オーディオアンプの世界では、半導体アンプから真空管アンプまで、その種類は幅広く、それぞれに良さがあり、趣味のオーディオとして楽しむことができます。特に、真空管パワーアンプでは、2A3や300Bなど、その音質で定評のある「銘球」と言われる真空管がいくつか存在し、その音質には、半導体アンプでは表現できない良さがあり、今の時代においても根強く支持されています。その中でも評価の高い真空管211をパラレル・シングル出力で用い、300Bによるトランス結合で強力にドライブする、211アンプで最高峰の音を味わってみたいという思いにお応えするものとして、今回、MA-5000をモノラル パワーアンプとして開発しました。
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出力管のPSVANE WE-211は、2本個別の専用固定バイアス電源による、最適動作点の設定と安定動作を確保したシングル・純Ａ級動作という、WE-211本来の素性の良さを最もシンプルな動作で発揮できる構成で、パラレル動作による出力45Wを超える強力なスピーカードライブ力を実現しました。さらに電源ＯＮ時のタイマー制御（1分間）による電源供給と合わせて、高信頼性高音質動作を実現しています。
音質に定評のあるPSVANE WE-300Bを出力管WE-211のドライバーとしてトランス結合で使用してWE-300Bを最適動作点に設定、WE-211パラレルの独立固定バイアスでの直流安定度を確保し、揺るぎない安定度でスピーカーを駆動します。
ECC803+300B+WE211という全段３極管による無帰還アンプ回路構成とすることにより、無帰還回路ならではの躍動感にあふれた表情豊かな音楽の再生能力を獲得しています。
本機の構成にふさわしく、当社が目指す音質に最も適したものとしてルンダール社製の段間および出力トランスを採用しました。段間トランスでは２次側の独立巻き線構造を利用して固定バイアス回路を各々の出力管WE-211に個別に用意し、メーター直読による最適動作点の設定と安定動作を確保しました。また出力トランスにおいても４～8Ωのスピーカーを最適に駆動できる専用設計トランスを用意しました。
入力端子はバランス/アンバランス両方に対応し、バランス→アンバランス変換を兼ねたトランス式アッテネーターを内蔵。 標準ゲインに対し-3，-6，-10ｄBのゲイン調整が可能、さらに－∞の入力OFFポジションを設定し、ケーブルの接続変更等スピーカー出力OFFを容易にすることが可能です。
ドライバー段（300B）とパワー段（WE-211パラシングル）には、それぞれ独立した電源トランスから電源を供給することにより、入力信号増幅回路とスピーカー駆動回路との相互干渉を排除し、微小レベルの信号からハイパワーの信号までクリアーに増幅します。更に、電源トランスは防振ゴムによりシャーシからフローティング。不要な振動をシャーシに伝わることを抑制し、ノイズレベルのさらなる低減に寄与しています。
高圧電源には原理的にスイッチングノイズの発生しない整流管5R4Gを2本パラレル接続とWチョークトランスによる余裕のある整流回路を採用し、ヒーターは、全ての真空管に対し完全DC電源による直流点火で、徹底したローノイズ設計としています。
タイマー動作中のスタンバイ時には赤、1分後の動作開始時には青色へと変化する2色LEDインジケータ表示を装備しました。 前面及び左右のパネルには10ｍｍ厚のアルミ材を使用し剛性を確保、フットにはＴＡＯＣ製の鋳鉄インシュレーターを採用し不要な振動を抑制しています。またスピーカー出力端子にはＦＵＲＵＴＥＣＨ製のトルクリミッター付きオーディオグレード品を採用して導体抵抗や接触抵抗による悪影響を最小限に抑えています。前面ガラスが印象的な真空管カバーには日本の伝統的デザインである和柄「七宝」を採用して風格ある外観デザインとしています。
| 形 式 | WE-211パラレルシングルモノラルパワーアンプ |
| 入力インピーダンス | 47kΩ |
| 利得 | 30dB |
| 残留雑音 | 200μV以下：A-NET |
| 定格出力 | 45W（THD：5％） |
| 周波数特性 | 10～40kHz（+0,-3ｄＢ） |
| 出力インピーダンス | 4～8Ω |
| 消費電力 | 350W（100VAC 50～60Hz） |
| 外形寸法（端子部含む） | 370（幅）×346（高さ）×636（奥行）mm |
| 質量 | 50kg |
| 付属品 | ACパワーケーブル、トリマー調整用ドライバー |
