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colums会長のコラム

会長のコラム 054

1月は、新春コンサートと名乗るコンサートが多いですね。私の場合は、プラハ国立歌劇場の日本引越し公演、新国立劇場の定期公演、神奈川フィルの定期が既にブックされていましたので、新年の華々しさと言うか忙しさいと言うか、新年早々の観劇とコンサートのラッシュで始まります。

まずは、プラハ国立歌劇場の引越し公演で1月8日のオーチャードホールでのフィガロ、そして1月15日に上野の東京文化会館での魔笛の観劇でした。チェコの首都プラハは、モーツアルトが最も愛した処であると同時に、プラハ市民もモーツアルトを最も歓迎した人達でした。この度の日本公演は、その伝統を踏まえての公演であったと思われます、モーツアルトの代表作のこの2つの公演もモーツアルトへの思いやりが感じ取れ当時の背景に忠実であり地味な演出でした。そして、最近よくある現代流を廃止した好感のもてるものでした。演奏も充実しており見ごたえのあるもので、これぞ「ザ・モーツアルト」と言って良いのではないか、久し振りに後味の良いオペラ観劇で気分最高です。

新春と名乗るコンサートを二つ鑑賞しました、1月12日に横浜青葉台のフィリアホールに於ける開場15周年記念コンサートと名乗る公演。そして、1月14日に行われた新百合丘のテアトロ・ジーリオ ショウワで行われた「かながわ フレッシュ・コンサート in しんゆり」と名乗るコンサートでした。

フィリアホールはご存知の方も多いと思います、コンパクト、シンプルで抜群な音響が特徴です。ここで、N協メンバーを中心とした斉藤一郎指揮によるチャンバーオーケストラをバックに米元響子のバイオリン演奏でメンデルスゾーンのV協奏曲、そして菊池洋子のピアノ演奏でモーツアルトのP協20番でした。新春に相応しい構成で演奏内容も素晴らしいものでした、海外有名アーティストの来日が盛んな折に新たな発見のひと時でした。

次に1月14日の新百合丘でのコンサートについてです、ここは小田急線の急行が止まる駅とは言え、この地に連想し難い文化施設と言うと土地の人に失礼かも知れませんが、正直、多くの人がその様に印象しますからお許し下さい。
この「テアトロ・ジーリオ ショウワ」と言うのは、昭和音楽大学の付属施設で、音楽教育を目的としたもののようです。しかし、設備は実に立派で本格的なオペラハウスです。聞くところによると、その舞台バックヤードは実に広大でサッカーが出来るほどだと言われています。
ここでの演奏は、第一部が神奈川フィルハーモニーをバックにモーツアルトのファゴット協奏曲、チャイコフスキーのピアノ協奏曲が演奏されました。ファゴットとピアノの演奏者は、この大学の卒業生で、海外で活躍している人達のようですが、私は始めて聴く方々でした、なかなか良い演奏だったと思います。
ただ、このホールは神奈川県民ホールと同様にオペラハウスなものですから、舞台でのオーケストラ演奏は今一と言うところです。やはり、オペラハウスの舞台は広大なバックヤードが音響に影響しているのでしょう。
第2部は、神奈川フィルハーモニーのバックでオペラガラコンサートでした、ソプラノが2人とテナーが1人の計3人のガラコンサートです。このうち広田美穂さんと言うソプラノは素人の目ですが素晴らしいと思いました、声量は森麻季など問題になりません、声も素晴らしくあとは世界のヒノキ舞台での経験でしょう。森麻季がドレスデンに出演できるのですから、これから機会は充分あると思います。
森麻季で思い出しましたが、昨年、ドレスデンオペラで「バラの騎士」のゾフィーを演じていましたが、元帥夫人やオクタビアとの声量の違いを見せ付けられ、やはりオペラは歌が上手いだけでは通用しませんね、日本公演と言うことで「おまけ」的存在だったように感じてしまいましたが、当日は日本では珍しい「ブー」が飛ばされていました。その公演が、先日NHKハイビジョンで放映されていましたが、堀内修の解説でも森麻季を評して「結構頑張っていた」と言う表現をしていましたが、流石評論家で上手い言い方です。
話しを戻します。これ程、素晴らしいオペラ劇場をこれからどう活用して行くのか、音楽学校の施設ですからそれなりの用途なのでしょうが、折角ですから地域の音楽文化の振興に活用してもらいたいものです。その祭はチケットの価格が大切で、一度で良いからオペラ劇場の雰囲気を一人でも多くの人に提供すべく考えて貰いたいものです、「忙しいのに多額のオカネを払ってまで行けないよ」と言うのが普通の考えです、その気持ちを理解して貰いたいです。
昭和音大の理事長は、日本のオペラ振興に貢献されている方と聞いていますので今後が期待できるでしょう。

国立劇場のオペラ「ラ・ボエーム」はどうしても触れておきたい公演でした、それは、1月24日の公演でこのときのミミ役のマリア・バーヨが素晴らしかった事です、歌と演技ともにミレルラ・フレーニを思い出す程に彷彿とさせられてしまい、東京交響楽団の荒っぽい演奏など殆ど影響されずに、しかも見慣れたオペラでありながら泣きかけてしまったほどです。
指揮が、イタリアオペラの職人的存在のマウリツィオ・バルバチーニで、この人はメトロポリタンやウイーンにも出ています、オペラ全体をバランス良く引っ張る役として、良い結果を出したのではないでしょうか。

さあ、1月25日の神奈川フィルの定期演奏会です、指揮がゲルハルト・ボッセ、この人は若い頃ゲバントハウス管弦楽団のコンサートマスターを勤め、ドイツ音楽界の重鎮の一人です、日本にも教育者として実績があり、現在は東京芸大の客員教授でもあり芸大チェンバーオーケストラを率いてヨーロッパツアーなども行っていますし、そのほかに日本での演奏活動も行っています。当日演奏されたベートーベンの交響曲第7番は、みなとみらいホールの良い音響を伴って私にとって久し振りに聴く名演奏に興奮し、帰宅後は早速吾がオーディオルームにてジンマン盤による再確認でした。

当コラム最後になりますが、1月10日横浜のライブハウス「バーバーバー」にての北村英治カルテットのライブに触れておきます。このカルテット最近の構成はドラムが八代邦義、ピアノが高浜和英、ベースが山口雄三で定着しています。普段は銀座での出演が多く我々横浜に住むものにとってはなかなか行けないのが現状です、しかし此処への出演は月に1回ですから寂しいかぎりです。
演奏は相変わらずご機嫌なビートで、私としては青春時代に帰る楽しいひと時でした。北村さんは昨年勲章を受章されました、そのお祝いのパーティーが2月に帝国ホテルで開催されます、参加料金が少し高いのですが、ご祝儀と思えば我慢の範疇でしょう。次回にレポートしますのでお楽しみに。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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