Phasemation フェーズメーション

colums会長のコラム

会長のコラム 013

マッキン・C-22、マランツ・#7、クレル・PAM-2、ザイカ、オーディオテクネ、ビクター・PL-10、これらは私の持っているアナログイコライザーアンプの面々です、ここに列挙したのは、自慢のためでは有りませんで、フェーズテックのフォノアンプEA-1誕生の過程をお話したいからです。

何故こんなに買ってしまったのか、最初に買ったのがマッキン・C-22 でした、これが実に素晴らしいアンプでしたが、当時両雄と言われたマランツ・#7にも触手を伸ばし、買ってしまいました。

私の好みは、やはり、C-22が遥かに好ましく思い、この時点で満足していれば良いものを、このC-22に使用しているパーツが現代風に言うとプアーである事が気になりだし、もっと素晴らしいものがある筈だと思うようになったのが病の始まりで、次々に買ってしまった訳です。

結果的には、マッキン・C-22を超えるものはなかったと言うのが結論で、その後魅力あるものが発売されましたが、その時は既に購入する意欲を失ってしまいました、その後も本当にC-22が最高と言い切れるのかと言う疑問が吹っ切れず、考えたのが自作でチャレンジと言うマニアの常道だった訳です。

C-22を超える要素として、電源の補強、端子、SWそしてVRなどのプアーな部品のグレードアップ、そして何と言ってもNFB回路の一切廃止と言うコンセプトの元で、更に、真空管も「12AX7 が本当に良いのか」から始まり、イコライザー回路も CR回路、LCR回路、そして真空管は6DJ8 12AT7 12BH7 12AU7 など等の検討から始まったのですが、兎角悪戦苦闘の連続でした。周囲の「スズメ」達がイコライザーアンプはアマチュアには無理だとしきりに言うのも、「うるさい、黙れ」とばかりにその間4~5年費やしたでしょうか、やっとC-22の私流グレードアップ器の骨格が出来上がったのが一昨年のことでした。時を同じくして幸運にも、プロ中のプロたる藤原氏が当社に入社され、本イコライザーも商品のレベルに迄 具現化する事が出来、フェーズテック・EA-1が商品として日の目を見ることが出来た次第です。

「音の良し悪し」と「好き嫌い」は別の問題であり、これを混同するとマニア同士の喧嘩になります、評論家同士のこの次元での喧嘩は有り得ないし、私と藤原との衝突もありません。それは、音の良し悪しの基準を理解しているからです。

オーディオ草創期には、五味康祐と高城重躬氏との有名な論争なども有りましたが、最近では未熟な論者が切り込んで来るとき以外は、その次元での論争も無くなって来ました、オーディオ論争も成熟期に到達したと思っている次第です。

過去こんな事がありました。私が「寺垣武を囲む会」の事務局をやっていた当時、会が主催したレコードコンサートに参加したあるマニアの論客が、「こんな音を聞かせるためにわざわざ人を呼んだのか」と言う事でお叱りをうけたのです。

その方の言い分は、「この装置の音はまるで駄目だ、自分は、ゴトウの5チャンネルを使っている」とのことでした。

その時、私が言ったことは、「自分は、ゴトウの5チャンネル専用の部屋を別に持っている(本当に持っています)が、私の場合このシステムで音像定位の実現は出来ていません。しかし、実現している人もおられる事を知っています、多分貴方もそのお一人なのでしょう、それは、私の技術力の微力の故と思っており、将来のテーマとして残してあります。今は、寺垣システムでそれを実現しようと思って、満足するレベルではないけれど、私のゴトウシステムでは出来ない事をある程度実現していると思うので、その辺りを皆さんに評価して貰いたいとの思いからやっています。」と言ったところその論客は、以後何も言ってこなくなりました。

音像定位は、複雑なスピーカーシステムでは不可能では有りませんが、実現が難しいのです。今では、これを簡単に誰でも出きる様にする事が我々の務めと考える様になっています。

前にも述べましたが、L R の2チャンネルで奥行き上下の音像を音場に再現する事の達成感はオーディオの醍醐味なのです。マニアを自称する方々でこの音像定位を体験しておられない方が意外と多いようです。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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