コントロールアンプCA-3 / CA-3P
生産終了 2007年発売
ボリューム機構にCA-1直径「ハイブリッドゲインコントロール回路」搭載。
全段無帰還回路を採用。
Recieved Prizes受賞歴
Stereo SoundThe BEST BUY components 2008-2009 プリアンプ部門 1位(CA-3P)
Stereo SoundThe BEST BUY components 2007-2008 プリアンプ部門 2位(CA-3)
音元出版オーディオ銘機賞 2008 銅賞(CA-3)
音元出版オーディオ銘機賞 2009 (CA-3P)
音楽之友社stereo ベスト・バイ・コンポ2008 コントロールアンプ 2位(CA-3)
音楽之友社stereo ベスト・バイ・コンポ2008 コントロールアンプ 4位(CA-3P)<
誠文堂新光社第26回 MJ テクノロジー・オブ・ザ・イヤー セパレートアンプ部門賞(CA-3)
上級機CA-1で開発されたハイブリッドゲインコントロールによる音量調整回路を搭載しています。バッファーアンプにはEA-3のユニットアンプとして開発され、その豊かな音楽性で実績のあるフェーズテックオリジナルによる全段無帰還回路を採用。従来の半導体コントロールアンプの概念をぬりかえる音楽表現力と極め付きの、ハイコストパフォーマンスが特徴です。
主な特長
理想的なゲインコントロールを実現した音量調整回路
上級機CA-1で開発された「ハイブリッドゲインコントロール回路」を本機に採用しました。インピーダンスマッチング理論により、ソース機器から送られる信号の電力損失の生じない「理想的なゲインコントロール」を可能にしました。
この結果、本機の音量調整回路は必要充分な音量分解能(48レベル)を一切のアクティブ素子を用いることなく、高入力インピーダンス、低出力インピーダンスで実現しました。音量を絞っても浸透力を保ち、音がやせることなく鮮度感のある音楽をお楽しみいただけます。
本機では、このゲイン切り替えに電子スイッチを採用しています。この電子スイッチの縦続接続による音質劣化を避けるために、規模は大きくなりますが、あえて48ステップ1段の減衰器でコントロールしています。
この要となる電子スイッチには、従来比10倍近い高耐圧のアナログマルチプレクサICを採用し、十二分なダイナミックレンジとリアリティを確保しています。
半導体素子による増幅回路
フォノイコライジングアンプEA-3で評価の定まった弊社オリジナルFULL SYMMETRICAL NON-FEEDBACK CIRCUIT:TM をユニットアンプに採用。音楽表現力の拡大を目指し、半導体に適した電流増幅動作による対称無帰還回路です。無帰還回路ならではの躍動感にあふれた表情豊かな音楽の再生に加え、従来のトランジスター素子によるアンプでは困難であった「豊かな音の階調表現、躍動感とS/N、卓越した空間表現の両立」を達成しています。
シンプルな信号伝達
コントロールアンプに求められる必要機能に絞り込み、余分な接点を通過せず信号の純度を守りました。DSP等の外部の音質調整機器は本機のEXT.PROCESSORの入出力回路を使用することで対応可能です。バランス調整は、「ハイブリッドゲインコントロール回路」のL,Rの減衰度をオフセット動作させることで行い、余分なゲイン調整機構を排除しています。複数のソース信号が同居するコントロールアンプでは、信号の純度を守るために、入力回路の設計が重要で、ガス封入タイプのリレーを最適に配置することで、他からの妨害を受けない無共振・無振動・無干渉構造の実現とシンプルな信号伝達を達成しています。
デュアルモノラルコンストラクション
電源回路から完全に左右対称のデュアルモノラルコンストラクションを構成し、高度な左右チャンネルの均一性を実現しています。(電源トランスはLR共通)シャント型ローカル電源により電源負荷によるパラメーター変動のない理想的な電源配給を行い、回路電流ループの極小化によりチャンネルセパレーション90dB以上(20Hz~20kHz)を達成しています。
オールディスクリート部品による無帰還型フォノアンプ回路(CA-3P)
音楽表現力の拡大を目指し、本機に適した電流増幅動作による全段無帰還回路構成のフォノアンプを新たに開発し、搭載しました。
現代アンプの主流をしめている負帰還アンプは入力信号と出力信号を常に比較し、この差(補正信号)を入力信号として増幅するためにローコストで高精度の増幅が可能です。これに対し無帰還アンプは入力信号そのものを増幅する点が大きく異なります。
