鉄芯入りMC カートリッジの帯磁について
鉄芯入りMC カートリッジを長く使用していると、ヨークとマグネットで形成される磁気回路中に置かれているコイルを巻いた「磁性材の巻枠」が磁化されてしまいます。
MC昇圧トランスや鉄芯入りMC カートリッジは長年の使用と種々の原因により「帯磁」いたします。
帯磁すると磁気バイアスがかかり動作点がずれることで、再生される音楽信号に歪を生じさせ音質の劣化 を招きます。製品本来の音質をとり戻す為には、この帯磁した磁気を取り除かなければなりません。
Phasemation では、MC 昇圧トランスや鉄芯入りMC カートリッジの生産ノウハウを生かし、これらの消磁に最適なデガウザー(消磁器)をDG-100(ニックネーム:帯磁退治)として発売いたします。
鉄芯入りMC カートリッジを長く使用していると、ヨークとマグネットで形成される磁気回路中に置かれているコイルを巻いた「磁性材の巻枠」が磁化されてしまいます。
図3 はMC 昇圧トランスの概略図です。
1 次コイルにはMC カートリッジが接続され、2 次コイルはアンプのMM 入力に接続されます。
MC カートリッジでレコードを再生すると発電電圧:E1 により1 次コイルにI1 の電流が流れコアが磁化されます。その結果磁束φの流れが出来ます。
この磁束φは2 次コイルにも流れ一次コイルN1 と2 次コイルN2 の比で2 次側に電圧が出ます。
一般的にコア材にはパーマロイが使用されます。
パーマロイは信号を「0」にすれば保磁力が理論的には「0」になりますが、実際には「0」にはなりません。従ってわずかに帯磁されこれが維持されます。
MC 昇圧トランスや鉄芯入りMC カートリッジに440Hz のサイン波を図4 の様に約20 秒間かけて指数関数的に減少させた信号を印加します。つまり磁界を徐々に小さくしながら「0」に近づけることにより磁性材のコア及び巻枠を消磁します。
レコード再生時MC カートリッジをショートすることによりMC カートリッジの消磁ができます。例えばインピーダンス:4Ωで出力電圧:0.3mV のカートリッジは0.075mA の消磁電流になります。同様にインピーダンス:40Ωで出力電圧:0.3mV のカートリッジは0.0075mA の消磁電流になります。デガウザー:DG-100 は約50 倍以上の消磁電流が流れますので消磁効果は倍増いたします。そしてその効果は、微小レベルでの解像度が上がり、抜けの良い音になります。尚、MC 昇圧トランスも消磁可能です。
本機の「LINE OUT」をMC 昇圧トランスのRCA 入力端子又はレコードプレーヤーのRCA プラグに接続し「POWER」ボタンで電源を入れ、「START」ボタンを押せば約20 秒間で消磁が完了。
出力発振周波数 | 440Hz±5% |
出力電圧 | 0.7Vrms 以上 |
出力波形 | 約20 秒間の指数関数減衰波形 |
出力インピーダンス | 280Ω |
外形寸法 | 69(幅)x28(高さ)x121(奥行)mm |
本体質量 | 172g |
出力端子 | (RCAx2) 金メッキ端子 |
付属品 | 9V角型乾電池、クリップ付きプラグ(電池ケース内に収容されております。) |