フォノアンプEA-3Ⅱ
生産終了 2010年発売
左右対称デュアルモノラルコンストラクショントランジスター式無帰還型フォノアンプ
Recieved Prizes受賞歴
Stereo SoundBEST VALUE COMPONENTS 2010-2011 フォノイコライザーアンプ部門 1位
音元出版analog Grand Prix 2011
主な特長
半導体素子による全段対照無帰還型増幅器
音楽表現力の拡大を目指し、半導体に適した電流増幅動作による全段対称無帰還回路を新たに開発し搭載しました。この結果従来のトランジスター素子によるアンプでは困難であった「豊かな音の階調表現、躍動感と高S/N、卓越した空間表現の両立」を達成いたしました。
初段は相補性FET(電界効果トランジスター)のコンプリメンタリー接続により極めて低雑音の電圧電流変換回路を構成しています。厳選された素子は自己バイアス動作により動作点が定まるので、バイアス回路が不要となり、雑音の流入や音質の悪化要因がなく、素子本来の低雑音動作となります。
2段目は電流増幅及び電圧変換回路を構成し、電流出力点に接続されたRIAAインピーダンス素子により再生特性を得ています。 このため超高域周波数までRIAA偏差のないCR型イコライザー回路を構成し優れた過渡特性を得ています。この回路では電流変換誤差、出力電圧に依存する増幅素子のパラメーター変動の影響を受けずに精度の高い動作を行なう各種の回路技法が投入されており、無帰還型増幅器でありながら帰還型増幅器に匹敵する優れた特性を得る事に成功しました。
出力バッファー回路は、入力ブートストラップにより広帯域に渡り高入力インピーダンスを確保し、ダーリントン接続された出力素子は同時に十分な電流増幅をもち、次段に接続される機器を強力にドライブします。
強力な電源部を搭載、進化したデュアルモノラルコンストラクション
従来機同様に電源回路からアンプ回路へと完全に左右対称のデュアルモノラルコンストラクションを構成し、高度な左右チャンネルの均一性を実現しています。更に電源回路には新たに合計80,000uFの電解コンデンサーを追加して徹底した低インピーダンス化をはかり、シャント型ローカル電源の採用と相俟って電源負荷によるパラメーター変動のない理想的な電源供給を行っています。全周波数レンジにわたって高S/N、高ダイナミックレンジを実現しました。
無振動・無共振・無干渉 構造の実現
微弱な信号を増幅するフォノアンプでは、信号の純度を守るために、他からの妨害を受けない無振動・無共振・無干渉 構造の実現とシンプルな信号伝達が求められます。
メカニカルアース 電源トランスダイレクトグランディング
大型コアを用いた本機のR型電源トランスは低磁束密度による余裕を持った動作を行い磁気振動とリケージフラックスの発生を極力抑えています。更にこのトランスは電気・磁気抵抗の高い絶縁体である5mm厚のベーク板を介して直接スチール材削り出しのフットに組みつけられており、電源トランスが発する振動はシャーシに伝播されることなく直ちに大地に放出される構造となっております。
無振動・無共振・無干渉 構造のシャーシ
本機のシャーシベースは1.6mm厚の鋼板に銅メッキ処理を行い、更にこの上に塗装仕上げを行なっており、剛性の確保と磁気歪の軽減を実現しています。フロントパネル及びトップカバーはアルミ材により製作されており、特にフロントパネルは10mm厚を使用して無振動・無共振構造を構成しています。