しかし無帰還アンプでは負帰還アンプのような補正動作はありませんので、構成する部品と動作点設定に高い精度が要求されコストがかかります。しかし音質面では音楽の躍動感、ダイナミクス、陰影感の表現に優れ、音楽、オーディオファイルの強い支持を得ている増幅形式とされ、フェーズテックのアンプはすべてこの増幅回路を採用しております。本機ではこの無帰還増幅をおこなうために厳選されたディスクリート能動素子を理想的な動作させるために、ディスクリート部品による回路構成を採用しております。この結果アナログディスクならではの「瑞々しい音色、躍動感と高S/N、空間表現の両立」を上級機に匹敵する高いレベルで達成しております。
フォノアンプ回路の詳細
初段は高GmFET(電界効果トランジスター)による極めて低雑音の電圧電流変換回路を構成しています。この回路は雑音の流入や音質の悪化要因を徹底排除したローノイズ定電流回路により安定に動作点が定まります。この電圧電流変換係数を変えることで、MMないしMCカートリッジに要求されるゲインを得ております。
2段目は電流増幅及び電圧変換回路を構成し、電流出力点に接続されたRIAAインピーダンス素子により再生特性を得ています。このため超高域周波数までRIAA偏差のないCR型イコライザー回路を構成し、優れた過渡特性を得ています。この回路では電流変換誤差、出力電圧に依存する増幅素子のパラメーター変動の影響を受けずに精度の高い動作を行なう各種の回路技法が投入されており、無帰還型増幅器でありながら帰還型増幅器に匹敵する優れた特性を得る事に成功しました。
出力バッファー回路は、インバーテッドダーリントン回路を採用し、高入力インピーダンスと低出力インピーダンスを確保、次段を強力にドライブします。
フォノアンプ部における無振動・無共振・無干渉 構造の実現
微弱な信号を増幅するフォノアンプでは、信号の純度を守るために、他からの干渉を受けない無共振・無振動・無干渉構造の実現とシンプルな信号伝達が求められます。
フォノアンプセクションは非磁性体で高剛性で電気・磁気的干渉を受けにくい3mm厚ベークライト板によりマウントしております。
余分なアクセサリー機能を排し、フォノ端子からダイレクトに配線し、微弱なフォノカートリッジ信号の純度を守っています。
デュアルモノラルコンストラクション
1,左右対称のデュアルモノラルコンストラクションを構成し、高度なレベルで左右チャンネルの均一性を実現しています。
2,左右独立電源による共通電源インピーダンスのない電源供給を行い、フォノアンプ部におけるチャンネルセパレーションは90dB以上(20Hz~20kHz)を達成しています。
電源トランスダイレクトグランディング
アナログ回路とコントロール用回路の電源を通じた相互干渉による音質悪化を避けるために、アナログとデジタル用にそれぞれの専用トランスを使用して電源配給をしています。本機の大型Rコア型電源トランスは、低磁束密度による余裕を持った動作を行い、磁気振動とリケージフラックスの発生を極力抑えています。
更にこのトランスは電気・磁気抵抗の高い絶縁体である5mmのベーク板を介して、直接ハイカーボンスチール丸棒削り出しのフットに組みつけられ、電源トランスが発する振動はシャーシに伝播されることなく直ちに大地に放出される構造となっています。
本機の音量調整回路について
従来の音量調整回路では、入力インピーダンスを確保するために比較的高い抵抗値のボリュームが使用され、音量の設定によっては、出力インピーダンスは大幅に変動してしまいます。最も使用頻度の高い-30~-10dBの音量設定領域では出力インピーダンスは数kΩ~10数kΩに上昇し、L・Rチャンネル間クロストークの悪化や、接続されるアンプの入力インピーダンスの影響を大きく受け、特性や音質の劣化を生じてしまいます。本機の音量調整機構は、一切のアクティブ素子を用いることなく、高入力・低出力インピーダンスを実現し、音量設定位置による出力インピーダンスは数100Ω以下の極めて低い値に保たれます。この結果、本機では音量を絞っても浸透力を保ち、音がやせることなく音楽が楽しめます。
このハイブリッドゲインコントロール回路技術は、平成19年度神奈川県中小企業新商品開発等支援事業に選定されました。
CA-3からCA-3Pへのバージョンアップについて
既にCA-3をご購入で、CA-3Pのフォノ回路取り付け御希望のお客様につきましては、50,000円(税抜)にて承ります。
詳しくは、ご購入の販売店までお問い合わせ下さい。