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colums会長のコラム

会長のコラム 084

2月は、17日から当社ドイツ現法に立ち寄ってから南イタリアの旅に出たものですから、この部分を旅行記として独立した形で掲載する事にし、ハプニングの旅、請うご期待と言う事で次のコラム85としてアップさせて頂きます。

今月のサマリー
1.DVD音楽ソフトの再生に付いて
2.新国立劇場のオペラ「ジークフリート」
3.神奈川フィルハーモニー2月定期公演

1.DVD音楽ソフトの再生に付いて
最近のDVD音楽ソフトは、ブルーレイディスクソフトも充実しつつあり、そのサラウンド機能も定着しつつあります。またソフトの内容も良いものがリリースされていますので、ここでその再生技術に付いて整理してみるのも意義あると思います。
既にご存知と思いますが、DVD再生手順としてオーディオの選択、原語の選択などを行いますが、このオーディオ選択に付いて、私が体験した事、気付いた事をお話します。
サラウンド再生に付いては、歴史も永く私も随分実験や体験を試みましたがここで原理や歴史を語ることが主旨では有りません。
サラウンド機能を持つメディアとしてSACD、DVDの存在は身近なものでありますが、私を含めて頑強なる2チャンネル派の方々が存在され、サラウンド再生に興味を示さない方々が多いのも現状ではないでしょうか。私は以前にもこのコラムでお話しましたが、LとRの2チャンネルで如何に音場再生を試みるかがオーディオの醍醐味であるとの思いからサラウンド無用論を主張して来ました。そして、その様に考えるオーディオファンが多いのも事実であり、SACDプレーヤーからアナログ サラウンド出力端子を付属しない機器が現れてしばしの時間が経ちます。
私は、この様な環境の中で、ブルーレイディスク再生専用機が発売された事が、DVDソフトの再生に革命的なインパクトを与えたと感じています。それは、DVDソフトの録画機での再生とは画質、音質において格段の差があり、しかも、7.1チァンネルサラウンドのアナログ出力端子が付いる事であります。この機能は、私には興味の無いものと思っていましたが、それが意外や意外でありまして、私の「目から鱗」の体験話を聞いてもらいたくてコラムに取り上げました。
再生専用機の使用に際し、初期設定として2CH再生とサラウンド再生を選択するハード側の設定を行います。一方DVDソフトの再生時は、ソフトの再生の前にオーディオ設定として2CH再生かサラウンド再生の設定をソフト側として行います。
ハード側で2CHに設定して、ソフト側でサラウンド再生を選んで再生したとすれば、当然フロント3CHのセンターが抜けた音で再生される訳です。しかし、ここで気が付いた事は、ソフト側2CHで再生したときに比べて、左右の幅は広く音の密度も高く再生周波数レンジも幅広く収録されていると感じたことです。
それは、その筈で、元々フロントは3CH収録している筈ですから、当然情報量も多いわけです。そこで、ハード側をサラウンドに設定して手持ちの2A3シングルアンプと三菱の610(6半ユニットの自作箱)をセンターに据えて仮に再生してみるとその音は何とも素晴らしいのです、(ハード)/(ソフト)とも2CH/2CHの設定で再生したときとでは受ける感動はまるで違うのです。このときのサイドとバックの音源は無視です。
SACDの場合は、2CHとサラウンドでは音源のレイヤーを変えて収録していますが、DVDではサラウンドの音源だけが収録されているわけです。この関係を規格で調べて見ると、フロント側に付いて言うと元々3.1CHで集録しています(ここで0.1CHのことはとり合えず省略してお話する事にします)、それを2CH/2CHで再生するとソフト側からハード側に2CHにミックスダウンする信号が送られ、ハード側ではその指令に従って、3CH情報を2CHにミックスダウンする事になります。
もう、お分かり頂いたと思いますが、元々3CHで集録されたフロントの音楽情報は、ミックスダウンと言う人為的加工が施されて再生されると言うことです。
この事に気が付いて、私は暫定的に写真のような形でDVDオペラを楽しんでいますが、写真でおわかりのように、形が美しくないので近々なんとかしたいと思っております。
ならば、折角購入した50インチのプラズマディスプレーも回析効果を嫌って遠くに追いやったし、天井に設置したサブウーファーの80cmユニットも0.1CH再生に有効になるのではないかと考えるのも自然であり、環境整備に忙しくなりますが、されど、サラウンドのミソとも言えるサイドやバックの音楽情報には興味が湧きませんで、恐らくこれからも無視し続ける事になるでしょう。

2.新国立劇場のオペラ「ジークフリート」
楽劇「ニーベルングの指輪」第2日、前夜祭から数えて3日目です。新国立劇場の今年度中のプログラムにて全3日前夜を含めて4日を完結する予定になっています。今月は第2日と称し、ジークフリートと題された部分です。
このジークフリートは、3幕の構成でありますが、第3幕の間に完成に12年間の歳月を要しており、ワグナーはこの間に「トリスタン」と「マイスタージンガー」の2作の大曲オペラを作っています。当然、その影響はこの第3幕に現れており第2幕までの流れと大きく変わるものを感じます。その辺りの詳しいことは色々な解説者が語っていますので、勉強されると面白いと思います。
私の感じる事は、何と言ってワグナーの本作に対する気合、入れ込みの凄さが格別なものであると言う事でしょう。それは、ストーリーの進展に比べて音楽への力の込め様が尋常で無いことから察知できます。何しろ音楽の作りが一変し、まるでリヒャルト・シュトラウスが出てきたのかと思わせる甘美な旋律が延々と続きます。表現の仕方に問題有りですね。シュトラウスはワグナーを尊敬していた後輩ですから何と言えば良いのでしょう。シュトラウスがワグナーを真似たとも言えるほどに近似したメロディー、そしてこの長い楽劇の終焉近くで尻が痛くなり、トイレも意識する情況の中「これでもか」とばかりに、ソプラノ、テノールによる甘美な旋律を押し売りされると、もうたまりませんね。
当日は、マチネでありまして午後2時の開演、そして終演が8時です。途中50分と40分の休憩が入りますが、一幕1.5時間で3幕で実時4.5時間です。その間身じろぎもせずに夢中にさせるのですから、ワグナーとは並の凄さでは有りません。
このところ、東京フィルの演奏も中々のものと感じており、当日の演奏も瑕疵を感じない立派なものでありました。

3.神奈川フィルハーモニー2月定期公演
当日の出演者ですが、指揮者が下野達也で、この人は1969年の生まれですから、41歳と若いのですが、数々のコンクールに優勝し現在では読売日響の正指揮者を務めるなどで現在の若手一番の人気指揮者です。そして、ピアノ演奏者が20歳で ロン・ティボー国際コンクールで優勝し国際活動も開始するなどで話題の多い 田村響でありまして、話題の多い演奏者を取り揃えたコンサートでした。
演奏曲目は、ショパン/P協1番はともかくとして、矢代秋雄/交響曲は私にとって問題ありです。定期演奏会ででも無ければ私は行かないでしょう。矢代秋雄は天才作曲家として名前は知っていましたが現代音楽への理解力に欠ける私には猫に小判、当人にとっては苦痛でありましたが、それでもオーディオ的に面白い効果は無いかと真剣に聴いていました。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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