MC昇圧トランスT-2000
レコードに刻まれた音楽の実在感 アーティストの情念をも引き出す
カートリッジ出力のバランス受けは、高音質を求める多くの方に認知されようとしています。
2014年に発売したT-500ではバランス受けを可能にし、高い評価を得ておりますが、継続的な研究の結果まだまだ改良の余地が有りました。更なる高音質化と圧倒的な情報量の向上を求め、我々が考えうる最高の昇圧トランスを開発しました。「バランス対応」は元より、巻線構造を一から見直し高音質を追求、さらにモノラル筐体構成にしたことで左右での音質干渉を徹底的に排除することに成功しました。
Phasemation渾身の高音質MC昇圧トランスT-2000を発売いたします。
Recieved Prizes受賞歴
音楽の友社 ステレオ 2017年12月号アナログディスク再生関連部門
誠文堂新光社MJ テクノロジー・オブ・ザ・イヤー アナログ部門 入賞
主な特長
バランス伝送対応の入力部
カートリッジのコイルによる発電は、本来バランス動作をしています。これをアンバランス接続で伝送する事は、バランス型のメリットを大きく損なってしまうだけでなく、外来ノイズの影響が音質に大きく影響してしまいます。
図1はバランス型フォノケーブルを使用して接続した配線の原理図です。カートリッジのコイル部とトランスのコイル部までがプッシュプルの平衡型で伝送されシールドがそれを包み込む形になるため、外来ノイズの影響を、遮断できる状態になっています。また、トランス入力部の中点と出力部のマイナス側をつなぐことにより、カートリッジ側から見れば完全バランス接続(2番ピンホット)になります。
図2は、一般的なMC昇圧トランスとアンバランス型のフォノケーブルで接続した場合です。外部シールドと信号線というアンバランス接続のため、シールド側が外来ノイズに晒されますので、ノイズの影響を受けやすいだけでなく、信号線にもその影響が入り込んでしまいます。
新規開発した高性能コア材を採用
従来から使用していた0.2mm厚のパーマロイ材を見直し、新たに「極薄スーパーマロイコア材」を開発しました。大型のコア形状と相まって、高い低域リニアリティと高効率昇圧(低損失)という優れた特性を達成し、細かな空間表現を実現しています。
最適巻線仕様の採用
トランス巻線仕様を一から見直し、使用カートリッジのインピーダンス値とトランスとのマッチングを考慮した最適値設計仕様を採用。新巻線構造と相まって音の広帯域化と高解像のトランスを実現しております。さらに、2次巻線に高純度銅線を採用したことにより、全帯域にわたりより良い生命力のみなぎる音に寄与しています。
また、最高の音を目指すべく、ハンドメイドにもこだわりました。これらにより広帯域で優れた周波数特性と位相特性を実現し、可聴帯域内の位相歪を減少させ、より明確な音像定位を実現しています。
外部誘導ハムと不要振動を排除
外部誘導ハム対応は堅牢な鋼鈑に銅メッキを施したシャーシベースと、誘導ハムシールドを配したケースカバー。さらにトランス付近に配置された磁気シールド材により2重構造としております。
昇圧トランスはハイダンピングラバー材で本体からフローティングされ、外部振動が伝播するのを防ぎます。
フロントパネルはコントロールアンプCA-1000と同等の20mm厚スラントアルミパネルを採用。筐体下にはウッドベースを追加し、異種素材を組み合わせる事により不要振動が効果的に排除されS/N比の良い再生音を実現しています。
高音質パーツの使用
入出力端子は高品質・高音質で定評のあるWBT/NEUTRIK社製を採用しました。
また、フットはTAOC社製ハイカーボン鋳鉄インシュレーターを採用し、音の解像度アップに貢献しています。
※ご注意 入力は、XLRとRCAのどちらか片方しか使用できません。両方に同時に接続するとノイズを発生する原因になります。
製品仕様
適合カートリッジ出力インピーダンス※1 |
4Ω |
負荷インピーダンス |
47kΩ |
昇圧比(電圧利得) |
26dB |
周波数特性 |
10~100kHz(±2db) |
外形寸法 |
W:214mm H:118mm D:265mm |
本体質量 |
4.9kgx2台 |
入出力端子 |
ロジュームメッキ端子 |
※1:使用可能カートリッジ出力インピーダンスは1.5~40Ωとなります。