を潰す人達と一緒に管理されるのは、法律といえどもたまらないと言うもの。
出だしから、年寄りの冷や水で不愉快な思いをさせて申し訳無いが、今年の4月は天候不順で、知り合いも亡くなったり、床についたりと老齢の悲哀を感じた事を書こうと思って、つい、愚痴になってしまった事お許し願いたい。

さて、論調を変えて楽しく行きましょう。4月になるとゴルフ仲間が黙っていないのが例年の事であります。だから、コンサートも事前に調整し、今月は新国立劇場のモーツアルト/オペラ「魔笛」と神奈川フィル定期演奏会の2演目に絞っていました。
この両日とも、4月らしい気持ちの良い気候で、オペラ鑑賞やコンサートに出かける時の気分は何者にも変え難い楽しさでした。それはもう、ゴルフ以上のものです。この季節本来は、年寄りも若者も同じ環境下に、実に良い気分であるはずであります。

1.新国立劇場 モーツアルト/オペラ「魔笛」
4月14日(日)14:00開演のマチネ公演に行ってきました。
このオペラは、2幕の比較的短めのもので、午後2時の開演ですから5時過ぎには終演となります。日曜の夜は、現役を務めている者にとって、どうも、落ち着かないと言う永年の習慣が身に付いて、折角の都心の夜でありながら、一気に車を跳ばして横浜の自宅に帰りました。
新国立劇場の駐車場は、システムが変わって800円以上は取られません、オペラを鑑賞して800円の駐車料金ですから、新国立劇場に行くには車がいいですよ。しかも、横浜のホールと違って車での来場者が少なく、場所取りの心配が無いのは、優雅と言うものであります。
モーツアルトのオペラ「魔笛」は、モーツアルト最後の作品であり、この初演公演が絶賛を博して、今で言うロングラン公演中にありましたが、その間に作曲者が亡くなり、そのモーツアルトが共同墓地に埋められてしまう、その死の重要性に誰も気が付かなかったのです。
そして、当時大御所として存在したハイドンが、「ところで、最近モーツアルトはどうしている」と言ったことで、初めてその重要さに気がついたと言うのですから、今思うと何とも言いようの無い寂しさを感じます。そして、モーツアルトの才能をその程度としか見ていなかった当時の社会情勢なども、不思議な現象と思うのです。
このオペラは最初からドイツ語で作曲されたと言うのも当時としては画期的であった訳だし、死期が近いにもかかわらず、これだけ美しいメロディーを書き綴ったモーツアルトの天才ぶりは異常と言うものでしょう。現代では、子供も理解出来るオペラ、しかもソプラノのコンクール課題曲として定番のアリアも有ると言うこと、オペラ存在価値を現代社会に高める作品のひとつ、だから尚のことです。
さて、当日の公演ですが、珍しく全てのキャストが日本人でした。中でもパミーナを演じた砂川涼子さんは、素晴らしかった。容姿と歌唱共に素晴らしく今が旬というところでしょうか、国内での活躍が盛んでありますがソプラノの宿命を覆し長続きする事を願っています。
また、ザラストラスを演じたバスの松井浩もザラストラの役柄に良くマッチした、なかなかの出来映えと言えるものでした。
オーケストラは、東京フィルハーモニー、指揮がラルフ・ヴァイケルト。この人は、27歳でボン歌劇場の音楽監督に就任、その後各地の歌劇場の音楽監督に就任し、ザルツブルグ音楽祭、ウイーン国立劇場、メトロポリタンなどの常連で録音も多い、新国立劇場には2度目の出演であります。ツボを確り抑えるのが新国立劇場流と言えましょう。

2.神奈川フィルハーモニー定期演奏会
4月26日(金)19:00開演で行ってきました。
4月から新シーズンとなります。当日は、その初日のためか気合の入った公演でした。演奏曲目は、ブーレーズ/「ノタシオンⅠ、Ⅳ、Ⅲ、Ⅱ、」、 ストラビンスキー/バレー組曲「火の鳥」、 ストラビンスキー/バレー音楽「春の祭典」の3曲でした。
横浜みなとみらいホールのステージに溢れんばかりの楽器と演奏者、第一バイオリンが18人、コントラバスが10本、その他管楽器郡も通常の倍の人数に加えて、この曲は打楽器郡も多種登場しますから、大きな舞台が狭くなります。
多分、オーケストラの半数以上の奏者が外部からのエキストラと思います、関係者が言うように、この公演は見るからに赤字と思いました。
神奈川フィルは、今、過去の赤字を清算して新公益法人への移行を目指し、寄付金募集活動の最中ですが、先日のニュースでもその目処が立ったと報じられていました。財政難による経費緊縮公演では芸術が成り立ちません。やるべき時に、やるべき事をやらないとファンは付いてこない、当然の理と言うものであります。
この点、今月のシーズン始めの定期演奏と言うケジメは、立派であったと言わざるを得ないでしょう。
これ等の曲は、いわく付ではありますが、いまでは名曲の定番であり、レコードには名演奏、名録音が目白押しであります。しかし、生演奏となるとなかなか聴けない貴重な機会と言う事になり、このコンサートはファンにとって貴重なものでありました。
演奏は、流石に神奈川フィル、一流プロオーケストラであります。オーディオファン定番のレコードを繰り返し聴いて耳にタコが出来ている私ですが、演奏には何の瑕疵も無く見事であり、レコードでは聴けない「音」が各所に存在する事に改めて感激し、生音を聴く事なくして、オーディオを語ってもらいたくないとつくづく思ったのであります。
当日の演奏は、指揮が金聖響、ソロ・コンサートマスターが石田康尚でした。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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