Phasemation フェーズメーション

colums会長のコラム

会長のコラム 018

新年明けましておめでとう御座います。

読者の皆様、フェーズテックご愛用の皆様、今年も宜しくお願い申し上げます。

今回のコラムには異なった2つの話題を載せましたので、ご高覧頂きたくお願い致します。

まず、趣味のオーディオを語る時。

その人が「オーディオに何を求めているのか」を知って対応しないと、異なった土俵で論議してしまい、すれ違いのまま、後味の悪さだけが残る、という事をしばしば経験します。 如何なる場合でも、同じ趣味の持ち主ですから、けなし合いで終わりたくないものです。

私の場合は、このコラムで度々言っているように、音楽有ってのオーディオであり、如何に「それらしさ」を求めるかが、オーディオの目的と思っています。

オーディオマニアが求めるものとして、例えば鬼太鼓座のCDの低音がどれだけ出るか、出るものが良い装置で出無いものは駄目とか、モノレコードしか聞かないでステレオはオーディオではないと言う人、装置はステレオ式でもステレオを聞かずに音色しか聞かない人等色々です。

たまたま、両極のマニアの方がお客様として鉢合わせると大変です。

お互いに相手の存在を否定して掛かりますから、まるで土俵の違うそれぞれの場所で相撲を取っているようなもので、終わりが有りません。私が、音像定位のステレオ追及型と知って2度と訪問しなくなった人もおられます。私の個人的感覚になるかも知れませんが、モノレコードしか聴かない人は、音楽を聴くと言う観点から言うと、私の理解の範疇なのですが、私がステレオ追及型と知って再来しなくなる人もいます。

鬼太鼓座のコンサートに行ってみると、レコードやCDによる再生音のような低音は聞こえて来ません。明らかにパッケージメディアには、人工的に低音が加味されています。それを再生して楽しむのもオーディオですから、他人がとやかく言う筋では有りませんが、それを以って他流試合気分で、「お宅の音は」とか、「アルテックだからどうの」と言うのは如何なものか。極端な人は、「それでもお前はプロか」などと言われるのですからたまりません。

当社のポリシーは、「オーディオ機器は音楽を聴く為のツール」「そのツールは忠実なる変換機」が目標です。 誰が何と言おうと雷音やSL音の忠実なる再生機とは無縁のものです。「音楽を聴くオーディオ」の原点に帰って、同じ目線で論議しつつオーディオを楽しみ、またお互いに切磋琢磨すべきと思います。この場合の同じ目線と言うのは、ステレオ再生であり、「生音楽」への「らしさ」の追求なのです。

次に、技術の話に話題をかえましょう。タイムアライメントの話をします。

タイムアライメントはステレオ再生を求める上でもっとも大切な要素です、MJ誌04年7月号に技術的な歴史が掲載されていますので、是非お読みになって下さい。当社の試聴室のスピーカーは、アルテックA-5システムの純正ネットワークを外して、デジタルフィルターで2ウエイにデバイドしています。ウーファーとツイーターのセッティング位置は、指定の位置にセットすると、タイムアライメントもアバウトですが自ずからセットされます。 ですから、このタイプのスピーカーでは、タイムアライメントに関して問題を感じる事は少ないと思います。

当社のお客さまから、お前が言うような定位について実感が無い。 お前の全商品を買ったのだから診てくれとの依頼が有りました。 この様なチューニングに類する仕事は当社の業務では無いのですが、お得意様ですから仕方有りません。

早速、マイクロホン、オシロスコープ、発振機などの測定器を持ってお伺いしました。案の定、タイムアライメントに関して、殆ど手付かずです。殆どと言うのは、雑誌等で言われている振動板の位置と思しき位置を合わせている程度で、確かに定位が悪くステレオ感は今一、いや今二以上に再現されていません。

使用している機器は、アルテックの416とゴトウのホーンにWE555と言う音像定位には定評のあるデバイスであります。しかし、このお宅の装置でタイムアライメントをとるには、大変難しい構造です。とりあえず測定して位置合わせをしてみると、見事に音像が定位するのですが、何とも落ち着きの悪い配置構造になってしまいます。

そこで、デジタル式のタイムディレーを使用することより、見た目の落ち着きの良さを優先してユニットを配置しても、後からタイムアライメントをディレー時間で調整出来るので便利です。センチメートルのオーダーで調整したところ、見事に音像が定位しステレオ感を再現出来まして、我ながら改めてタイムアライメントの重要さを再認識した次第です。

しかし、デジタルデレーを入れると音が悪くなる、と言われる方が多く居られるのも事実です。それは、以前このコラムでもお話しましたが、デジタル機器の入力レベルがフルビットになるような使い方をしていないとか、機器の品質に問題は無いのかとかのチェックをしないと結論は出せませんが、しっかりやれば、そんな事は有りません。

タイムアライメント調整は結構大変な仕事で、市販されている名機はそれなりに隠された技術を駆使しています。

私など、5ウエイオールホーンシステムと聞いただけで気が遠くなってしまいます。 使っている人は余程根気の良い人なのでしょう。今の私は即刻逃げます。

それから、当社商品をお買い上げ頂いた方々へのお願いですが、是非とも愛用者カードの返送をお願い致します。

フォローアップのご案内や御礼の品々の発送が出来ず、問題をきたしております。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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